OYJ Dimension

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単なる備忘録として。

『ほかならぬ人へ』 白石 一文

平成21年11月5日日 初版第1刷発行

平成22年1月25日日 第3刷発行

祥伝社

Book Off on Line ¥110-

 

ほかならぬ人へ 

 第142回直木賞受賞の恋愛小説。主人公は宇津木明生は多くの大企業群を総括する名門家の出身だが、家に対する反発もあって、現在はスポーツ用品メーカーに勤めるるサラリーマン。あるキャバクラのホステスと恋愛関係となって結婚した。ある日、妻(なずな)が明生との結婚前に好きだった男(真一)が忘れられないと家を出る。

 家出した妻なずな、明生の上司の女課長、なずなが嘗て追いかけていた男真一、その妻、明生の兄と兄嫁、明生の友人の女性渚など、多数の登場人物が関係する恋愛ドラマ。恋愛関係と痴情の縺れで発生する暴行障害事件、不慮の事故死、病死、上司部下の恋愛など『現実に起こりそうな出来事』が次々と発生する。 

 読後に何か人生のためになるものは無いが、話の展開は面白く箸休め的に仕事が上手くいく話も盛り込まれていて、人生いろいろあるねえ~的な他人事への興味を湧きあがらせる噂話的な展開が読んでいて面白かった。テレビドラマになりそうなテンポの良い展開はとてもエンターテイメント的。 

 白石一文氏の小説を初めて読んだが、読み口が良いので気に入った。、もう何冊か購入してみようと思う。 

 

かげがえのない人へ 

 主人公のみはるは、大手電機製品の企業に勤める会社員で、まもなく同僚との結婚が決まっている。しかし、みはるは前の上司である課長黒木と交際していた。典型的な二股状態で、結婚式が近づいてきても関係を清算できず、ずるずると肉体関係を持ち続けていた。もはや性交に溺れてしまっている状態。みはるは、構わず婚約者ともデートして、肉体関係も持っていた。三角関係と企業の経営上の戦いが並行で描かれる。最終的に結婚式の前日に黒木の自宅を訪ねる場面で物語がオチを迎える。 

 読み易くて、最後まで結末が見えないで、ドキドキしながら読める。オモシロい話だった。 やっぱり読後に残るものは無い。軽い感じがいい。

 


 

 

 

 

 

 

GOAT 第2巻 特集「悪」

株式会社 小学館

 

 掌編 特集:キトヴォラの今 桑原友紀さん(仮名)の場合 朝井 リョウ 

 キトヴォラに関する是非が書かれている感じ。キトヴォラが何なのかものなのか、行為なのかよくわからんが、コックリさんみたいな感じかなぁ。  

 

 落ち着いて (息子が弁護士から内容証明を?なぜ?)  小川 哲 

 主人公の女性は、離婚して、成人した息子と2人暮らし。ある日、息子のところに内容証明付きの郵便が、弁護士から送られてくる。息子が名誉棄損で訴えられたらしい。母として、妻として大きく揺れ動く気持ちが伝わってくる。初めて読んだが、この作家なかなか巧い。

 

 おやすみなさい、子羊ちゃん 一穂 ミチ (私は男とも女とも寝る。「色欲」の徴(しるし)があるから。) 

 あの子にしか行けない天国 木爾チレン (少女のまま短く生きるか、おいても長く生きるか  あの子はどっち?) 医学が進歩してすべての18歳の女性は必ずどちらかを選択することになる。・18歳の姿体のままで45歳まで生きるか、・今まで同様歳をとりながら95歳まで生きるか。18歳になり、選択の時を迎えた少女の話。

 

 みんなのこうえん カツセ マサヒコ (誰が悪くて,誰が正しいか、そんなの誰にわかるのだろう。) 

 公園のベンチの手摺りが無くなった。全ての人が使えるように手摺りが除去されたらしい。ベンチに寝たい人も居るから。市役所の公園施設係の担当者は困る。キーワードは排除の排除。

 

 MARIA モモコグミカンパニー (私は大丈夫。お腹の中の神聖な何かがいるかぎり。) 

 学生時代に交際していた男に騙されてAVに無理やり出演させられた女性の話。それがトラウマになって、人付き合いが上手くいかなくて、最終的に復讐しに行くのだか…スッキリはしない。

 

 悪と友だち 三浦 透子 エッセイ

 

 書き終わったら幸せ様まで渡してね 梨 (私の部屋に落ちていたあの人たちのプロフィール 

 

 願えば叶う 染井 為人 (男9000円、女7000円-二次会会費のポストが物議を醸す)

  ネット上でのコメント炎上が、次から次へ悲惨な出来事を招く。恐ろしい悪循環。

 

 車止め 芹沢 央 (弁当宅配のついでにアンケートをとるバイトを始めた) 

 気が付かずに闇バイトを始めてしまった大学生は、危ないバイトと気付き辞めようとするが,報復を恐れた。

 

 (エッセイ) 星と氷山 山口 未桜

 

 着発式 逸木 裕 (作られた爆弾は,爆発しなければならない)

 手製爆弾を作ることが好きで、止められない男の話。やがて大きな犯罪を起こす。

 

(エッセイ)悪に悪と指摘する 武田 砂鉄

 

