もう先週のことになりますが、海女おばさんが「キムジャン」するのを手伝いました。
「キムジャン」というのは、年末に白菜のキムチを大量に漬ける作業のことを言います。
キョンアさんの説明によると、冬になると作物があまり育たないため、その間に食べる保存食としてキムチを漬けたところから発祥したようです。
冬の白菜収穫時期に合わせて、12月中旬から年末にかけて行われることが多いとのこと。
現代、都市部ではキムジャンをしない家庭が多いようですが、田舎では高齢者を中心に根強くつづいています。
海女おばさんも七人いる娘とその家族たちに送るために、かなりの量のキムジャンを毎年しているそうです。
ちなみに、僕たちはもともとキョンアさんの故郷・蘆花島(ノファド)に行ってお義母さんのキムジャンを手伝う予定だったのですが、僕の大学院試験やキョンアさんのミカン畑でのアルバイトなどが重なったためキャンセルに。
その代わりというわけでもないのですが、今回は海女おばさんのキムジャンを手伝うことになりました。
以下、写真をまじえながら簡単にキムジャンの流れを紹介したいと思います。
一日目
① 畑の白菜を収穫(約70~80個)
② 白菜を切り、水につけて洗う
③ 白菜に塩をすりこむ
ここで白菜を一日ねかせます。
二日目(午前)
④ 白菜を水でよくすすぐ
⑤ ザルにおいて水をよく切る
二日目(午後)
⑥ 白菜にヤンニョム(唐辛子の粉、イワシの塩辛、エビの塩辛、ニンニク、生姜、大根、ネギ、ニンジン、リンゴまたは梨、イリコだしなどを混ぜたもの)をすりこむ
⑦ 容器に入れて冷蔵庫で保管する
以上が僕の見た海女おばさんのキムジャンの工程でした。
地域・家によってヤンニョムの内容物や容器の入れ方などは多少ちがうようですが、基本線は全国的にほぼ同じとのこと。
ただ、すりこむ塩の量やヤンニョムの配分などで家庭ごとに味の違いが出るようです。
今回、海女おばさんが漬けたキムチは娘家族たちのもとへ行き、夏までには全部食べてしまうそうです。
お義母さんも今頃キムジャンをしているはずですが、そっちのキムチもやはり子供たちとその家族(つまり僕たち)に送られます。
今回お手伝いしてみて、キムジャンは白菜の収穫からはじまり、決して簡単な作業ではないと感じました(何しろ量が多い)。
それでも、田舎を中心にキムジャン文化が続いているのには、やはり家族を思うお母さんたちの気持ちの強さがあるようです。
今後、お義母さんが漬けたキムジャンのキムチを食べる時には、感謝の念を忘れないようにしたいなぁと思った次第です。
※ 次は月曜日に更新します

にほんブログ村