中国、レアアースが「国家に帰属する」と採掘や輸出規制の規則公布…日米欧をけん制する狙いか

 

読売新聞オンライン

中国の国旗

 【上海=山下福太郎】中国政府は29日、レアアース(希土類)が「国家に帰属する」として、採掘や輸出を規制する関連規則を公布し、10月1日から施行すると発表した。中国は世界のレアアース生産量の7割を占め、半導体を中心に対中包囲網を強める日米欧をけん制する狙いとみられる。

 資源の輸出や採掘などの規制は段階的に導入してきたが、今回はレアアースに特化した包括的な規制となる。条文では「レアアース資源は国家に帰属し、いかなる組織や個人も不法占有したり破壊したりしてはならない」と定めた。

 レアアースに関連する製品や技術の輸出も、輸出入に関係する法律を順守するよう求めた。政府が資源保護を強化し、レアアース産業の発展に向けて研究開発を含む統一的な計画を策定することも盛り込まれた。規則に違反した企業や個人は、処罰や罰金の対象になるとしている。

 レアアースは電気自動車(EV)や風力発電用のモーター、軍需関連など幅広いハイテク製品の生産に欠かせない材料。李強(リーチャン)首相は昨年11月、戦略的鉱物資源としてレアアースの開発や管理を強化する考えを示していた。