「俺はジュンスを困らせたいわけじゃない」
「で、でも・・・僕はもう・・・」
十分困っている。
どんな顔して、ユチョンを見ればいいのか分からない。
「ジュンスはさ、俺の事嫌いじゃないだろう」
「うん」
「でも、俺の気持ちとは違う」
「う・・・ん」
「だから、そのままでいいんだよ」
「意味・・・分かんないよ。そのままでいいって言うなら、僕に告白なんかしなくて良かっただろ」
「ごめん」
「別に謝って欲しい訳じゃ・・・」
「ジュンスが困るのは分かっていた。でも、言わないと伝わらないって言うのも分かっていた。叶わない想いって言うのも分かっているけど、せめて知っていて欲しかった。俺の中でジュンスはどんな存在なのかを。ジュンスは俺の中心なんだ。だから失いたくない。失うくらいなら、俺が消える」
「消える?」
「そう、ジュンスの前から消えるよ」
「えっ?」
「告白したせいで、ジュンスの心に俺の存在は刻まれただろう。もうそれでいい。俺を忘れないでいてくれたら」
ユチョンは椅子から立ち上がり、歩き出す。
「待って」
僕が呼び留めると、後ろ向きのまま肩越しに振り返る。
「ジュンス、俺を・・・」
そこで言葉を切ると、しばらく逡巡してから呟くように言った。
「忘れないで」
続く・・・