今日も怨憎会苦 | 星垂れて平野闊く 月湧いて大江流る

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 昨日、「無償の愛」がどーたらと書いてて思い出した。


 あたしはその場面を見てたわけじゃなく、母からやり取りを伝え聞いただけなんですけどね。

 ずーっと昔、もう十年から二十年くらい前かなあ。Dreams Come Trueの吉田美和さんが、ある番組に出演した際に、「マリンパークでイルカと飼育員のお姉さんを見ていて感動した」「なんか、無償の愛って感じで・・・・」と話していたそうなんです。

 そしたら、名前忘れましたが(調べるのめんどくさい)、バンドのメンバーの男性が、「あれは無償の愛じゃないよ」「イルカはご褒美の魚を貰えるから芸をするんだよ」と、クールに切り返したそうなんです。

 吉田さんはメンバーのその発言にショックを受けて、「えっ。でもわたし、そういう風に思ったから・・・・」と、収録中にも関わらず泣き出してしまったそうなんです。

 メンバーは慌てて、「ごめんごめん!そうだね、無償の愛、無償の愛」と吉田さんを慰めたそうです。


 それで?いや、それだけです。

 でも、なんかこのエピソードが長年印象に残ってて、今こうしてここに書いています。


 イルカの人間に対する愛(?)が、「無償の愛」と言えるかどうかはわかりません。本気出して考えようとするとなかなかにめんどくさいことになります。そもそも、そんなもんイルカに訊いてみなくちゃわかるわけないんですから。

 でも、「人の動物に対する情愛」っていうのは、「ものを言わない者に対する情愛」ではないかとあたしはよく思います。


 【ものを言わない者というのは、なぜあんなに愛おしく、切なく、健気でいじらしいのか。当たり前の話ですが、ものを言わないというのは、言葉というものを持たないということです。人間は言葉を使って、本当に色々なことができます。言葉があるから、人間は愛を表現できるし、思いや考えを伝えられるし、幸せになれます。
 けれども、人を傷つけるのもまた言葉なのです。人は結局、「腹の立つことを言われるから」人を怨み、憎むのです。
 「その点、動物というのは何も言わないから、『憎らしい』と思うことがないからな」と、猫の顔を見ながらよく思います】


 昔アマゾンで書いた、遠藤周作「深い河」のレビューの一部を引っ張ってきた。

 めっちゃ気合い入れて書いた大作やのに、「参考になった」票が三人中一人だけだった。あれって結構傷つくもんですね。


 ここまで書いてきて思った。

 いや、待てよ。喋ったことなくても、気に入らない発言を聞いたことがなくても、「なんかこいつ嫌いやわ」「姿が目に入るだけで落ち着かへん気分になるわ」ってことはよくあるよな・・・・。それは顔つきとかファッションなどの外見だったり、行動だったり態度だったり、或いは、自分の持ってないものを持ってるから、つまり、嫉妬心やコンプレックスを刺激される相手だから、っていうのもある。


 「こいつはきっと、あたしにとって腹の立つことを言うやろう」「言わなくても、思ってるし、考えてるやろう」と想像がつくから、ってことでFA?