「ジュンス、来いよー」
「待って。今行く」
騒々しい教室で、誰かかジュンスの名を呼んだ。
机でいつものように作曲を試みていた俺は、その声に顔を上げた。
ドアのところでクラスメートが群れを成し、サッカーボールを掲げている。
ジュンスは元気よく、その群れに飛び込んだ。
「今日は負けないからな」
「残念でした。今日も僕のシュートの前にひざまずいて貰います」
その群れの中で一番背の低いジュンスが、ふふんと鼻を鳴らし胸を反らして言った。
子供っぽい仕草に、俺の目尻が下がった瞬間、ジュンスが何かを感じたように俺の方を見た。
にこっと微笑むと、慌てたように顔を逸らし、でもまたチラッと俺に視線だけ送る。
俺の事を好きだと、全身で告白しているようなそんな仕草に俺の心がときめいた。
ジュンスは俺が好きなんだ。
あの群れの中に居ながらも、ジュンスの心を唯一支配しているのは俺だけ。
優越感に綻ぶ唇を、誤魔化すように口元に手を当てた。
「さあ、行こうぜ」
群れの中の一人が、サッカー仲間特有の気軽さで、ジュンスの肩に腕を回した。
その途端、俺の口元から笑みが消えた。
無意識に椅子から立ち上がり、つかつかと群れに近付きジュンスの前に立った。
「あっ、あの・・・」
「何だ、珍しいな。ユチョンも一緒にやるか?」
口を開きかけたジュンスの言葉を、肩に腕を回したクラスメートが遮るように聞いた。
むっとしてジュンスの手を掴むと、奪い取るように引っ張った。
「来いよ。話がある」
「あっ」
前のめりになるジュンスに構わず、強く手を引きながら教室を出て歩き出すと、その背中にクラスメートの言葉が投げられた。
「何だ喧嘩か?早く仲直りしろよ。じゃあ、ジュンス、今日の勝負はおあずけな」
俺のむかむかする気持ちを嘲笑うかのように、クラスメートはくったくなく笑い、俺達の横を走り抜けた。
「あっ、あの、ユチョン」
「黙ってついて来い」
ユチョンは怒ったように言うと、手を強く握り直した。
びりっと痛みが走るほどの強い力に、僕は何も言えなくなり、ただ黙って後に従う。
何か怒らせるようなことをしただろうか?
昨夜からの記憶を手繰り寄せた。
昨夜。
ユチョンと三回目のキスをした。
それは甘く優しく、僕はユチョンと付き合ってることを実感したけど、ユチョンにとっては何か気に入らないところがあったのかも知れない。
あの時、ユチョンのキスを受け入れるだけで精一杯だった僕は、知らずに怒らせるようなことをしていたのかも知れない。
でも、仕方ないじゃないか。
僕は何も知らないから。
だって、ユチョンが僕の初恋だから。
To be continued.....
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やーん(≧▽≦)
ジュンス、初恋なのねーヽ(゜▽、゜)ノ
ユチョン・・・
それは嫉妬と言うものなんだよ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:←腐腐腐腐腐