「ねぇ、おかあさん。この おにんぎょうさん おかあさんの?」
「そうよ。おかあさんが 陽菜(ひな)くらいの子供の時に お友達だったの」
「へ~、カッコいいね」
「でしょ?」
「でも、なんで ふくきてないの?はだかだよ?」
「ふふww そうね」
「ひなが ふくきせたい」
「でも このままにしておこっか」
「かぜ ひいちゃうよ?」
「大丈夫、仲良しってことだから ^^」
「え~なんで?」
「なんでだろうね ^^」
子供の頃を思い出す。
何度か ジュンスとユチョンが裸なのを見た。
風邪をひくと、服を着せた事もあった。
あの時はわからなかったけど、今なら わかる。
ジュンスとユチョンは愛し合ってたんだって。
今も、変わらず 二人は仲良くしてるんだね。
何となく ジュンスが恥ずかしがってる気がして、そっと布団をかけてあげた。
子供の頃、私は 人形と話ができた。
こんなことを口にしたら、嘘つきだと思われるかもしれないけど、
私は ジュンスと優しい時間を過ごした。
成長につれ、私は ジュンスと遊ぶより、友達と遊ぶ方が楽しくなった。
ジュンスが寂しい気持ちを持ってることも知ってたけど、私は自分を優先した。
だから、段々とジュンスの声が聞こえなくなって、ジュンスは人形に戻ってしまった。
あんなに大事にしてたのに、もう何年も実家に置きっぱなしで・・・
ごめんね、ジュンス。
でも、ジュンスもユチョンも あの頃と何一つ変わっていない。
あの時のまま、時が止まっていたみたいに。
生地も傷んでないし、色あせてもない。
本当に不思議・・・
「え?」
「ん?何?」
「いま、 『おかえり』 ってこえがしたよ?」
「声が?」
「うん。」
「まだ聞こえる?」
「・・・・・・んん。きこえない」
そう、、、、
ジュンス、、、、、待っててくれたの?
ふいに思い出す。
ジュンスとの約束を。
私が 『 いいよ 』 って言うまで、どこにも行かないって。
ジュンス・・・・約束を守って待っててくれたんだね。
「ジュンス・・・ありがとう。待っててくれて、、、、
もう、、、いいよ。
ジュンスの自由にしていいからね。
大好きだよ・・・」
ジュンスの小さな頭を撫でた。
愛しくて、申し訳なくて、涙が溢れてくる。
「ありがとう、、、ジュンス」
私の宝物。
可愛くて、優しくて大好きだったジュンス。
ジュンスの好きだった オルゴールを机の引き出しから引っ張り出して、ネジを回した。
キレイで澄んだ音色は、ジュンスみたいだと 思った。
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「僕たち 仲良く待ってたよ」
