その夜の月 ~8~ | infection  ~YooSu~

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「好きだ」

 

 

思わず口をついて出た言葉に、彼が目を見開いた。

一日中彼を独占して、自分の気持ちが間違いないと確信した。

性別や育った環境、趣味の違い、そんなもの彼の魅力を増す以外の何ものでもない。

シャワーを浴びながら、どうやってこの気持ちを伝えようかと考えていたが、バスルームのドアを開けた途端、天使のような彼を見て、告白の言葉がまろびでた。

ほうけたままの彼につかつかと近寄り、手を差し出した。

 

 

「立って」

 

 

ベッドに座る彼はもじもじとしながらも、素直に俺の手を取り立ち上がる。

そのまま彼の手を取り、コテージのウッドデッキにしつらえられたソファーへと誘った。

ソファーに座らせると、自分も隣に腰を下ろし、彼と向き合う。

太陽のような彼の瞳は、星のように輝いている。

彼はすべてが完璧だ。

誰も彼の代わりになどなれない。

今まで築き上げてきた友情と言う名の安定を捨てても、俺はもう告白することしか考えられない。

彼の隣は誰にも渡したくない。

ごくんと唾を飲み込むと、じっと彼を見つめ言った。

 

 

「好きです。ずっと。会った時から」