バンッとけたたましい音を立てて、楽屋のドアを開けた。
ユチョンの姿を求めて視線を左右に彷徨わせる。
リーダーユノとジェジュンはソファーに仲良く隣り合って座り、何か一生懸命話し合っている。
マンネチャンミンは、その向かいのソファーで横になって、ゲーム機に向かっていた。
ユチョンは居ない。
来た時と同じ方向に消えたので、てっきり楽屋に戻ったと思っていたのに。
ソファーに近付くと、ジェジュンが気付いて微笑んだ。
「ユチョン、来なかった?」
「一緒に居たんじゃないの?」
「先に戻ったから、てっきりここに居ると思って」
「戻って来てないな。トイレでもいってるんじゃない」
「ちょっと探してくる」
「ふふっ、仲良いな」
ジェジュンはいかにも微笑ましいと言うように笑った。
そんなんじゃないのに。
仲が良いとかそんなことじゃなく、とにかくユチョンの姿を見て、安心したいだけなんだ。
僕は踵を返すと、楽屋を出た。
「先ず、トイレだ」
廊下の先にトイレがある。
小走りにトイレに駆け込むと、誰も居なかった。
「どこに行ったんだ・・・次はどこを・・・」
次の行き先を考え、頭を抱えた。
楽屋とトイレ以外、思い付かない。
「ユチョン・・・どこだよ」
じわっと滲んだ涙を、腕で無造作に拭うと、とぼとぼと楽屋に引き返した。
続く・・・