毎度お馴染み、5ちゃんねるから拾ってきました。名無しさんのご意見です~。
「勧善懲悪アニメは低レベルで、どっちもどっちアニメがハイレベル。故にどっちもどっち論こそ真理。アニオタにヒトラー支持者やネトウヨが多い理由がこれ。ナチスの悪行に、
『ナチスが悪いって言うけど、ユダヤ人やオーストリアにも悪いところがあったんだよ。どっちもどっちじゃん。それが分からないなんて幼稚』
人はそれぞれ正義があって争いあうのは仕方ないというオタクの屁理屈だな」
わたくし、ここ二十年くらい、殆どアニメ作品を観ておりませんので、この書き手さんの仰る「勧善懲悪アニメ」「どっちもどっちアニメ」というのが具体的にどんな作品を指しているのかはよくわかりません。アニメファンにネオナチやネトウヨが本当に多いのかどうかも知りません。
だから例えとして適切かどうかはわかりませんが、三つ前の記事で取り上げた「幽☆遊☆白書」の仙水忍の台詞「子どもの頃、世の中に善と悪があると信じていたんだ。戦争も善い国と悪い国が戦っていると思ってた」を思い出しました。
ここで作品とキャラクターについて簡単に触れておきます。
人間界・魔界(妖怪が住んでいる)・霊界(人間が死んだ後に行く所。地獄なども含まれる。閻魔大王やその息子や部下たちなど、霊界の住人もいる)という三つの世界が存在する、というのが漫画・アニメの基本設定です。
その霊界の極秘資料が「黒の章」というビデオテープです。内容は、歴史上人類が犯してきた残虐行為を延々と何万時間も記録したという極めておぞましいものです。
その「黒の章」を盗み出して観た人間の青年・仙水忍の葛藤から、悲劇的な戦いが始まる、というのが物語後半の筋書きです。
仙水の台詞についての解釈は当該記事で展開しましたのでそちらを参照してもらうとしまして、「黒の章」ってどんな映像が映ってたんでしょうか。
ビデオテープという発想がユニークだと当時から思ってまして、これについても語り出すと長いのでカットしますが、編集の仕方にもよりますねw
「嬉々としてユダヤ人を嬲り殺しにするナチス兵士」に続いて「嬉々としてパレスチナ民を嬲り殺しにするイスラエル兵士」とかだったんでしょうか。
高校の時の社会科の先生に「日本で販売されている超豪華なドッグフードのCM」と「飢餓に苦しむ最貧国の子どものニュース映像」を編集した自作ビデオを見せられたことならあります。
言いたいことはわかるけどそんなグロテスクな演出しなくてもいいと思ったものです。
それちょうど「幽☆遊☆白書」がリアルタイムで連載・放映されてた頃だったと思うんですが、このように、そんなもんわざわざ霊界の極秘資料を盗み出して観んでも毎日のニュースや学校の社会科の授業で充分足りるだろと思ったことも覚えています。
日本国憲法:
「どこの国ガーとかおまえらアホやな。つか、今までの人類は俺らも含めてほんまアホやったと思うわ。
ええか、どこの国ガーとか民族ガーとかちゃうねん。戦争というもん自体が悪いのよ。
世界中から戦争というもん自体をなくしたらいいねん。なくせるわけない、今までなくならんかったんやからって?
いや、なくせる筈や。だって俺ら、『戦争というもん自体が悪い』って気が付いたんやから。俺らが初めてやぞ。
今はなくなってなくても、遠からぬ将来、なくせるように全力で努力しよう!俺らがその先頭に立つんや。
まず、戦争する為の道具を持たんことやな。それやったら、たとえしたいと思うヤツがいてもできひんやろ?」
旧約聖書「イザヤ書」:
「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。
彼らは剣を打ち直して鋤とし
槍を打ち直して鎌とする。
国は国に向かって剣を上げず
最早戦うことを学ばない。
ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう」
最初のアニオタさんの話に戻りましょう。
国どうしの話、歴史上の話だから何となくそんな理屈でそんな気にさせられる単純な人もあるというだけで、
「いじめる子が悪いって言うけど、いじめられる子にも悪いところがあったんだよ。どっちもどっちじゃん。それが分からないなんて幼稚。人はそれぞれ正義があって争いあうのは仕方ない」
「ブラック企業が悪いって言うけど、労働者にも悪いところがあったんだよ。どっちもどっちじゃん。それが分からないなんて幼稚。人はそれぞれ正義があって争いあうのは仕方ない」
とかになるとかなり言ってることのおかしさがわかってくると思うんですが、どうでしょうか?