無痛分娩レポートその④ | 島でのんびり暮らす

島でのんびり暮らす

今までのブログは辞めました。

無事に無痛分娩が始まったと思い、安心しきっていた私にまたも新たな問題がガーンガーン
出産は命懸けと言うが、まさに母体も赤ちゃんも死ぬ気でがんばって産まれてくる。そう簡単にはいかない。


先生は「大体の方は麻酔効かせてから4、5時間で産まれますからね。」と言っていたが、もう軽く6時間は経っていた。
朝から私に付いてくれていた助産師さん(神)はいつの間にか夜勤帯の助産師さん(おとなしめ・若い・可愛い)に変わっていた。


助産師さん(🆕)「順調ですよ~。今5㌢開いてますからね~。大丈夫ですよ~」
とちょこちょこ教えてもらうが、5㌢からなかなかに開かない。

助産師さん(🆕)「順調ですよ~。今5㌢開いてますからね~。大丈夫ですよ~」
がデジャブなのか!?と思うほどに繰り返されている。
これはハッと気付くとまた同じ場面になるタイムリープというやつなのでは…

というSF映画の主人公の様な気持ちになるが、進まないお産にだんだんとイライラしてくる。


というのも無痛分娩は麻酔を使うので万が一のために絶食・絶飲なので、かれこれ朝から飲まず食わずで(朝はいつ無痛分娩になってもいいようにと水のみ許されていたが、それどころではないので飲んでなかった)口もカラッカラの萎びた初老感が漂っていた。


陣痛の痛みが取れたら、今度はお産が進まない事にイライラするなんて、人間とはなんて勝手な生き物なんだろう。と我ながら自分の傲慢さにビビった。
つい何時間前までは陣痛の痛みに号泣し、妊婦生活の怠慢さを反省してたと思ったらこれである。



出産の時、赤ちゃんは回旋しながら下りてくるので、その時に結構暴れながら下りてくる子、ゆっくりとほとんど暴れずに下りてくる子など色んな子がいるらしいが、うちの子は足のキックが素晴らしかった。なでしこジャパンを狙えるほどのKICK☆&KICK☆。

素晴らしいんだけどね、

またこの方が登場してしまう。


頑なな子宮口 VS 暴れまくりの我が子


拮抗した状況の中、何故か人工羊水を入れ直す事になる。
破水していたのに何故また人工羊水を!?


羊水ちがい。


と思ったが、まぁ出産進まない人はみんな人工羊水するのだろうと思っていた。


んなこたぁない。


後日判明した事なのだが、実はうちの子は臍の尾が短かった為に破水した後、回旋の途中で身動きが取れず、お産が止まってしまっていたらしい。そして、身動きが取れないことで私のあばらを蹴っていたようである。


先生「じゃあ人工羊水投入しますからねー」
またお腹が膨れる。あばらが痛い。蹴られ過ぎてまた膨れた時にあばらへ痛みが出ていた。

それからはお産が順調に進み、子宮口がだんだんと開いてきた。

助産師さん(🆕)「順調ですよ~。今6㌢開いてますからね~。大丈夫ですよ~」 
助産師さん(🆕)「順調ですよ~。今7㌢開いてますからね~。大丈夫ですよ~」

余談ですが、みなさん子宮口全開って何センチか知っていますか?
ちなみに私は20センチだと勝手に思ってたんですが、思い込みって怖いですねー。
(そんな開いたら股なくなるわいっ!)
なんで、7センチとかまだまだやんけ!とキレ気味でした。笑


そして人工羊水のおかげでお産が順調に進み、ついに全開(10センチ)を迎える。
助産師「10センチ、全開です」を聞くまで、私の全開は20センチだったので、急にいよいよ分娩になる。


ちなみにテレビでは時をかける少女のアニメをやっていた。好きなアニメ映画で、何度繰り返し見たかわからない。タイムリープを無駄遣いする主人公にイライラもするのだが(結構イライラしてるな自分)、最後の最後で素直になるのがもうたまらん最高なんだけど、その最高にいい場面の手前でテレビを切られる。
思わず「あぁっ!」と言うてしまうが、スタッフの方々に「どーかしました!?」と聞かれ、慌てて「何でもないです。」と誤魔化す。
こんな子宮口全開で分娩って時に、テレビ見たいとか言えない。絶対言えねぇ。


