無痛分娩レポート③ | 島でのんびり暮らす

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今までのブログは辞めました。

前回、無痛分娩が出来ないかもしれない大ピンチを乗り越え、ついに無痛分娩の為の硬膜外麻酔を出来る…!と思っていた私に更なる試練が。それでは続きをどうぞ。



【たった三センチ、されどこんなに三センチが程遠いとはあの頃の私はまだ知らなかったんだ】

前回のあらすじから。
新月・台風・大潮のtriple-comboからの陣痛からの無痛分娩で速攻出産yeahめっちゃホリデーを期待していた私に痛恨のmiss。
まさかの子宮口0㌢過ぎワロタで無痛分娩出来ないyo!!先生学会で午後から消えます消えます。違う先生は無痛分娩出来ないhahaha!!! No thank-youからの

よろしくお願いしまーーーす!!!!


先生「……チッ!(どんどん嫌な奴に改ざんされる院長。私の脳内の話です。)じゃあバルーン入れて、子宮口開いたら無痛分娩しますから。」
のところから。
あ、逆にこのあらすじいらんかった?


ということで無痛分娩の許可が無事に下りて、硬膜外麻酔の準備に。
ホッとしたのもつかの間、準備してる最中も勿論子宮番人(厳しめ)の方がいらっしゃいますから、容赦なく「交代の時間だよ」とパズーの如くやってくる訳です。

↑↑パズーと見せかけた子宮番人の方(厳しめ)

そして子宮をガツーンと痛めて帰っていきます。ギヤァァァーですゲローゲロー笑い泣き


~回想~

姉がもし万が一無痛分娩出来ないときの為にと動画を送ってきていた。
MINMIが出産の時に「大丈夫やでー!右回り右回りと赤ちゃんに声をかければ出産は驚くほど痛くなくなる」と言う。痛いときは赤ちゃんも辛いとき。一緒にがんばろうと声をかけてあげれば痛くなくなると。



MINMI…姉よ……全然だいじょばないチーンチーンチーン




 声を出すと涙が止まらなくなるので、グッと歯をくいしばって「うぐぅぅぅ。ぶふぅぅぅ(息を吐いて痛みを逃す)」と声を押し殺していたのだが、「大丈夫やでー右回り右回り」なんて言える余裕は一ミリもない。
助産師さんが「声を出していいんだよ、声を出すことで痛みが和らぐからね」と言われた途端に



「いだぁぁぁぁぁぁああい!!!!ヴぁぁぁぁぁああぁああ!!!」と叫びましたね。


発声練習が過ぎる程に叫んでやりました。多分病院内に響き渡っていたと思います。恥ずかしいとか、そんなものはないのです。
ただただこの痛みをなんとかして欲しい。

そして若干助産師さん引いてるのを肌で感じていた頃、麻酔の針を入れる準備が出来たようでした。


よく見る硬膜外麻酔と言えばそのまま寝てる背中を海老のように丸くなって背中にブスリ。ですよね?

↑こういうイメージ


先生「上半身裸になって座って下さい。



…え?ここにきて?
まさかの座禅スタイル?
そしてこのいつ陣痛来るかもしれない中で座って背中に針を刺す…だと!?
しかも妊婦とは言え、夫以外に乳首を見せるなんて…



一瞬よ。上裸とかなーんの躊躇いもなく看護師さんの手が伸びるより早く手術服脱いだね。何ならちょっと笑われた。光の早さでの上裸。振り向けば上裸。私が看護師さんなら確実に噴き出して笑うところをあの看護師さんはよく耐えてたと思う。
ただ座禅よ。これ臨月にはホントに厳しめ。しかも番人訪れますからね?

↑子宮番人

そんな番人がいる中で座禅なんて出来んわいっ!バッキャローめ!!

そしたら市松人形の髪型をした看護師さんが颯爽と私の座禅サポートに来てくれました。
「ここ両肩に手を置いて。強く掴んでもいいから。ただ絶対に動かないで!」
肩をグワシッと掴むんですが、その時に看護師さんの顔が誰かに似てるな~ってなったんですね。でも背中の麻酔とか怖いし、陣痛は来るし、誰に似てるとかどーでも…あっ!いかん!思い出した!
それはちょうど出産の前の週に見た映画、パプリカという映画の氷室にそっくりや!

