「ユチョン、声が大きい。誰かに見つかったら」
「見つかったら何だ。何か困ることでもあるのか」
「困ることって・・・ユチョンが・・・僕達は男同士だから・・・」
「来い」
ユチョンは怒ったように僕の腕を掴むと、引き摺るようにして廊下を進み、自分の部屋のドアを開けて僕を押し込んだ。
あの日のようにドアが閉められ、背中で鍵が掛けられる音を聞いた。
ユチョンの部屋には、あの日以来入っていない。
むせかえるようなユチョンの匂いに、僕は息苦しさを覚え胸に手を当てると、その手ごと後ろから抱きすくめられた。
「ジュンス、好きだ」
耳朶を伝わり甘い言葉が流し込まれる。
その甘さは僕の身体に火を点けるには十分過ぎた。
体が震えて、呼吸が早くなる。
「離して」
「嫌だ、離さない。好きだ、ジュンス」
「だめ、ユチョン」
「何故、何故だめなんだ。ジュンスだって俺の事思っているだろう。それとも俺の思い違いか。俺だけがジュンスを思っているのか。俺が嫌か?答えろ、ジュンス」
「いっ、いやじゃない・・・でも・・・ユチョンは・・・」
「でも、何だ。俺はお前が好きなんだぞ」
「だっ、だって、僕なんかを好きになっても、僕はユチョンに何もあげられない。こそこそと隠れて付き合わなければならないし、見つかったらユチョンが後ろ指指されるだけだ。そんなこと耐えられない。ユチョンが僕の為に世間から非難されるなんて嫌だ。僕は生まれた時からユチョンに愛される資格なんか無かったんだ・・・僕が・・・僕が・・・男に生まれから・・・だから・・・」
「もう止めろ」
ユチョンは僕の言葉を制すると、抱き締めていた腕を緩め、肩を掴んでくるりと僕の体を反転させた。
「好きだ」
「だから、だめって・・・」
「好きだ、ジュンス」
「だめ、止めて」
「好きだ」
「だめ・・・だめ・・・だめだよ・・・だめ・・・」
「ジュンス、そんなに泣きながら言うな。だめって言いながら、泣くな。いいか、よく聞くんだ。人を愛するってことは、仕事じゃないんだ。世間に認めて欲しいとか、そんなことで俺は人を愛さない。俺は見返りが欲しいわけじゃないんだ。俺が欲しいのは君だ。君だけだ。ジュンス、好きなんだ。何よりも誰よりも君が好きだ。君の価値は俺が決める。世間じゃない。俺は君の笑顔を守りたい。君が俺の事を諦めようとしていたこの数ヶ月を思い出せ。笑ってたか?幸せだったか?俺が諦めることで君が笑えるならいい。でも、俺は知ってるよ。俺を見ていた君の辛く悲しそうな顔を。無理矢理諦めようとする君の泣きそうな顔を。君が俺を思っているのは分かってる。だから、その気持ちだけを見てくれ。世間ってのは誹謗中傷するものだ。だが俺は恐れない。俺が恐れるのは、ジュンス、君を失うことだけだ。俺の愛は君だけのものだ。その真実だけ見てくれ。俺の愛を疑うな。俺は傷付けない。俺は君を愛するだけだ」
涙が止まらない。
ユチョンを好きになった時から、自分を呪って来た。
僕だからこそユチョンに出会えたのに、ユチョンを愛する資格を持つ性じゃないことに苦しんだ。
世間が認める性じゃないと、ユチョンを諦めなければならないと思っていた。
でも違った。
ユチョンは僕を認めてくれた。
僕でいいと言ってくれた。
嫌悪していた自分自身を、僕はやっと許せた。
ユチョンがその大きな手のひらで、僕の流れる涙をぬぐう。
ユチョンの優しさが僕のすべてを溶かした。
「分かったか、ジュンス。分かったら、黙って俺に愛されろよ」
「ユチョン・・・」
「返事は、ジュンス」
僕は涙で滲むユチョンの顔を見つめて言った。
「はい」
ぼやけた視界の向こうで、ユチョンが穏やかに微笑み、その微笑みは急速に近付いて、僕の唇はユチョンの愛に焼かれた。
To be continued.....
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ひゃっ腐ーヽ(゜▽、゜)ノ
やーっと、ジュンスが素直になったわよー(≧▽≦)
さあ、今からが本番よ( ̄▽+ ̄*)←何の?
しかし、ユチョン・・・
ええ、男やわ(///∇//)←ジュンスのだけど