OYJ Dimension

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単なる備忘録として。

 『anego』林 真理子

2003年11月1日 初版第1刷発行

株式会社 小学館

Book Off on Line ¥110-

 

 

 商社の一般職で勤務する野田奈央子(35歳)の生活を描いた話。奈央子は、結構美人で面倒見が良くて、後輩たちから慕われるいい女だけれども、良縁には恵まれず、そのまま会社に勤務している。同期の女性は寿退社して、同じ年齢の女性社員は少なくなってきている。そんな奈央子な同僚の女性社員とのあれこれや、不倫の話などの話が書かれている。

 

 お昼のドラマに出てきそうな内容だと思って読み始めたら、話の展開が凄まじく、下手な警察小説よりもスリリング。先の読めない展開に読むのを止められない感じ。各章のタイトルが、物語の展開をを予想できるように付けられていて、次の章がどんな話になるんだろうと早く読みたくなる。OLの恋愛小説で、ここまでスリリングなストーリーを作る林真理子さんの才能に感服した。ほかの作品も読みたくなる。各章のタイトルを見るだけで展開の予想がつく。

 

第1章 合コンの掟

第2章 姉御の正義

第3章 見合い

第4章 厄年

第5章 不倫への序章

第6章 甘い生活

第7章 裏切り

第8章 妻の呪い

第9章 破局

第10章 プロポーズ

第11章 心中

 

 

 

 

 

 

 

 『動機』横山 秀夫

平成12年10月10日 初版発行

平成12年11月年15日 第3刷発発行

株式会社 文藝春秋

Book Off on Line ¥110- 

 

動機: 初出誌「オール読物」1999年4月号

 

 ある警察署で警察手帳30冊が盗まれる事件が起きた。外部からの反抗ではなく、警察内部の誰かが、保管の金庫から盗み出したものと思われた。大量の警察手帳紛失は警察にとって大きな不祥事である。警察手帳の個人管理から組織としての一括管理にシステム変更を実施した担当の警察官が犯人の捜査を始める。捜査過程で思いもよらぬ犯人が浮かび上がってくる。

 

 犯行の動機は、長年勤め上げたベテラン刑事の保身と自らが指導し、鍛えていた若い刑事のミスをカバーするためと言う人情話的なオチ。

 

逆転の夏: この本への書き下ろし作品

 

 主人公の山本は、会社員の時に女子高校を買春の上、殺害し、逮捕されて懲役刑を受ける。犯行は突発的な事情も考慮されて10年程度の懲役刑だった。出所後、葬儀屋で働いていた。ある日、謎の人物<カサイ>から殺人の仕事を依頼する電話があった。カサイは自分を恐喝する男を50,000,000円で殺害してほしいと言う。山本は、殺人はしないで、金だけ詐欺的に奪う計画を立てた。電話のカサイと計画を詰めて、犯行現場に向かうが、山本は謎の男に刺され、殺されかける。

 刑期を終えた殺人犯山本を殺そうとしたのは、全く別の殺人事件で娘を殺された父親だった。娘を殺された父親2人が、それぞれの殺人事件の犯人を互いに殺し合うからくりを仕組んだ交換殺人事件のストーリーである。

 それぞれ個別の恨みがあって、殺したい相手が居る2人の男が被害者の会で知り合う。2人の男たちは、それぞれ恨みを持っている殺人犯同士が、お互いに殺し合うように仕向ける。交換殺人依頼の話だが、話がかなり複雑に構成されている。

 

ネタ元: 初出誌「オール読物」2000年9月号

 

 地方新聞の女性記者が、大手全国紙の記者にならないかと引き抜き工作を受ける。新聞社を変わるか? 悩んだ末に現在の地方紙に残る決断をする。その決断は、よかったか?悪かったか?最後まで読んでもよくわからない。新聞記者の世界で、女性記者として生きていくのが大変だと言うことがよくわかる。

 

密室の人: 初出誌「別冊文藝春秋」2000年233号

 

 後半中に居眠りをして、寝言で愛妻の名前をつぶやいてしまった裁判長の苦悩を描いた話。ネタの設定がめちゃくちゃ面白くて、ぶっ飛んでいる。法廷新聞記者がスクープしようとするが、裁判所長は絶対に新聞に掲載させるなと居眠りした裁判長に釘を刺した。主人公の裁判長は妻をなくして、15も年の離れた茶道師範の女性を後妻に迎えていた。居眠りをしでかした裁判官は、マスコミと怒り狂う裁判所長に責められ苦しむ。最終的な落ちはあまりにも現実離れしているが、舞台設定としては面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『哀しい予感』吉本 ばなな

1988年12月15日 初版発行

1989年7月年20日 第15刷発行

株式会社 角川書店

Book Off on Line ¥110-

 

 先ず装丁がいい。読み終わって本を閉じた時、物語の余韻が表紙画から匂い立つ感じ。机の上に置いておきたくなる。明るくなる様な物語ではないが、読みながら、フワフワして宙に浮かんだ様で、少し心地よい、落ち着いた心持ちになれる感じがした。短い話ですぐに読めてしまう。

 

 自分のためにストーリーをメモしておく。まだ読んでない人はネタバレになるので、これ以降は読まない方が良いと思う。ストーリーを楽しむ本ではないと思うので、筋書きが判ったところで味は棄損されないとは思うが、内容を知らない方が楽しめると思う。

 

 主人公は、弥生という名の19歳の女子。弥生は小さな時の記憶がほとんどない。弟の哲生と両親と住んでいる。歩いていける距離に叔母のゆきのが一人暮らしをしている設定。

 

 主人公の弥生は幼いころから予言の様な不思議な力を持っていて、周りの人たちを驚かせたが、本人は幼いころの記憶がない事を不思議に思っていた。弥生は、叔母のゆきのと話すことが好きだった。

 

 ある日、弥生は過去のことを思い出す。<家族全員で旅行した恐山で交通事故にあい、父母が死に、姉妹は他人に預けられて育った。> 弥生は、叔母と思っていたゆきのは姉であり、一緒に暮らしている弟、哲生とは血縁関係にない事を理解する。

 

 弥生とゆきのの生活、周りの人たち、旅の話などがゆっくりと描かれる。弥生の理解の速度に合わせた様に。

 

 物語の舞台設定(信州と恐山)が良い。しばらくしたら再読したい。読み心地がいいのである。