こんにちは!
フィギュアスケートは履き物(シューズ)の影響が大きいにも関わらず、選択肢が少ないことから靴選びのお困りの方が多いのではないでしょうか。また、専門競技として取り組む年齢が早く、幼少期から特殊な靴を長時間はき、「歩く」ことよりも「滑る」時間が長いことが原因と考えられる不良動作(体の間違えた使い方)が多くのお子さんに見られます。
足に合わない靴と、不良動作による体の歪みが競技者として不利となり、バランスや軸が取りにくく課題のジャンプが降りられなかったり、足や膝が痛むなどの不調に悩む原因になります。
このブログでは、幼少期からフィギュアスケートに取り組む選手やサポートしておられる方のために、足の専門家目線でシューズのフィッティングについてお伝えします。
日本で主流なのは2メーカー
Edea
リスポート創設者が新たに立ち上げたメーカー
ワイズ(幅)はモデルによって異なりB(幅狭)C(普通)D(広め)の3タイプ
Risport
ヒートモルダブル構造(熱可塑性と熱可逆性があり、熱整形可能)
ワイズ(幅)はモデルによって異なりA(幅狭)B(やや幅狭)C(普通)の3タイプ
当院にお持ち込みいただく靴のほとんどがこのどちらかです(小3〜4年生以上)
購入店によってはお店で熱整形やコブ出しの加工もしてくれると思いますが、ネット購入やオーブンをお持ちでない販売店で購入された場合は調整をしてもらえないこともあるようです。
(*当院では特殊な方法でコブ出し加工を行っています)
幅の選び方
Edea、Risport共に3タイプの幅で作られていますが、幅の規格は日本の基準(JIS)とは異なり全体的に狭い仕様です。
コーチや専門のフィッターからの指示がなくネットなど試し履きができない状況で購入される場合、1足目のワイズは「C」を選ぶのが無難です。
*近年は足の幅が細いお子さんも多くなっています。ワイズAーCなど極細のお子さんがCワイズの靴を履くと靴の中で足が滑って小指が痛いと言ったり、タコや魚の目ができてしまうこともあります。
このようなトラブルに対し、ほとんどの方が「靴が小さいと」判断して大きい靴、幅広の靴に買い替えてしまい悪化させたり、ブカブカでうまく滑れなくなります。足のトラブルが多い場合は専門のトレーナーや販売店に足を運んでみてもらうことをお勧めします。
サイズの合わせ方
靴の爪先に1〜1.5cmのスペースを取れるもの。特にお子さんの場合は小さすぎると足の健康な発育を妨げることがあります。逆に大きすぎると靴の中で足がずれてしまい、こちらも足のトラブルの原因になります。
一般の方は0.5~1.0cm程度のスペースでフィッティングした方がいいズレがなく好まれることもしばしば。ただし、0.5cmのフィッティングはかなりタイトなので足の変形があると当たって痛みを起こすことが多くなります。また爪の管理も重要で、定期的なカットや保護のマニキュアを使うなどの工夫をお勧めしています。
フィギュアのシューズは5cm±1cmのヒール構造になっているので、ランニングシューズなどの平坦な靴を履く時よりも足は小さくなって靴の中におさまります。細かいことを言うとヒール構造の靴をフィッティングする場合「踵」「土踏まず」「指」3つのパーツに分けた比率が重要で、この長さが合わないとうまくバランスが取れません。
(*当院ではこの比率を合わせる加工を行っています。)
エッジの合わせ方
エッジの調整が重要なのは周知の事ですが、その調整方法は羽生選手のエッジを合わせている職人さんですら「感覚」と表現しており明確な基準はネットで検索してもほとんど出てきません。もしかすると秘伝の技術としてまことしやかに受け継がれているのかもしれませんね。
例えば、エッジと靴の繋ぎ目の内側にほんの0.数ミリ厚みを出すとエッジは外反(外に向かって広がるような角度)しINに乗りやすくなります。
また、エッジの取り付け位置を外にしても重心がウチに乗りやすくなるのでINエッジに乗りやすくなります。
このように、エッジの取り付け技術によってバランスをとることも可能ですが、当院で推奨している基本はドセンターです。
その理由として、バランスが取れない原因が靴なのか本人の体の使い方(感覚、筋力、柔軟性など)なのかを判断しなければいけないからです。
例えば重心感覚を間違えている人に対して、間違えた重心感覚のままバランスが取れるような道具を与えることは本当にその人のためになるでしょうか?目先の結果としてはバランスをとって立てますが、間違えた感覚のまま立ててしまう訳ですから、この感覚は修正されませんよね。
まずはドセンターのエッジに真っ直ぐ立つことができる体があること。その上で調整によってより快適になることが理想と考えます。
*補足として、靴そのものに歪みがあったり、一流選手で技術が完成されている場合はエッジの位置や角度での調整が必要と考えます。
エッジ調整に依存せず、身体感覚の調整を!
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インソールの役割
市販のインソールについて
足のトラブルが多いからか、インソールに興味を持たれている方も多いようです。
まずお伝えしておきたい事。フィギュアスケートに市販のインソールは使えません。(個人の意見です)
理由がいくつかあります。
1:フィギュアのシューズはヒール構造であること
前述の通り、ヒール構造の靴と足をフィッティングするためには「踵」「土踏まず」「指」の長さの比率を合わせることが重要です。
そして、土踏まず部分の長さはヒール構造の靴を履くと短くなります。(ウィンドラス構造により)
市販のインソールでは個人に合わせてこの比率を調整することができません。
もちろん、プラスチックや樹脂など硬い素材は入れることもできません。
2:靴の幅が狭いこと
フィギュアの靴はワイズC(普通)でも一般的な靴よりは狭い構造になっています。そのため、爪先部分だけではなく、土踏まずにあたる部分まで幅の調整が必要です。また、市販のインソールは指先部分も厚みが3mm以上あるものが多く、靴の容積を逼迫させ小指の付け根外側が当たって痛いなどのトラブルを起こしやすくなります。
3:動きが特殊なこと
通常のインソールは前に「歩くこと」を想定してスムーズな「歩行」を行える構造になっています。
他にも色々ありますが割愛します。
インソールに手を出すならオーダーメイド
オーダーメイドインソールは個人に合わせてとことんフィッティングできるのが最大のメリットです。
⭐︎「踵」「土踏まず」「指」の比率を細かく合わせられること
⭐︎足を本来あるべき形に整えられること*足が機能的な形に整う事でバランスをとりやすくなります。
⭐︎足や体、感覚の歪みなども含めたフィッティングとアドバイスをもらえること
⭐︎発育や動きの変化に合わせて調整できること
など
*製作者の技量により仕上がり(結果)が大きく左右されます。
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