フリーアナウンサー・生島ヒロシ氏(74)が会長を務めていた生島企画室の元所属タレント、ナガセサエコさん(54)が、同氏からのセクハラ被害を告白した。ナガセさんは2011年から2017年9月まで同事務所に所属しており、当時の出来事を詳細に語っている。

生島企画室への移籍と「特別扱い」

ナガセさんは10代の終わりからモデルとして活動し、CMや女性誌などで活躍。1990年代後期からはミュージシャンとしても活動を続けていた。2011年、所属していた事務所が存続困難となり、新たな移籍先を探していたところ、生島企画室が最初に手を差し伸べた。

「法政大学出身という共通点もあり、生島氏から『他社には俺から断りを入れるよ』と言われ、強く誘われました。所属が決まると、すぐに電話がかかってくるようになり、頻繁にファミレスやジムに呼び出されました」

当初は親しみを込めた誘いのように感じていたが、次第に公私混同が目立つようになったという。 

エスカレートする「親愛の情」

「生島氏の行きつけのジムに呼ばれ、『一緒にトレーニングしないか?』と誘われました。私はやんわりと断りましたが、見学することに。彼は私に応援を求め、自身がウエイトリフティングをする姿を近くで見守るよう指示しました。冷静に考えれば奇妙な構図です」

次第に行動はエスカレートし、2016年春から夏にかけて決定的な出来事が起こった。

「仕事帰りにハイヤーで送ってもらう際、突然手を握られるようになりました。運転手もいる車内での出来事に違和感を覚えましたが、初めは拒絶できずにいました」

しかし、徐々に行為はエスカレート。

「手を握るだけだったのが、私の手を生島氏の股間に持っていくようになり、『サエコはいい女だね』と言われました。拒否すると『それはさすがに……』とかわしましたが、何度か同じ行為をされました」

さらに、帰宅後には衝撃的な電話がかかってきた。

「『気持ちよくなってきちゃった。サエコもやってくれ』と興奮した声で言われました。明らかに自慰行為をしている様子で、私にも同じことを求めてきたのです。突然の出来事に驚き、どう対応すればいいのかわからず、淡々と受け流すしかありませんでした」  

「告発」の決意、その理由とは

この出来事を公にしなかった理由について、ナガセさんはこう語る。

「生島氏は翌日、何事もなかったように振る舞いました。私も記憶から消し去るようにしました。事務所を辞めたのはこの件が理由ではなく、仕事の幅を広げるためでした」

しかし、芸能界におけるセクハラ問題が再び注目される中、「あったことはあった」と声を上げる決意をした。

「若いタレントが不安を抱えずに活動できる環境を作るため、私の経験を伝えることが大切だと思いました。許されないことは1回でもやってはならない。生島氏本人が真摯に受け止めるべきです」

ナガセさんの勇気ある告発が、芸能界の在り方を見直すきっかけとなるのか、今後の動向が注目される。