至道無難(しいどうぶなん)、唯嫌揀択(ゆいけんけんじゃく) (信心銘)
三祖僧璨(そうさん)禅師の著作『信心銘』の冒頭にあるこの二句は古来有名なものであって、趙州(じょうしゅう)禅師もこの句がよほど気に入っておられたらしく、学人を接得するのによく用いられました。
趙州禅師のこれについての問答が『碧巌録』の中にも、第二則、第五十七則、第五十八則、第五十九則と、四回も出されています。
また至道無難(しどうぶなん)禅師もこの二句によって大悟徹底された方であります。
これほどの句ですから、単なる説明だけではとどかないところがあり、やはりこの句の真意、妙処というものは、各自の実参実究をまつよりほかはないでしょう。
(つづく)
(※)
「茶席の禅語」(西部文浄著) から引用させて
いただきました。
各自の実参実究を待つよりほかはない。
まさしくその通りだと思います。
対人恐怖を克服する方法にしても、本を読んだり、人の話を聞いたりしても、それが腑に落ちなければ、何の役にも立ちませんから。