「素敵な『日本男子』を目指して」とかいうブログから拾ってきました。
筆者は男性で、女性とのおつきあいの仕方を指南したブログのようです~。
「女性をホテルに誘うときは、疑問形ではないほうが望ましいと思います。『一緒にホテルに行かない?』という同意を求める言い方は、女性にとって『はい』と答えづらいものです。ホテルに誘われれば、そこで何をするのかはだれでも想像できますよね。疑問形での誘い方は体の関係になってもいい?と聞かれているのと同じことなのです。
『ホテルに行こう』と断定した言い方で誘うことで、女性は自分が望んでホテルに行くのではないと思うことができます。もし悩んでいるようなら、『嫌かな?』と聞いてあげるとよいでしょう」
>女性は自分が望んでホテルに行くのではない
驚きました。それでは大変ではないですか。
べつに揚げ足を取るわけではありませんが、「同意を求める言い方」はNGって・・・・。じゃあ同意を求めずにホテルに連れて行こうとする気でしょうか。
いや、わたくしは理解力や共感力が並外れてますから、この筆者が言いたいことはわかるんです。
昔とは随分変わってはきましたが、今でも、「女性が自分の性欲を率直に表すのは恥ずかしい」という社会通念があります。
「好きな男性から求められたからしおらしく従う。決して自分からはしたなくもガツガツとセックスを求めたのではない」
という形を取らせてあげるのがいいんだ、それが女性に対する男性の細やかな気遣いというものだ、と言いたいんでしょう。
その社会通念自体は変わっていくべきだと思います。
しかし、最近の項目で再三展開しております持論も曲げるつもりはございませんし、矛盾するとも思いません。
いつの時代であれ、男性の方から誘って断られてもそれほど恥ずかしくないと思われますが、女性の方から積極的になって、飽くまで拒まれるなど結局そういう展開にならないのは、その場で息絶えてしまいたいと思うくらい恥ずかしく、痛恨の極みですからね。女子一生の不面目、といいましょうか、人格否定されたも同然の深手を負います。
実際、オスとメスとの大元の違いを考えてみると、「女性からのセックスの誘いを拒む=全存在否定」というのは強ち間違ってはおりません。ここでは解説しませんけどね。
だから、
「誘うのは男性の方(必然的に、振られるのも、それできまりの悪い思いをするのも男性の方)」
「どんな時にも、女性に恥ずかしい思いをさせないのが紳士の配慮というもの」
という考え方であれば、個人的に賛成できます。
しかし、この人の文章表現が至らないせいで、この箇所は大きな誤解を生みそうです。
「女性が自分『から』強く望んで」とか、「自分から誘って」「自分からノリノリで」とかいう言い方ならまだよかったかも知れませんが。
この文章には他にも感心しない所があります。
この手の恋愛指南書、主に男性の手によるものは大抵そうなんですが、思いこみやそれによる断定が激しすぎるんです。
そんなもん人や状況にもよるだろ、としか言いようのないようなことが、一方的にこうだ!と決めつけて書いてある。
その時の状況や文脈、男性のキャラクター、語調や表情やらその他諸々の条件によると思いますが、「ホテルに行かない?」でも「ホテルに行こう」でもそんなに変わらなくないですか?「ホテル」という単語に注意を引かれて語尾なんか気にしてる場合じゃなくないか。
「ぼくはあなたと体の関係を持ちたい」と言ってるのには変わりないし、女性側も「はい」と答えれば「そうね、わたしもヤりたい(^0^)」と言ってることになるし、「いいえ」なら望んではいないことになります。
「女に考える余地、答える余地を与えるな」ということが言いたいのであれば、もう「素敵な『日本男子』」どころではない、とんでもない話ですしね。そうとも解釈できる、というか、そう解釈する人が多そうだから問題なのですが。
なんか、「相手の女性は必ず自分のことを好きな筈だ」という前提で書かれているように思えますし、そうとは限らんと思うのですが、まあそれは置いときましょう。
寧ろ、女性側が「はい」と言いやすいかどうかより、「いいえ」と言いやすいかどうかの方を考えてあげるべきだと思うんですね。
「行かない?」と疑問形の方が、断るのもまだ容易そうです。「行こう」の方が「いいえ」と言いにくくないですかね。それこそ、状況やらその女性の性格にもよりますが。
「嫌かな?」って訊いてあげるといい、なんてアドバイスするくらいなら最初から訊いてあげればいいじゃないですか。いずれにせよそこで「うん嫌」とも答えにくいと思いますが(自己主張の苦手な女性ならね)。
この筆者のブログは少ししか読んでいないので判定しかねますが、「女性を大事にしたい」(心の通う誠実な恋愛がしたい)のか、「男性の欲望を満たしたい」(単にセックスがしたい)のか、どちらが真の動機になっているのかでこういう記事は随分と変わってきます。
本気で前者のつもりで書いてるんだけどそれが勘違い、というのもまたよくある話です。
いずれにせよ、前者であることを祈っております。