『壬生義士伝 (上)(下)』
浅田次郎
(上)2000年5月20日 第2刷発行
(下)2000年4月30日 第1刷発行
株式会社文藝春秋
Book Off \220-
盛岡藩(岩手県の南部地方)の足軽侍の吉岡貫一郎は、貧乏侍だったが、努力して、盛岡藩の北辰一刀流の剣術教授と藩校の講学助教を務めていた。藩から得られる禄は少なく、苦しい生活をしていた。元より、文武に優れる貫一郎は脱藩して、新選組の隊士となる。一方、貫一郎の子供の時からの友人、大野次郎衛門は、盛岡藩の重臣の家の養子となり、やがて自らも盛岡藩を切り盛りする重要な職を務めることとなる。
物語は、主人公、吉岡寛一郎の生涯を描いていく。鳥羽伏見の戦いで敗走する満身創痍の貫一郎は、大阪の盛岡藩の屋敷に身を寄せるが、脱藩者として切腹を命じられる。切腹を申し付けたのは、幼馴染の大野だった。物語は、新選組隊士の目から見た貫一郎の生きざまが描かれていく、近藤勇、土方歳三、井原剛志、井原剛志、沖田総司、伊東甲子太郎、永倉新八など新選組の有名人から見た貫一郎の人生とエピソードが語られる。
貫一郎の妻(しづ)と長男(嘉一朗)、長女(みつ)、次男(貫一郎 父と同名)の人生や大野次郎衛門の人生とその家族についても詳細に描かれている。長い長い家族ヒストリーの時代小説。