一月は行く、二月は逃げる、三月は去る。
その3月弥生もグズグズしてるうちにもう下旬。ホントはグズグズしてたわけじゃなくて、いろいろやらなきゃいけないことに忙殺されてるのです。
いまさら去年のことを書く回ですが、海外ではもうマスクなんて外して、大歓声で盛り上がるコーチェラなどのフェスがYouTubeで生中継されたり、コロナ禍は終わったようにも見えたんですが、日本では後半以降、死者が毎日300人レベルが普通になってきて、外すに外せない感じで終わった年でしたね。
このところ「ノーザン・ソングス 誰がビートルズの林檎をかじったのか」という本を読んでいます。
Northern Songsというのはビートルズが自分達の曲の著作権を管理するためにディック・ジェームズなどと興した会社なんですが、巡り巡ってその後、楽曲の権利はマイケル・ジャクソンの手元に渡ったのです。そもそも仲が良かった80年代にポールがアドバイスしたらしいけど「ボクの曲を買えと言ったわけじゃない!」らしく、その後2人の関係は険悪に。
ビートルズの時代はまだ音楽はビジネスとして方法論が確立されておらず、当事者たちも手探りだったのですが、そこから7~80年代に渡ってポピュラーミュージックがビッグビジネスになっていったわけです。20世紀は著作権が産み出す金銭的価値に注目が集まり、アーティストが自分で著作権を所有することが当たり前の正義だったのですが、21世紀に入って潮目が変わってきました。
数年前からボブ・ディラン、ニール・ヤング、ブルース・スプリングスティーンらクラシック・ロックの大物が自分の曲の著作権を売却!というニュースがちらほら出始めて、昨年もRED HOT CHILI PEPPERSが全曲をHipgnosis Songs Fundに売却、今年に入ってジャスティン・ビーバーもそれに続いたとのこと。
ここで昨年のNo.1!アルバム2枚も出して絶好調なレッチリを。
そもそも多作なジョン・フルシャンテが戻ってきたこともあると思いますが、紆余曲折を経てチームワークを固めたバンドの姿が音に表われているところがいい。
RED HOT CHILI PEPPERS - The Drummer
先月来日したばかりですが、最近のライブでは4人がドラムセットのところに集まって、まるで結成まもない若者のバンドのように顔を突き合わせながらのセッションから始まる、そのたたずまいが良いので、もう一曲ライブで見てください。
Red Hot Chili Peppers - Eddie (Live)
著作権ビジネスに話を戻すと、ヒプノシスって言ってもかのジャケットデザインのチームとは関係なく、ナイル・ロジャースが作った著作権ファンドなのだとか。印税収入はファンドが受け取る、そのかわりにその収入を最大限にする活動をファンドが行なう、ということですね。
60年代は登録された曲をカバーしてくれるアーティストを探すのが主な仕事だったのが、今はCMとか主題歌とかのタイアップが主流のようです。
米国ではビッグネームともなると、印税収入は売却益より17%も高い税金がかかるらしく、これが拍車をかけているらしい。とはいえ、そういう流れはどんどん変わっていくもの、自分の作品の権利を手放すことでのちのち後悔することにならないとも限らないような。。。
日本ではそもそもアーティストの取り分が少ないことからそういうことは起きておらず、JASRACの剛腕ぶりがたまにニュースになるくらいですが、NexToneというアミューズなんかが立ち上げた会社が寡占状態に対抗していて、CDにマークがついているものをしばしば見かけます。
私も今まで何十年、¥1にもならない曲を作り続けてきましたが、2022年ついにプロになってしまいましたwww
ブログのタイトルの下にも宣伝してますが、アカウント登録だけしていたTuneCoreという配信業務の代行サービスが、おととしの年末に1曲のみ1年間の配信無料サービスをやっていたので、どんなものかとの興味から「死語検死官2021」を上げてみました。TuneCoreはこの月に100万曲配信を記録したらしいので、無料キャンペーンで一気に突破しようとしたんでしょうね。
その後、再度キャンペーンがあったので2014年の「涙涸れはてても Run out of Water」を第二弾として配信。またビデオリリースでも無料キャンペーンがあったので「死語検死官2021」のMVも配信しています。
「死語検死官2021」は¥1,551払って一年更新も可能だったんですが、今度はROUTER.FMというところが無料キャンペーンをやっていたので、こちらに乗り換え。少しシステムが違っていて1曲¥1,380を払うだけで半永久的に管理してくれるとのこと。どっちが得かよく考えてみよう。還元率は80%。
まぁ川本真琴や七尾旅人がボヤくように、ストリーミングで1回再生されてアーティストに入るお金なんて微々たるもので、私の場合50銭くらいなんですが、チリも積もればで、あたしごときでも一年で1100回再生超えて¥550くらいたまったのです。あ、1000円越さないと銀行に移せないので、まだプロではなかったかw
YouTubeのようには再生時間はわからないけど、ほとんどは一秒再生でしょう。
2014年から毎年1曲ペースを死守してきて「人に聴いてもらうことを第一義としない=自分が聴くために作る」という発想の転換から、音楽自体も新たなフェーズに入ることができたのですが、音楽で稼ぐという子供の頃からの目標を捨てたら、わずかとはいえお金をもらうようになるという、この人生の皮肉。
Twitterのプロフィールにも「職業:アマチュアミュージシャン お願いされても売りませんw」とかおバカなことを書いていましたが、今は「お願いされたら売るかも」と変更しています。