 Deadly Migratory Fish 死滅回遊魚 沖方 丁(重大な憲法違反が認められた、ある事件について) 

 臓器移植用に造られたヒトのクローンが猟奇的な殺人事件を引き起こす。臓器取得のために造られた医療用の家畜と見做されていたクローンに人間の法律が適用できるか?最高裁判所での判断に議論がおこる。

 

 IN a FloP  市街地 ギャオ 

 意味不明

 

(対談) ナチスの奥底に現代を見た

 

 全身政治家 上村 裕香 (市長がインタビューで語ったのは、誰にも話していないと言う出生の秘密)

 

 遠山君の実家で飼っていた犬の名前をもう思い出せない 小原 晩

 

 クレジット 丸山 春乃(私のことなんて,誰も見ていない) 

 総務所属のデザイナーが広告チラシにラーメンの画像を見えない様に仕込む。ある幽霊好きの人だけがその画像に気づく。

 

 悪書 高遠 みかみ (かつて自由に言葉を交わした君へ) 

 意味不明

 

  GOAT忍法帖 野崎 まど ナンセンスギャグ小説

 

 新しい詩を読もう 

 サンクトペテルブルクの鍋 坂崎 かおる (男たちはそのトウシューズをなべることにした。鍋に入れた) 読み始めたが趣旨が読み取れず,作者が何を書きたいのかわからん。話が一人よがりで、滑り、つまらなすぎる。かなり長い話だが、紙の無駄。

 

 夜の底 夏夜 米子 第二回GOAT x monogatary.com 文学賞 大賞受賞作 

 同期入社の男がし自殺した。その真相を調べるうちに、その男を好きだったかの様に錯覚し始める女かそれに気づくまで。

 

 ミステリー小説を書こう!  酒寄 希望 ギャグ小説。オチが漫才的。

 

 出せなかった手紙 ゆっきゅん

 

 (エッセイ) 日記の部屋 千早 茜 京都のブックホテル滞在記。

 

 落書き 方丈貴恵 ブックホテル関連小話

 

 本棚の前に立つ 麻布 競馬場 ブックホテル関連小話

 

 最適を選ぶ 朝倉 秋成 ブックホテル関連小話

 

 (短歌とエッセイ) 居場所をさがす 上坂 あゆ美

 

 (短歌とエッセイ) おうどん 鈴木ジェロニモ

 

 (エッセイ) 愛のままにわがままに 佐原ひかり 韓国旅行記

 

 (エッセイ) ヤギを追っていたら、なぜか家に着いた話 小谷田 奈月 岩手のヤギ牧場訪問記

 

 

 

 

 

 

 

 

『魂萌え!』桐野 夏生

2006年4月25日 第1刷発行

2006年9月20日 第15刷発行

毎日新聞社

Book Off on Line ¥110-

 

 

 夫を心臓発作の突然死で亡くした関口敏子(59歳)が主人公。葬儀の後、すぐにこれまで知らなかった夫の10年来の愛人から連絡が入る。夫の愛人との金銭問題、敏子の高校時代からの四人の友達との交流、実の息子や娘たちとの同居問題や遺産相続問題、未亡人になってからの新しい恋愛など、還暦前後の人たちの生活が詳細に描かれる。どこにでもありそうな話が淡々と描かれて、大きな盛り上がりはなく、読んでいて現実的な違和感もなく身近な話に思える。物語の最後に、主人公敏子の体験とそっくり同じ話が、西泉佐和子 によって雑誌に投稿され、それを敏子が目にする場面で小説が終わる。
 

 *物語の最後の部分で少し違和感がある終わり方だったので、Geminiに聞いみた。(最近の生成AIの発達には驚驚くばかりで、まるで2001年宇宙の旅のHALが現実のものとなった ようだ。)

 

(以下はGeminiの回答) 
 敏子と佐和子の間に、物語の中での面識や直接的な知人関係はありません。 二人の関係、およびあの結末の意味については、以下のポイントで理解することができます。

 

1. 「投稿雑誌」を通じた共鳴 

 物語の終盤、敏子は自分のこれまでの苦しい経験や、夫の死後の愛人問題などをありのままに綴り、投稿雑誌(読者投稿欄)に投稿します。 佐和子も同じように、自身の体験をその雑誌に投稿した**「顔も知らない、もう一人の投稿者」**です。 

 

2. 敏子の歩みの「承認」と「広がり」 

 敏子はそれまで、世間体や家族(特に息子たち)の目に縛られ、孤独な戦いを続けてきました。しかし、最後に佐和子の投稿を目にすることで、以下のことを悟ります。 

  • 自分だけが特別に悲惨な状況にいたわけではなく、日本のどこかに自分と同じように「女としての自分」を取り戻そうともがき、戦っている同世代の女性が他にもいるということ。 

  • 自分の投稿が誰かに届いたように、自分も誰かの人生(佐和子の文章)を受け取った。この「見知らぬ他者との連帯」こそが、家族や夫という狭い枠組みから解放された、敏子の新しい自立の形を象徴しています。 

3. 佐和子の登場の意図(作者の演出) 

 作者の桐野夏生は、佐和子というキャラクターをあえて最後に登場させることで、**「関口敏子の物語は、特別な個人の物語ではなく、多くの主婦が抱える普遍的なテーマである」**ということを提示しています。