ロシア語の基本文型SVC 補語Cは造格なのか | 筋肉で外国語と戯れブログぴー

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脳みそが外国語の筋肉でできています。でも物理的にはヒョロガリです。




Там идёт какое-то мероприятие косплееров. Они выглядят очень весёлыми
(あそこでコスプレのイベントをやっているようですね。ずいぶん楽しそうですね)

口が覚えるロシア語 より

 

 


単語の意味
Там(あちらで:副詞)
идёт(進行している:動詞三人称単数現在)
какое-то(なにかの:不定代名詞)
мероприятие(イベント:名詞中性対格)
косплееров(コスプレイヤー:名詞複数生格)
Они(彼ら:代名詞複数主格)
выглядят(~に見える:動詞三人称複数主格)
очень(とても:副詞)
весёлыми(楽しい:形容詞複数造格)

весёлымиがなぜ造格なのか?

ロシア語初学者にとって意外と重要なポイントだと思うのでまとめてみましたよ。



 

ロシア語のBe動詞


英語で言う「Be動詞」はロシア語にもあります。

бытьってやつです。

これは、現在形ではなんと省略されてしまいます。

Be動詞を省略してしまうのです。

思い切りましたねロシア語。

そしてそれが、今回取り上げる問題を、分かり難くしている原因となっているのです。


 

SVCのCが主格と習う私達


以前、「S=Cが成り立つSVC構文のCは基本的に造格」と記事に書きました。

 

 


しかしながら、бытьを使ったSVC文では、Cが主格になります。


NHK出版 これならわかるロシア語文法 
主格 より

 

 

「AはBだ(A=B)」を表わすбытьの現在形の文では、述語は主格になります


つまり、補語Cは基本的に造格で、主格を置くのは特殊用法なんだけど、いわゆる「I am ~」というSVC文は使用頻度が高いため、全然特殊じゃなくなっている、というわけなんですね。

「I am ~」は中学校の英語の授業でも、教科書の一番最初にやりましたよね確か。

ロシア語でも実際に僕は、ニューエクスプレスでかなり初期の段階でこの特殊な「Cが主格」の方を先に学習しました。

なので当然、「SVCのCは主格なんだな」と覚えてしまうわけです。



 

SVC文はBe動詞だけじゃない


S=Cが成立すればSVC文なので、その文で使用される動詞はBe動詞(быть)だけではありません。

今回の例文にもあるように、「выглядят(~に見える)」もSVCが成立する動詞です。

Они(彼らは)
выглядят(~に見える)
очень весёлыми(とても楽しい)

S(彼ら) = C(楽しい)なので、今回の例文もвесёлымиは造格だったのです。


 

因みに

бытьを省略する代わりに、SとCの間にダッシュ(―)を表記するそうですが…

だったら省略しないで普通にбыть使ったらいいじゃねーか!って思うんですよね…



ロシア語の文法には「何でこんなヘンテコで不合理なルールでできているんだろう」と不思議に思うことがたくさんあります。

これはきっと、「簡単に習得できるとスパイがたくさん入って来ちゃうかもなあ。せや、ロシア語ややこしくしたろ!」と考えたロシアの頭のよい人がかつていたに違いありません。

何でもいいからそうやって理由つけないと、モヤモヤが止まらんのです。

 

気になりだしたら止まらないロシア語。

 

やめられないとまらない、ヅデゥラーストゥヴィチエ・ロシア語。


そんなロシア語に対し、私達学習者は一丸となって立ち向かい、一緒にボコボコにされましょう!

1人でボコボコにされるより、みんなでボコボコにされた方がまだマシかなーって。


そんなわけで以上、ロシア語SVCのCが主格なのは特殊変化なんだけど使用頻度が高すぎて標準装備になったやつ!でした。
 

 

 



プーチンさんのアレでロシア界隈は大変なことになっておりますが。


山羊山は、ここで学んだロシア語を平和的かつ洗練された異文化交流のために活用できる日が来ることを切実にお祈りしていますよ。朝晩二回。