「だからさ、ハヤトはルイのものなのよ」
「そうそう、ルイはハヤトのものだしね。とにかく春がいちゃついてくれたら、それでいいよね」
「うんうん、それでいい。でも・・・」
「でも、何?」
「出来れば、私達の前でもっといちゃついて欲しい!」
「分かるー!」
ハルハル主催のオフ会、別名「春を愛する会」は、最高潮に盛り上がっていた。
皆、ほとんどが初めて会った人ばかりなのに、ずっと昔からの友達のように心を許していた。
しずくはその輪の中に溶け込んでいる真夏をじっと見つめた。
安堵から思わず泣いてしまったしずくに、
「今まで言わなくてごめんね。もしかしたらしずくも春ファンかもと思ったことがあったけど、聞けなかったんだ。だから遠回しに腐ってないか確認しようとしてたけど、確信が持てなくて、でも、良かった。今日ハルハルに出会えて。おかげでしずくと本当の友達になれたよ。ほらほら涙を拭いて、せっかく同じ趣味だって分かったんだから、春のこと早く話そうよ」
真夏はそう言ってティッシュをくれた。
涙を拭うしずくにハルハルは、こう言った。
「好きなものを恥じることなどないんだよ。春ってそれだけ魅力的なんだからさ。って言うかBL好きの何が悪いってね」
その言葉に長年胸につかえていたものがすうっと消えていくのを感じた。
続く