梅雨が明けて真夏日の続いている済州島。

ということで、今日は涼しく(?)歌の話題です。

 

済州島を歌った歌は民謡なども含めるとかなりあるようですが、僕の知る限りいちばん有名なのはそう…

チェ・ソンウォン(최성원)『済州島の青い夜(제주도의 푸른 밤)』です。

 

この歌はラジオでもよく流れていますし、済州島関連の番組やお店などでもしょっちゅう耳にします。

韓国の人なら済州島と聞けばこの歌を思い出す人もけっこういるのではないでしょうか。

最近ではドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(이상한 변호사 우영우)』でも挿入歌として使用され、話題になりました。

 

原曲は1988年にシンガーソングライターのチェ・ソンウォンが発表したもの。

作詞作曲もチェ・ソンウォンです。

その後様々な歌手によってカバーされており、僕はむしろ原曲を聴いたことがありませんでした。

 

↓これが原曲

 

波の音から始まり、静かな伴奏と淡々としたメロディー。

チェ・ソンウォンの細くてヘタウマ(失礼!)な歌声もいい味出しています。

 

ところで、この歌のポイントは何と言っても歌詞でしょう。

全部訳してしまうと角が立つかもしれないので、僕が気になるところだけちょこっと。

 

出だしはこんな感じ…

 

 떠나요 둘이서 모든 걸 훌훌 버리고 제주도 푸른 밤 그 별 아래

(行こう二人で すべてを捨てて 済州島 青い夜 あの星の下へ)

 

チェ・ソンウォンは済州島旅行に行った際にこの歌を作ったとのこと。

そう考えると、「すべてを捨てて」済州島へ行こうというのは、今やってる仕事を辞めて済州でしばらく羽を伸ばそうみたいな感覚でしょうか。

僕は最初に聴いた時、今住んでいる場所を離れて済州島へ移住する歌なのかなと思いましたが。

聴く人の立場によっても受け取り方が違ってきそうです。

 

「青い夜(푸른 밤)」というのは詩的な表現ですが、具体的にどんな夜なのかは不明です。

外国の詩に「青い夜」という表現が使われることがあるようなので、そこらへんから取ってきたんでしょうか。

まあ「明るい夜」とか「暗い夜」だと身もふたもありませんしね。

ちなみに、数年前まで「プルンパム(푸른 밤)」という焼酎が済州で製造・販売されていましたが、あれもこの歌から持ってきたものと思われます。

 

閑話休題。

歌は都市の悪い部分と済州島のいい部分を比較する形で進んでいきます。

以下ならべてみると…

 

 都市…新聞・テレビ・給料袋・アパートの壁・居酒屋・カフェ・人込み・都市の沈黙

 済州…海が見える窓・キンカン畑・ミカン・海のささやき・新婚夫婦

 

歌詞の流れは、上のような都市の嫌な部分に疲れ果てたので済州島へ行ってしまおうよ…みたいな感じです。

発表されたのが36年前ということで、今見るとややツッコみたくなりますね。

まず「新聞」「テレビ」「給料袋」は済州島にはなかったんでしょうか?(当時としても偏見のような気が…)。

また現在の観光地と化した済州では「居酒屋」や「カフェ」はそれこそ溢れかえっています。

一方、済州島の印象のほうはわりと今でも通用しそうですね。

 

そして、歌詞はいよいよ最後のサビの部分に。

ここで意味不明の単語が一つ出現します。

 

 정말로 그대가 재미없다 느껴진다면 떠나요 제주도 푸르메가 살고 있는 곳

(君が本当につまらないと感じているなら 行こう 済州島 プルメの住む場所)

 

この「プルメ(푸르메)」が長年の謎だったのですが、今回思い切って(?)調べてみました。

すると韓国人もけっこう謎に思っているらしく、ネットにたくさん出ていました(笑)。

 

結論から言うと、「プルメ」というのはチェ・ソンウォンの友人の娘の名前だそうです。

ずいぶん変わった名前なので、人名とは思いませんでした。

こういう個人的なことを歌詞に入れているのも、なんとなく時代性があっていいですね。

 

さっきも書いたとおり、この歌は多くの歌手によってカバーされています。

僕も一通り聴いてみましたが、個人的にはBADA(パダ)のバージョンが一番好きです。

 

↓BADAによるカバー

 

ギターだけのシンプルな伴奏で、しっとり歌っています。

これも個人的な感想ですが、この歌はスローなバージョンのほうが似合う感じがします。

 

ちなみにBADAはS.E.Sの元メンバーです。

どうでもいいことですが、S.E.Sって昔「夜もヒッパレ」によく出てましたよね?

韓流が日本に進出したかなり初期のグループだったと記憶しています。

 

あとはこのバージョンもわりとよかったです。

オ・ヨンジュン(오영준)という男の子が歌っていますが、こちらはやや速めで明るい感じです。

当たり前かもしれませんが、編曲と歌手によって全然違いますね。

 

↓オ・ヨンジュンのバージョン

 

ということで、今日は『済州島の青い夜』について紹介しました。

今日も済州島のどこかでこの歌がかかっているのは間違いないことでしょう。

 

 

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