まぶしさに瞬きした。
薄暗い室内から外に出ると、睫毛の先で光が踊った。
太陽のように明るいそれは、暗い路地を煌々と照らしている。
街灯の人工的な灯りを、手のひらをかざして遮ると、夜空を見上げた。
中空に、細い弓形の月が掛かっている。
昼間のうだるような暑さとは裏腹な、冷たい夜気が月を彩り、その柔らかな光を、路地の横に流れる小川の水面に届けていた。
さらさらと流れる水は、さながら子守唄のようだ。
心地好い疲れを感じながら、占い師の住む館を振り返ると、今しがた玄関まで見送ってくれた姿が、もう消えていた。
窓には厚くカーテンが掛かっていて、中を伺い知ることは出来ないが、静まり返ったその館に人の気配はない。
夢を見ていたのかも知れない。
あれだけ的確に言い当てられたら、信じないわけにはいかない。
「信じてみるか・・・」
誰にともなく呟いて、更に輝きを増した月を見上げた。
To be continued.....
この館・・・
行ってみたい(≧▽≦)←隠れ家好き