となった瞬間に内から溢れる笑いと陣痛とが合わさり、「ブフッ(笑)グォォォ(痛ーーー)」という複雑な声があがった。
そして案の定


「動いちゃダメ!」

看護師さん(氷室)にピシャリと怒られる。
背中を消毒された後にゾワゾワからのツーっていう感覚が走る。でも陣痛が痛すぎて、背中の痛みなんてホントに屁。屁のカッパである。
無事にカテーテルが入ったらしい。最後に固定する為に背中にペタンとシールが貼られて、胸の辺りに麻酔を入れる為の管が出てくる。
言うてなかったが、点滴やら定期的に血圧を測る機械やらお腹の張りを測る装置やらで私は管だらけになっている。動こうとすると何かの管にひっかかるので、動く時はちゃんと言わないとピローンピローンて警告音が鳴るので要注意だ。
これで痛みから解放されると思いきや、「じゃあバルーン入れますねー」と子宮にグイグイ入れられる。もうなされるがまま。入れられる時はまぁ手でガサガサされてんな。ぐらいだったけど、入れてからがもう耐え難い痛みゲッソリゲッソリゲッソリゲローゲローゲロー多分痛み的にはここがMAXだったと思う。


もう例え様がない痛みが襲う。急流下りの如く凄い早さで駆け巡る超絶痛い。下痢のMAX痛い時のやつ。汗がダラダラになる。

私「先生!早く麻酔して下さうぅぅぐぅぅぅーー」と懇願する。
先生「バルーン出てこないと麻酔は出来ないからねー」
全くにもってこちら側には歩み寄る感じではない。


私は麻酔をお願いした。渋々でも了解してくれた。なのに…なぜまだ痛ませるんやぁぁぁ!!ムキーチーンゲロー


今思えば何をアホな事を言うてるんやと思うが、その時は訳もわからず必死。
つまりですね、バルーンとは開かない子宮口を開かせるもので、三センチ以上開くとポロリとバルーンが落ちてくる。閉じてるものを無理矢理開かせてるのだから痛みが強いのは当然っちゃ当然で、まだバルーンが落ちてこない=子宮口はまだ三センチ開いていないという証拠なのである。


そしてついに……ポロリ。ワクワクさんの相棒はゴロリ。

↑ワクワクさんとゴロリ



やっと、ようやっと子宮口が三センチに!!!
これで背中に入ったカテーテルに麻酔が投入される!!!


助産師さんも一緒に喜んでくれた。助産師さんが先生を呼んでくると、まずは少ない量と効き目の弱い麻酔が投入される。背中に冷たい液体が流れていくのを感じる。

先生「5分もすれば麻酔が効いてきて徐々に痛くなくなってくると思います。」
そしてしばらくするとホントにパズーが、いや、痛みがスーーッと消えていった。
ギャーギャー言うてた時が嘘のように、優しい気持ちになる。


あぁ、現代医療って素晴らしい。パズー交代お疲れさん…と微笑む余裕すら出てきた。

そして落ち着いた頃に夫が入ってくる。言うてなかったが、帰れないというか、帰ったら殺されると察してからは分娩室に出たり入ったりを繰り返しながらそばに居てくれた。擦り方が下手な人が多いと言うが、夫は痛い時にいい感じにさすってくれた。使えんと思ってたけど、案外役に立ってくれました。


私の産んだ病院ではメインで助産師さんが擦ってくれて、夫はサポートって感じ。基本的に何か処置する時は夫は分娩室から出されるけど、それ以外の時は一緒にいても大丈夫。

麻酔だが、無痛分娩になってからは二時間置きぐらいに麻酔を追加していくという感じ。二時間経たずして麻酔の効果が弱まっていると感じたら、追加で麻酔をお願いする。
この病院で無痛分娩をした友達から麻酔の追加を遠慮して結局一番痛い時に麻酔が切れるとかあるから、ちょっと痛いかなぐらいで追加を頼んでおいた方がいいよって言われていたので、遠慮なく痛みを感じ始めたら追加をお願いした。追加料もかからないし。病院によっては追加料がいるらしいので、そこは確認しておいた方がいいですね!
リラックスする為に好きな音楽を聴けたり、アロマが焚けたり、結構何でも出来る様で、バースプランをしっかり立てておくと、なるべくそれに近い形でやってくれるそう。
ただ一人目はそんなわからんしーって全然何もしなかったけど、リラックス出来るものは何でもあったらいいと今は思う。
長い目のスポーツタオルの間をぎゅっと結んでそれを背中に当てたり腰に当てたり尾てい骨の辺りに当てたりしたけど、結構良かった。
アロマの香りや好きな音楽も緊張状態だとお産は進まないので、とにかく家に近い感じとかエステに近い感じとか自分で好きな空間を演出するという気持ちがお産を自分のものにするという意味で良いですね。

助産師さんがクラシカルな曲を流してくれた。テレビもついていて、台風の様子が写っていた。
部屋は薄暗い。

助産師さん「寝るのが一番お産が進みますから、寝るのが仕事だと思って寝て下さい」

え、寝ていいの?

これは出産の中で一番の衝撃だった。
じゃあ…と遠慮なく寝る。
硬膜外麻酔なので、ヘソちょっと上からお尻の下辺りが麻酔がメインで効いてて、それ以外は結構わかる。子どもがあばら骨ガンガン蹴ってるのもわかる。
なんて元気なやつだぜ…。 
足元も痺れはあるが、動かせる。
しかしながらなかなかに子宮口が開かない。


開かない子宮口にイライラが募ってきたところで次回に続く…