消えゆく世界 ~4~ | infection  ~YooSu~

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「何がいい?」

 

 

楽屋を出て廊下の端の自販機の前に来ると、ユチョンが聞いた。

 

 

「いらない」

 

 

「じゃあ、ミネラルウォーターで」

 

 

ユチョンは人の返事を無視して、ズボンのポケットから小銭を取り出し、投入口に入れ、ボタンを押す。

 

 

「いや、何もいらないよ」

 

 

「いいから」

 

 

ゴトンと音がすると、取り出し口にミネラルウォーターのペットボトルが転がった。

ユチョンはそれを取り出すと僕に手渡す。

 

 

「いらないったら」

 

 

「いいから、受け取れよ。話の内容を誰にも悟られたくないんだろう。自販機の前でただ立ち話していたら注意を引くだろう。ほら」

 

 

突き出すように差し出され、こくんと頷くと受け取った。

僕の話したいことが分かっていて、気を遣ってくれたんだ。

何でこんなに細かいことにも気が利くのに、あんな投げ遣りとも言える告白なんてしたんだろう。

ユチョンは自分の分もミネラルウォーターを買うと、自販機の横に置いてある椅子を指差し、手振りで座るように促した。

 

 

「話ってこの前のことだろう?」

 

 

「うん」

 

 

「ジュンスはどうしたらいいか分からないんだよね」

 

 

「うん」

 

 

「そのままでいいよ」

 

 

「えっ?」

 

 

「別に何も変わらなくていい。今まで通りで」

 

 

「でも、だったら・・・」

 

 

「何で告白したかって?」

 

 

僕は手のひらでペットボトルを弄びながら、こくんと頷いた。

 

 

「君が好きだからだ」

 

 

二度目の告白は、突然訪れた。

 

 

 

続く・・・