「中島みゆきはレスビアンだよ。有名な話だよ」
と聞いたことがあります。
真偽以前に、まずそんな話はちっとも有名ではない、と思います。
なぜなら、そんな話はその人からしか聞いたことがないからです。
だから今では信じていないのですが、その話を聞いた時にふと納得したのは、彼女の「この世に二人だけ」という歌、特にこんな一節を思い出したからです。
「嫌いになどなれる筈ない あなたの愛した人だもの」
「あなたの彼女が描いた絵の載った本を見つけた 柔らかなパステルの色はそのままに あなたの好みの色」という歌い出しで始まるストーリーの中で、「わたし」(みゆき自身?)は、本屋で見つけたその本を大切に買って帰るのです。
「そういえば、あれはヘテロセクシャルの感覚じゃないように思える」
「でも、『わたし』も『あなた』も『彼女』もみんな女性なんだとしたら腑に落ちる」
と思い当たったのです。
「あなたと同じ苗字」という表現も出てくるので男女のカップルかとも思われますが、ペンネームなら何とでも名乗れますからね。
または、「あなた」はやっぱり男で、「わたし」はバイセクシャル的な感覚の持ち主、という解釈もできますし、最近は、「恋愛感情はあっても性的欲求がない、または希薄なノンセクシャル的感覚」ってものもそういうものかも知れないなあ、と思います。