あまつ国で眠る君に
言の葉よ
降り積もれ
祈りのうたは
ゆらゆらと
揺れて心に返り咲く
夢よ戻れ
永遠の憧憬の世界に
ひふみよいむなやここたり
ふるぺ
ゆらゆらと
ふるべ
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
さて、皆様。
タイトルでもうお気付きかと思いますが、
「社長、次の作品のタイトルお願いします」
「ゆるしいろ」に続くコンクール出品作品のタイトルを頼まれましたので、
と、二つ返事で引き受けたのですが、
「安請け合いするんじゃなかったー。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。」
前回の「ゆるしいろ」は依頼されてすぐに決まったのですが、今回は、
めっちゃ、悩みました( ̄ー ̄)←安請け合いするからだよ
mayuちゃまが今回描いたのは、ノイシュヴァンシュタイン城。
ディズニーランドの眠れる森の美女の城のモデルになった城です。
この城を作った人は、ルートヴィヒ2世。
ルートヴィヒ2世は第4代バイエルン国王で、幼い頃から神話や伝説に親しみ、即位後、長年の夢であった中世への憧れを具現化する城の築城を始めました。
ルートヴィヒ2世が築城した城は、ノイシュヴァンシュタイン城だけではなく、他にもヴェルサイユ宮殿を模したヘレンキームネー城などもあります。
また音楽にも造詣が深く、ワグネリアンと呼ばれる熱狂的ワーグナー支持者でもあり、ワーグナーが自身の作品の上演を目的として作ったバイロイト祝祭劇場は、ルートヴィヒ2世の後援で作られました。
この劇場は全館木造のオペラハウスで、今も年一回、ワーグナーの歌劇・楽劇のみを演目とするバイロイト音楽祭が開催されています。
その音楽祭以外には使われることがないため、世界一チケットの取り難い音楽祭として有名です。
さて、話をノイシュヴァンシュタイン城に戻しますが、ルートヴィヒ2世はこの城のグランドデザインを建築家ではなく、宮廷劇場の舞台装置や舞台美術を担当していた画家に依頼します。
それはこの城がルートヴィヒ2世の夢を叶えるためのものだったからです。
重厚な総石造りに見えますが、鉄骨製で、ルートヴィヒ2世の趣味のためだけに作られた城ですので、実用的ではありませんでした。
何とか住めるようになったのは1886年、工事開始から17年の歳月が経っていました。
しかし、多額の建設費用を費やし建てたこの夢の城に、ルートヴィヒ2世が住んだのはわずか102日間でした。
神話に魅了され、破滅的な浪費を繰り返した彼は狂王とも呼ばれ、時の政府に統治不能としてベルグ城に軟禁され、その翌日主治医と共にシュタルンベルク湖で謎の死を遂げました。
ルートヴィヒ2世の死後、ノイシュヴァンシュタイン城は未完成部分を多く残したまますぐに工事が中止され、その直後から観光資源として一般に公開されました。
生前ルートヴィヒ2世は「私が死んだらこの城(ノイシュヴァンシュタイン城)を破壊せよ」と言い残していましたが、その言葉が叶うことはなく、現在まで夢を育む城として世界中の人々に愛されています。
と、ざっと簡単に書いてもこれだけの情報があります。
ノイシュヴァンシュタイン城も、ルートヴィヒ2世も調べるほどに深く、簡単にこれと絞れるものではありません。
また、じゅんじゅんの琴線に一番触れたのは、ルートヴィヒ2世は女性が駄目で、近侍していた美青年を愛し、王として周囲の勧めの通り婚約をしますが、二度も挙式を延期し、結局は婚約を破棄してしまいます。
愛も城も理想を追い求めた人だったのでしょう。
図らずも残されたノイシュヴァンシュタイン城。
ここまで大きなことはなかなか起こりませんが、私達にも自分の思惑とまったく違うことが日常的に起こります。
例えば、mayuちゃまが作る作品の数々も、本人の意図と関係なく、じゅんじゅんによってタイトルを付けられ、コンクールに出品され、そこでたくさんの人の目に触れ、それを見た誰かの心に何かを残して、ノイシュヴァンシュタイン城のように永遠の時を手に入れるかも知れません。
あまつ国で眠るルートヴィヒ2世の夢を揺り起すもの。
そんな意味も込めて、今回のタイトルを付けてみました。
フルノコトとは布留の言と書き、詩の最後にも書いたように「一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部」と言う呪文のようなもので強大なパワーを持つ言葉とされ、その力はまかる返し、つまり死者も蘇らせてしまうと言われています。
城と共に夢の世界で眠りたかったルートヴィヒ2世。
でも、城に込めた想いは、眠ることなく皆の心を駆け回り、新たな夢を生み出しています。
辛いこと、悲しいこと、たくさんの予期せぬ出来事が起こるこの世界で、たったひとつの夢がそんな奇跡を起こしてくれる。
ルートヴィヒ2世が掘り起こしてくれた夢が、どれだけの人の心を豊かにしていることでしょう。
難しいことを書いてきましたが、今回じゅんじゅんがカタカナでこの言葉を書いたのは、漢字が持つ強いイメージではなく、言の葉が降るというイメージを強く推したいからです。
心は言葉で出来ています。
美しいもの、優しいもの、穏やかなもの、そんなものを見ると、口から降る言葉は自然と心を癒すものになると思います。
mayuちゃまの描いたノイシュヴァンシュタイン城を見て、そんな素敵な言葉が皆の心に降り積もればいいな。
そんなことを思って、こんなに大層な言葉を使わせて頂きました。
好きなものや、感じ方は違っても、皆の言葉がフルノコトならば、きっとこの世界は笑顔で溢れることでしょう(^∇^)
じゅんじゅんの願いはひとつ。
皆に笑顔の言の葉を届けること。
では、最後にじゅんじゅんがいつも使う強力な呪文をひとつ。
「笑って(^∇^)」
その笑顔こそ、フルノコト(^∇^)




