I様 ありがとうございました 1/3本家 EMCO コンパクト8  | ビートしま専科 Let's enjoy the beat together.

ビートしま専科 Let's enjoy the beat together.

ビートほか 作ること全般 DIY 65過ぎてのビート乗りです。
自ら組み上げたエンジンでドライブ 最高のホビー
乗るチョロQ ビート,
ドイツ製大型ビート(ボクスター)も仲間入り こちらは旅行にも便利,農道のポルシェ サンバ―トラック、FF最速 TYPE R

 

ヤフオク! - オーストリーEMCO製 コンパクト8 新品同様 替え... (yahoo.co.jp) 

オーストリー製 EMCO社 コンパクト8が入手できました。

レベル的は汚れがあるものの 実質 数時間の新品同様 摩耗もなく 防錆剤で固くなっていました。

この時代の物が ほぼ新品状態で廃棄されずに残っていたのは奇跡的です。

多くは 放置→汚れ→不動品→廃棄 のコースを通ります。うまくいけばリサイクル店に行きますが

この手の機械は 中古機械屋さんは扱わないので まず出回りません。

 

前回レストアした エムコマット7があるので こちらは いずれ出品して 次のオーナーに使ってもらおうと思います。 転売ヤーではないので 完璧に仕上げていきます。

前回作った トロリーはこの移送のためです。

ミニバン用 トロリー | ビートしま専科 Let's enjoy the beat together. (ameblo.jp)

 

この個体は オーストリーで作られた物ですが アジアで作られたものは コンパクト8Eと名付けられています。その後 中国メーカーがこれを コピーしてコストダウンしたものが出回りました。日本ではメカニクスが USL-5として販売していたものです。中国製でレベルは悪いですが 日本の手をかけて使えるように販売されていました。USL-5は会社にあったので違いも見ていきます。

メカニクス旋盤 ベアリング交換 | ビートしま専科 Let's enjoy the beat together. (ameblo.jp)

東洋でコンパクト7 コンパクト9というのが有りますが EMCO社とは関係のない 基本コピー品です。

ジョイフルホンダなどで展示されていることが有りますが すでに新品状態で調整されておらずガタガタで展示されています。これは締めると動かない 少し緩めるとガタガタという 粗悪品の代表例ですので このくらいガタを付けてないとハンドルすら回せません。真似だけして作れるレベルでは無いようです。

(精度も真似してくれると良いのですが)

 

チャックは正爪のみですが EMCO純正4インチスクロール 厚みが薄いので このような卓上旋盤にはうってつけです。

4ツールターレットのネジは 汎用機と同様に先に削りが入っています。トップスライドにも回転させた形跡もなく綺麗です。

前回同様スライド面の仕上げ  クロススライドにも摺動跡もなく 実働数時間でしょうか?

タンガロイの超硬きさげでも切れ身が落ちてきますので 交換して研いでおきます。

まずはトップスライドから組み上げ

 

低速側タイミングベルトが緩々 このままでは使えませんが ベルトは痛んではいない様子。

ヘッドストックの固定、ボルトを横から押さえるネジが 中国製のUSL5には有りません。

また 中国製はベッドメネジ スタッドボルトの精度が悪く 締めると舐めるので注意

中国製では 送りラックがプレスで作られて精度が悪いのと 厚みが薄くなっていることで調子が悪くなりますが EMCOは6mmの歯幅で機械加工されています。長期間使える仕様になっています。

精度の必要のないフレームは溶断でカットされているので 少し面取りしておきます。

Cリングも新しくしておきます。

摩耗後もなく綺麗なベッド    プーリーやすべてのパーツは新品時の様に磨き上げていきます。

最も重要な 主軸の組立 デスビで使っている クリューバ 100%化学合成グリス バリウムコンパックス

を充填。当然ベアリングは精密級テーパーローラー。このグリスは HDD、圧延ローラー 高級工作機械等に使われ トラブルを生じると重大な問題になるような、長時間メンテナンスが出来ない所に一部使われています。グリスとしてもトップクラスの物です。見たことのある方も少ないと思います。エンジンオイルで100%化学合成と販売されていますが そんな値段で買えるものなんでしょうか? このグリスでも370gで2万近くします。 自動車では重大な問題にはならないので使われることは有りません。

EMCOオリジナルは 通常のリチウムグリスのようですが デスビの様に高温下で使われることが無いので乾燥化はわずかです。

大陸製 USLはここが ラジアルベアリングにコストダウンされており ビビリの原因になっています。

一番小さな ML-210サイズのユニマットSL1000でも 特殊サイズのアンギュラですから そのあたりの工作機械の考え方が判ります。(ML-210はユニマット3をベースにレイアウトされていますが ラジアルベアリングです)

大陸製旋盤がヤフオクに多く出回ってますが 結局 満足できなくなり 手放します。

ヤフオクでも多く出品されています。

EMCOやマイフォードなどは一生物なので オーナーが無くなりまで出回ることもなく 無くなった時は知識や経験のない親族が手放し リサイクル屋さんがが出品されるので 結局 売りっぱなしになってしまい その後のフォローも無く またお蔵入りになって錆びつく状態になってしまいます。

最初はこのくらいでと思っても 使ううちに腕は勝手に上がっていきますので 安物買いの銭失いになります。機械に初心者用というのは有りません。機械に合わせるしかないのです。

 

アーバー基準で5μぐらいに まず合わせておきます。わずか先端が手前に来るよう 合わせておきます。

削った際に先太りはNGなので 平行か 0.02ぐらいの先細りになるようにです。

アーバーも テストバーも 完全ではないので 1回転の振れをみて その中間位置を基準とします。