『どこに行くんだよ』
そう問いかけた僕の言葉は、
『行くんじゃない。消えるんだ。じゃあな』
と言う、ユチョンの曖昧な返事で掻き消された。
もやもやを解消しようとしたのに、余計もやもやする。
消えるってどういうことだろう。
まさか、ここから居なくなるってことだろうか?
いや、僕もそうだけど、ユチョンだって、ここは夢を叶えた場所だ。
容易く手に入るものではないものを、そう簡単に手放すはずはない。
でも、ユチョンは言った。
『ジュンスは俺の中心なんだ』
僕が中心ならば、夢を叶えた場所は手放せるということかも知れない。
いや、でも、まさか。
どれだけ考えても答えは出ない。
「まさか、本当に消えてしまわないよな・・・」
呟くと、胸に不安が広がった。
日常が消える。
いつも当たり前にそこに在ったものが、消えるかも知れない恐怖に、僕はぶるりと体を震わせた。
「ユチョン・・・やだ」
不安を払拭するために、慌ててユチョンの後を追った。
続く・・・