マドリッドから車で小一時間ほど北東に走るとアルカラ・デ・エレーナス(Alcalá de Henares)という世界遺産の街が有る。ある日の午後に会議参加者で遠足というか、社会見学に出かけた。1293年創設のアルカラ大学(スペインで最古の大学:のちにコンプルテンセ大学になり、今はまたアルカラ大学になっている)の中を見学させてもらった。
この町は、ドンキホーテで有名なセルバンテスの故郷だそうだ。セルバンテスの銅像もあった。町は大学を中心としたヨーロッパの街という感じで、教会の大聖堂のようなところで大学生が講義を受けていて、欧州の名門大学という感じだ。
最も驚いたのは、街のそこら中でコウノトリが営巣していることだ。6月初めだから、雛に餌を運ぶのに忙しい時期だったかも知らん。大学の塔の上などに、確認しただけで10番近くいた。シュバシコウ(朱嘴鸛:赤いくちばしのコウノトリ ヨーロッパコウノトリ)と呼ばれる日本の豊岡で繁殖しているコウノトリの亜種だとのこと。日本のコウノトリより一周り小さく、嘴が赤い。目の周りは赤くない(日本のは目の周りが赤く歌舞伎調)。街や大学よりもコウノトリばかり見ていた。
マドリッドは内陸のためか、朝晩の気温差が大きく、朝は15℃くらいで上着が欲しいが、昼前には30℃超えとなる。5月末で、この調子なので、7,8月が恐ろしい感じだ。アルカラ・デ・エレーナスにもマドリッドにも、街角に公園があり、木陰に入ると風が涼やかで、読書には最適だ。沖縄も夏の日差しは厳しいが、日陰に入ると人心地つけるのは似ている。