人命救助してるのに女は土俵から降りろとアナウンスされてしまうとは | 星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る

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【というわけで、タイムリーな話題なので過去記事の再掲載です】
 
 
 大学の時、「女が土俵に上がれないのは当たり前。君は褌一つになって、男の誇りを懸けた一対一の真剣勝負の場に立てるのか。それができない人間に上がる資格はない」と上級生♂から言われたんですが、それって全然違いますよね。
 
 まず忘れてほしくない、または知ってほしいのは、「男しかできないスポーツだから敢て女はフィールドに入らせない」んじゃなくて、「女は不浄だから神聖な土俵には上がらせない」という明らかな差別思想が基になっていること。
 とはいえそれは、「でも相撲は神道の宗教儀式なんで」と言われてしまうと言い返すのは難しくなります。「宗教」の名前さえ借りればどんな差別もしていいことになるんですね。それでいいのでしょうか。いや、いい筈はないと思うのですが。
 
 「褌締めて勝負ができないから上がれない」というのであれば、身体障害者の男性だって上がれないことになります。
 その時、実際にそう言い返したんですが、「そんなことはない。その人は上がれる」とかわけのわからないことを言われました。細かいやり取りはもう覚えていませんが。なんかスピリットの問題とかそんなことを言ってたような気がします。
 
 土俵上がる上がらない問題が初めて表面化したのは、内閣官房長官が女性だった時、土俵に上がって優勝した力士にトロフィーを渡したいと希望した時だったと思います。大阪府の知事が女性だった時も悶着ありましたね。
 内閣総理大臣に任命されたり、府民に選挙で選ばれたりして、ちゃんと仕事をこなしている官房長官や知事が、競技(ちなみに国技)の優勝者に、官房長官や知事として、競技のフィールドに立って栄誉を与えることがダメなんですって。女性だからですって。確かに女性は相撲は取れないですものね。
 でも、官房長官や知事が相撲の取れない身体障害者だったとしても、男性ならいいんですって。おかしいですね!
 
 まあ相撲はちょっと特殊かも知れませんが、殆どのスポーツには男子女子種目があって、どっちかの性は参加できないなんてものはありません。レスリングだって、水着やレオタードを着れば女性だってできます。男だって女だって、闘争本能の強い人もいれば、あまりない人もいます。
 男の誇り云々、スピリット云々とかほんとに馬鹿馬鹿しい。あたしの大学時代にはそんな人権思想は広がっていませんでしたが、LGBTにも失礼でしょ。FTM、MTFなどトランスジェンダーの人が土俵に上がりたいと言ったらほんとにどう対応するつもりなんでしょうか。
 
 だいたいそれなら、野球やサッカーやラグビーだって女子種目はあまり盛んではなくて、どっちかというと男性のスポーツっていう意識はありますが、だからって、「男と男の誇りを懸けた真剣勝負のフィールドに女が入るな」なんてアホなことは言いませんからね。競技に参加しなくても、何か用事があれば入れるし、入ります。
 今ふと気づいたんですが、相撲だって行司なら女性にも務められそうですよね。
 (ところで、女子種目しかない競技ってなんかありましたか?新体操とかシンクロ?それだって女性美の極致を競う真剣勝負のフィールドにごつくてイカついスネ毛だらけの男が立ち入ることさえ許さんとは言いませんね)
 
 人口の約半分は女性なんですから、女性は参加できないどころか汚いからフィールドにすら上がるなとかいう競技に「国技」と名乗ってほしくないですね。
 
 あと、「それじゃ宝塚は?男を排除してんじゃん。相撲だって同じことだよ」とかいう反論が必ず予想されるんですが、それについてのわたくしの見解はまた別の機会に述べさせて頂くことに致しましょう。
 
(次項に続く)