浮き雲1996(日本1997)過去のない男2002(日本2003)街のあかり2006(日本2007)はアキ・カウルスマキの「敗者三部作」 だそうだ
「過去のない男」を日本公開2003年に劇場で観て、カウルスマキ監督のファンになり、程なくして早稲田松竹(二本立て)で「過去のない男」と「浮き雲」がかかったので、喜び勇んで観に行った。
カウルスマキの独特の表現世界を存分に味わった。淡々という言葉がこれほど合う映画はなかなかないわね
監督の目線は、客観的に人間を温かく見つめるところにある。そして一筋の光が差してくる。
【シンプルなSTORY】
夫婦して職を失ってしまう
二人はなんとか職業をみつけようと頑張る
夫婦間に亀裂が入りそうにもなるけれど仲直りする
商売をしようと ’’有り金’’を元手にカジノで賭けをするも全部すってしまう
そして「捨てる神あれば拾う神あり」でハッピーエンド
夫婦が色々と苦労の末ハッピーエンドではあるのだけれど、カウルスマキ監督はいたって静かに地味目に進めちゃう。セリフも少なく淡々と、特に喜怒哀楽を極力抑えた演技がたまらなく好きだ こうなるとコメディに成り得るか、スレスレのところで留めている感じがして
それが何とも言えない味わいとなっているのね~
←無表情でいつも怒っているような妻の表情の微妙な変化を楽しむ。
夫婦で犬を飼っている。ワンちゃんに「いい子でちゅね~」なんて一生言わないだろうこの二人、夫は無表情でお散歩に連れて行くし、夫婦で映画に行く時も職安に行く時もを連れて行ってる。その行動も実に「淡々」だが、「を可愛がっている」ことが伝わるし、この夫婦が愛し合っていることも 解るように描かれているの
ラストは 夫婦とと、空を見上げます・・・浮き雲を。
音楽の使い方も良いでしたね
私の映画備忘録【2006年5月・記】より