お昼を食べ終わったあとの私は、だいたい無気力。
というのも、お腹が満たされると同時に、やる気もどこかへ旅立ってしまうからである。
心の中では「午後の仕事、がんばらなきゃ…」と思ってはいるものの、実際には椅子に深く沈んで無の境地。
そんな私を引き戻してくれるのが――あの、黒いヤツだ。
黒飴である。
おしゃれ感ゼロ、地味な見た目、だけどこの黒飴こそが午後の私には最高のスイッチなのだ。
甘いようで、しょっぱいようで、ほろ苦いようで、どこか懐かしいようなそして普通の飴より比較的大きめ。情報量の多すぎる味が舌の上で全力で主張してくる感じが好き。
この“黒飴パンチ”をくらうと、だいたい眠気は吹っ飛ぶ。
脳が「うおっ何だこれ!」と混乱し、結果的に目が覚めるのである。
気づけば背筋も伸び、キーボードの打鍵音もパチパチと小気味よく響く。
「午後イチなのに元気だね」と言われたときは、ニヤリと笑って言ってやるのだ。
「黒いヤツのおかげさ」
…なんて言ったら、「え、闇の力…?」って真顔で聞かれたことがあるけれど、それもまたいいでしょう。
午後の眠気を打ち砕く、最強の黒飴。
今日も私は、こっそりポケットにしのばせている。