全開になってもしばらくは動きがない。あれ?これ何タイム?って思っていると、


先生「さぁ、最後イキみますよー。これがんばらないと赤ちゃん産まれないですからねー。がんばってよー」


え、イキむの?今から?もうかれこれ20時間は飲まず食わずで体力ほぼ残ってないよ?そして麻酔切れたらあかんとちょっとでも痛みを感じたら麻酔を追加してもらっていたので、足先は痺れた感じになっていて、踏ん張れる気もしない。

不安に思い、
私「これ、何回ぐらいイキむんですか?」と聞くと、


助産師さん「一時間ほどですかね?」



……え?一時間!?
何回?って質問に一時間!!!
回数聞いて時間で返されるって人生で初めて❤️って言うてる場合か!!


最後の最後に心がポッキリと折れそうになるが、イキまないことには産まれない。一時間がんばるしかない。
陣痛が来たら、ベッドの横の手を持つところを持ってイキむ。麻酔で足が踏ん張れないので、腕だけで身体を支え、お腹の方に力を入れる。
ちゃんとイキめてるのかわからなかったが、スタッフ総出で「上手にイキめてますよー!がんばってー!」と言われたので、多分やり方は合っていた模様。

ヘロヘロの中、赤ちゃんに酸素がいってないとかで酸素マスクをつけられる。
深呼吸してーと言われるが、深呼吸するとあばらに痛みがあるので地味に辛かった。


陣痛の波が来る度に、腕だけの力でなんとかイキむ。
「顔に力を入れないで!お腹に入れて!」と言われる。
確かに血管がぶちギレそうだったので顔に力を入れ過ぎてたらしいとわかる。
陣痛の波が来るのを待って、波が来たらお腹に力を入れるを繰り返す。
イキんだ後は赤ちゃんに酸素がいきにくいので、深呼吸してとにかく赤ちゃんに酸素がいくようにするのがあばらの痛みで辛い。



助産師さん「赤ちゃんの頭見えてますからね~!毛がふさふさですよ~!」
と癒し系ボイスで繰り返し言ってくれる。


だが、頭見えててもまだ産まれないのか!とそっちに驚く。よく見る映像は頭見えたらそのままドゥルンっと出てくる。そうではないらしい。


最後は吸引の機械が登場し、そしてさらに女の先生も登場し、お腹に乗られる。
親の仇を取るかのようなお腹への圧迫である。
気合いのイキみと吸引2回と女の先生の思いっきりお腹を押される(痛い)でようやく、ようやっと赤ちゃんが…。

ここでまたイキもうとしたら、
先生「イキまないで!ハッハッと犬のような呼吸をして!!」
と言われるがままにハッハッと呼吸をした。
最後にイキむと赤ちゃんが勢いよく飛び出てくる危険性があるので、最後はイキんではダメだと後で知った。



産まれた途端に真っ白な赤ちゃんがお腹にドンと乗せられる。
泣かない。のっそりと動く赤ちゃん。

……
時が止まる。

え?大丈夫?と思った瞬間

ォンナァーー



と思ってるよりも全然小さな声で泣いた。

私も泣いた。


長かった。辛かった。何より
超絶痛かった~~笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き
無痛分娩…?無痛?



はじめまして。ようやく会えたね。
生きてるだけでこんなにも嬉しいんやって初めて思った。
無事に産まれてきてくれてありがとう。
産道通るのは狭くて苦しいのに、産まれてくる勇気を持って私たちのところに来てくれてありがとう。


赤ちゃんは自分が産まれると決めたら大量にホルモンを出して陣痛を起こさせる。
お母さんでも陣痛促進剤でもない。
陣痛促進剤などをしても、赤ちゃんが産まれると決めないとお産は進まない。
ホントに神秘的だなぁ。


めちゃめちゃ小さい我が子。
こんなに小さいのにちゃんとパーツも出来てて感動する。
爪も立派に伸びていて、産まれたばかりでもこんなに伸びてるんやー。
赤ちゃんが顔を上げた瞬間に鼻と目の距離感が夫過ぎて、遺伝子の凄さを知る。笑


後産がスムーズに終わり、最後に股をチクチク縫われる。まだ麻酔も効いていたので、全然痛くなかった。
先生「○○(私)さんは無痛分娩にしといて良かったねー。あの子宮口の具合で通常分娩なら二日間コースだね。ははは。」と言われる。
全然笑えねぇな。と思いながら話を聞いていた。


おしまい。