フィンランド映画界の巨匠(←いや世界の、で良いかも)と言われるアキ・カウルスマキ監督の作品、好きなんです。他に類を見ない、彼独特の個性
引退したと思っていたら、あらま また制作したと知り、「やっぱり撮りたい!」と思ったのね~、うんうん。
リアルタイムで劇場で観たいと思いながら・・・年が明けてからも、アクセス便利な「新宿シネマカリテ」のタイムテーブルとにらめっこ。タイミングが合わず、セカンド名画座に下りるのを待つしかないかしらと思っていたら・・・
アキ・カウルスマキの映画は、独特の味があり、一度観ると嵌まる人は嵌まりますよね。私がそうでした(下に貼ります)
カウルスマキ節と申しましょうか、極力無駄を削ぎ落し、物語が進んで行きます。
一見、ぶっきらぼうに見える台詞も短いですからね。ラヴストーリィには違いないが、ベタベタは無し・笑。 が、しかし! シンプルのようでいて、話の芯がブレず、二人の愛も充分解るようになっているし、終わってみれば、そこに監督の力量を感じ取れます・・・何事も、引き算して、良作にするって、難しいですよね。そして、印象に残る映画になっちゃうんですから さらには、今回も、監督の好みや、他の映画監督の名前や、ポスターや、さり気無く盛り込まれているんですよね。音楽も、幅広いジャンルで次々に流れますその場面の説明的な曲(歌詞)でした。*これらのこと、この監督のやることは、結構意味がある場合が多いので、もう一度観たいと思いました
本作も、カウルスマキの得意とする「社会の底辺で生きる労働者階級の人々」を見つめるところから始まります。
主人公の女性アンサは、貧しくとも、逞しく(働いて)生きています。
主人公の男性ホラッパは、アル中で、工事現場の仕事も、生活も、何の望みもなく毎日を生きる日々。
ところが本作、「悲惨さが漂い、過剰に同情したり、観てる方も辛くなる~」とはならないのです。彼らに対する愛が、監督にあるからでしょう。貧しいからと言って、人としてハズカシイことでは決してないと。。。
カラオケバ―で、出会った二人は、互いにビビビッときますが、話もせず・・・でも惹かれ合っているのが解るんですよね~、アンサは、にこりともしませんけれどね・笑・ ここで「うっふん」などという顔をしたら、カウルスマキ映画ではないのよ。
一度ならず、二度起こる、すれ違いが解消され、二人で幸せを求めて前進していく物語です。
本作は、ドストレートで「人を愛するっていいね」に尽きます。
物語の途中では、色々な出来事に遭遇するのですが、80分で、きちんと描き切ります。
追記:本作内では、ロシア、ウクライナ問題が、何度かニュースで流れる場面があります。
何十年後に、映画好きの若者が本作を観たとき、「へえ、そんなことがあったんだ~」と、世界が平和の中で呟くでしょうかしら・・・
★私は、2019年からアメブロを始めており、アキ・カウルスマキの映画コメントを書いていました。
ご興味のある方は、お読みになってね
これで終わります