↑参考文献の一部『近世武家思想』と『武士道叢書』
ということで、サークル幕末ヤ撃団無事に冬コミケ当選しました。
サークル「幕末ヤ撃団」出店情報
イベント:コミックマーケット103
日時:2023年12月31日(日)
ブース:西地区 け-13a
新刊:『武士道の基礎知識』を予定
現在、冬コミケ合わせの新刊『武士道の基礎知識』を作成中です。内容は、基本的には当プログで書いている武士道論を短くまとめ、かつ平安鎌倉時代以降の南北朝、室町時代、戦国時代、江戸時代、明治大正昭和(戦前の軍人武士道)を通史的に概略し、武士道という日本における戦闘者の精神の変転を見ていこうというものになります。
特によく言われる「日本に古来からある武士道」とか「古来からある大和魂」って何?。そんな精神は古来からないよ(爆)。そもそも古来っていつの時代?。飛鳥時代か奈良時代というのならば、あったのは「大丈夫(ますらお)の道」と「武士(もののふ)の道」でしょ。平安時代にようやく「兵(つわもの)の道」が出てくる。これらは、皆”違う特徴をもった精神”で、現代の我々が想像する道徳的な武士道と全然違う。
室町戦国時代の武士道は、天皇や朝廷を無視して下克上とか領地拡大とか覇権争いに明け暮れた武士道があるのみ。江戸時代に入り、天下太平の世になってようやく道徳的な武士道が登場してくる。それが「士道」なわけで。
でも、江戸時代に”国”といったら、土佐国とか上野国や薩摩国なので、当然”大和魂”なんて精神はない。土佐人魂とか薩摩魂はあったかもわからんが。幕末になって異国を意識するようになり、ここでようやく”日本”という国を守る必要性に迫られる。これが攘夷思想。で、我々は日本人だ!。と気が付いたところから”大和魂”が叫ばれてくるわけで。なので、江戸時代も末期の幕末期にならないと、こういう武士精神が現れてこない。
さらに言えば、その武士道精神は”あくまでも武士用”なので、庶民には使い辛い。明治に入ってから、ようやく庶民用の武士道が作られ普及。我々現代人がイメージする武士道はこの「明治武士道(もしくは皇国”愛国”武士道)」なんすわ。
ということを、通史的に論じてみようという感じの本になります(爆)。まー、武士道は仏教のお経や儒学のような教典がないので、その時代に合わせてガンガン変わっていくのです。ついでに言えば、現代武士道というものもあり、これはスポーツマンシップ的なものになるのだろうなと。剣道とか柔道、空手なんかで言われる武士道はこれですね。現代は現代にマッチした武士道でないとダメなのです。だって、江戸時代以前の武士道や武術は「いざ合戦となったら人を殺せるワザと実行できる精神」なので。現代で、いざとなったら「人を殺す覚悟と精神」なんて、学んじゃダメだし教えても倫理的にどうよ?。ということなわけで。なので現代で教えられる武士道は、全部現代人として生活するための糧になるよう改良された現代用武士道のはずです(苦笑)。
ともかく、武士道精神という掴み所の無いものを史学的に見ていくための手掛かりという感じの概説本になる予定。まずは、この概説からザックリ入り、後々各時代にあった武士道(戦闘者の精神)をきめ細かに史料といった根拠もしっかり示しながら探求していくということを考えています。
以上、新選組の武士道を探求するシリーズに続く、日本史武士道探求シリーズをはじめるその第一弾になります。コミケにないジャンルはないというほどの大型同人誌即売会ですが、なにげに”武士道”に特化したサークルは、コミケ広しといえど我がサークルのみだと自負する所存。乞うご期待くださいませ。