その夜の月 ~7~ | infection  ~YooSu~

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風が運んでくる。

潮騒の音と香り。

開け放ったコテージの窓から、月明かりが差し込む。

昼間あれだけ遊んだのに、眠れない。

疲れは溜まっている。

過酷なスケジュールをこなし、やっと手に入れたバカンス。

大好きな人とのバカンスは、思った通りの楽しさだ。

その大好きな彼が浴びるシャワー音が止んだ。

ベッドの中で体を固くする。

ベッドはツイン。

緊張することはない。

だって僕はまだ告白さえしていない。

一緒にバカンスを楽しみたいと言っただけだ。

友達。

それが今の二人を表わす一番相応しい言葉。

何よりも世間がそれ以上の関係を許してくれないだろう。

 

 

「でも、好きだよ」

 

 

つぶやいた僕の耳に、バスルームのドアが開いた音が聞こえた。