そんなわけで今のところ、各配信サイトでは「死語検死官2021」「涙涸れ果てても」の2曲の音源と「死語検死官2021」のMVがアップされています。
お金の話ばっかりしてしまいましたが、プライベートでもお金の話ばかりでうんざり、ありがたいけどもう早く解放されたい。
そんなあたしの毎年恒例、2022年のベストアルバム50です。
2021年は1位のみ邦楽でしたが、今年はいくつか散りばめることができました。あたしの中の固定観念も少しずつ変わっていけそうですが、世の中的にも藤井風の「死ぬのがいいわ」が23ヶ国のバイラルチャートで1位を獲得したり、韓国勢のみならずYouTubeやTikTokなどのプラットフォームがノンバウンダリーである効果がやっと出てきましたね。
とはいえ、ワンヒットではなく、宇多田ヒカルのように継続させないと世界的アーティストとは呼べないと思うので、日本の若い人にはがんばってほしいと思います。
この人なんかは基本はギター1本抱えたシンガーソングライターならがも、バイリンガルを生かした歌い方でヒップホップな感覚もあるし、もっと売れてもよさそうなんですけどね。
竹内アンナ - 手のひら重ねれば
宇多田のひとつ上にあるDiosというのは元「ぼくのりりっくのぼうよみ」=たなかさんが組んだユニット。バンドというにはそれぞれの独立性が強いけど、ひとりで苦しんでた過去を知ってるだけに、仲間と一緒に出てる彼を見ると、音楽に戻ってきてくれてホントによかったと思うのです。
Dios - 逃避行
最近、自分の曲以上にいいと思える曲がないんですよねぇ。それくらい一曲をヘッドホンで聴き込むってことがないからかな。
1 RETURN OF THE DREAM CANTEEN / RED HOT CHILI PEPPERS
2 THE MARS VOLTA / THE MARS VOLTA
3 BEATOPIA / BEABADOOBEE
4 CASTLE / Dios
5 BADモード / 宇多田ヒカル
6 HOLD THE GIRL / RINA SAWAYAMA
7 THE TIPPING POINT / TEARS FOR FEARS
8 FABLES FROM FEARLESS HEIGHTS / THE LICKERISH QUARTET
9 C'MON YOU KNOW / LIAM GALLAGHER
10 THE BOY NAMED IF / ELVIS COSTELLO & THE IMPOSTERS
11 BEING FUNNY IN A FOREIGN LANGUAGE / THE 1975
12 FEVER DREAMS PTS 1-4 / JOHNNY MARR
13 STEADY / SLOAN
14 10 TRACKS TO ECHO IN THE DARK / THE KOOKS
15 THE ALCHEMIST'S EUPHORIA / KASABIAN
16 VIVA LAS VENGEANCE / PANIC AT THE DISCO
17 UNLIMITED LOVE / RED HOT CHILI PEPPERS
18 AUTOFICTION / SUEDE
19 MIDNIGHTS / TAYLOR SWIFT
20 ASPHALT MEADOWS / DEATH CAB FOR CUTIE
21 EMOTIONAL ETERNAL / MELODY'S ECHO CHAMBER
22 ピリオドは踊る / 感覚ピエロ
23 BLOOD / JULIANA HATFIELD
24 OOCHYA! / STEREOPHONICS
25 WILD LONELINESS / SUPERCHUNK
26 JUDE / JULIAN LENNON
27 FLICKER / ANDY BELL
28 BLUE REV / ALVVAYS
29 CHANGE THE SHOW / MILES KANE
30 TICKETS / 竹内アンナ
31 LIFE IS YOURS / FOALS
32 MAINSTREAM SELLOUT / MACHINE GUN KELLY
33 WET LEG / WET LEG
34 CULT LEADER TACTICS / PAUL DRAPER
35 BARN / NEIL YOUNG WITH CRAZY HORSE
36 JUBILEE / JAPANESE BREAKFAST
37 ALL SOULS HILL / THE WATERBOYS
38 1ST CONGREGATIONAL CHURCH OF ETERNAL LOVE (AND FREE HUGS) / KULA SHAKER
39 LAUREL HELL / MITSKI
40 KEEP ON WITH FALLING / THE BOO RADLEYS
41 HELLFIRE / BLACK MIDI
42 MOTOMAMI / ROSALIA
43 DIALOGUE / HOWARD JONES
44 RIBBON AROUND THE BOMB / BLOSSOMS
45 THERE IS SO MUCH HERE / GLEN PHILLIPS
46 SPACE FORCE / TODD RUNDGREN
47 TRUE NORTH / A-HA
48 A LIGHT FOR ATTRACTING ATTENTION / THE SMILE
49 MR. MORALE & THE BIG STEPPERS / KENDRICK LAMAR
50 ALPHA GAMES / BLOC PARTY