「ただいま」
玄関の鍵を開け、ドアを開けたユチョンが、家の中に向かって声を掛けた。
家の中からは何の返事もない。
水を打ったようにしんと静まり返っている。
「居ないみたいだね」
ユチョンが靴の後ろを踵で交互に踏みつけながら靴を脱ぎ、家に上がった。
その後に従うように、玄関の三和土に足を踏み入れると、後ろ手にドアを閉めた。
ユチョンの靴を端に揃えると、腰を屈めて靴紐を緩めた。
「鍵」
突然頭の上から声が降ってくる。
顔を上げると、ユチョンが振り返りもせずに言った。
「鍵、掛けといて」
それだけ言うと、さっさと廊下の奥に消えた。
家の鍵はいつでも閉めるように、マネージャーから口が酸っぱくなるほど言われている。
だからユチョンの言葉に深い意味などない。
それは分かっているのに、ドアノブを握る僕の手は震えた。
鍵を掛けたらユチョンと2人きり。
あらぬ想像を振り払うように、ぶんぶんと頭を左右に振ると、ガチャッと音を立てて鍵を閉めた。
その音とほぼ同時に、ユチョンがリビングのドアをバタンと閉めた音がした。
リビングに入ると脇目もふらず、続きになっているキッチンへ行き、自分が休まず仕事をしていることを主張するようにシーと言うような小さな電子音を鳴らし続ける冷蔵庫の扉を開けた。
男所帯とは思えない冷蔵庫の中身は、ジェジュンが趣味で作る料理の食材で一杯だった。
毎日食べられるわけではないけど、これだけ詰め込んであると言うことは、今夜はジェジュンの手料理が食べられそうだ。
ほくそ笑んで、扉のポケットに綺麗に並べられているミネラルウォーターを引き抜き、それを手にリビングに戻ると、ちょうどジュンスがドアを開けて、リビングに入って来たところだった。
ちらっと見ただけで、ソファーにどっかと腰を下ろし、キャップを外すと、ペットボトルを傾けた。
ごくごくと喉を鳴らし、冷えた水を一気に流し込むと、まるでビールでも飲んだように大きく息を吐き出した。
ジュンスはその音に驚いたように、ドアの前でびくっと震えた。
リビングに入って来たものの、どうしていいか分からないのか、ドアの前に立ち尽くしている。
俺はソファーの真ん中を占領している体を少しずらすと、空いたスペースを軽く叩いて目配せした。
ジュンスはもじもじとして、ドアの前から動かない。
もう一度強くソファーを叩き、顎をしゃくって座るように促すと、やっとドアの前を離れたジュンスが、ソファーの端にちょこんと遠慮がちに腰を下ろした。
すかさず体を滑らせジュンスの肩を抱くと、驚いて何か言いかけたジュンスの唇を塞いだ。
To be continued.....
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やーん(≧▽≦)
ジェジュンの手料理食べたーいヽ(゜▽、゜)ノ←そっち?
さてさて、ジュンスは確信犯ユチョンに食べられてしまうのでしょうか。
天使よ。
表でも、カケるんだぞ( ̄▽+ ̄*)←逃げるなよ