「んっ、ユチョン・・・好き・・・」
ぐっすり眠っていた僕は、自分の発した言葉で目覚めた。
俗に言う寝言。
恋をするとその人のことだけになるって言うけれど、夢の中でまで僕はユチョンに甘えていた。
ぼんやりと薄暗い室内で、その夢を思い出し胸がきゅんっと鳴った。
夢で見ずとも、実際に僕の恋人は甘い。
早くその甘さを実感したくて、恋人を求めて視線を彷徨わせた。
部屋の端にぽつんと小さな灯りが灯っている。
極小さく絞った間接照明の灯り。
その小さな灯りを頼りに、部屋を隅々まで見回しても、ユチョンの姿はどこにもなかった。
「ユチョン・・・」
小さく呼んで、ベッドの上に体を起こした。
もう一度部屋を隅々まで見回したが、やはりユチョンの姿はどこにもなかった。
時計を見る。
午前三時。
まだ起きるには早い時間。
ユチョンはいつから居なかったんだろう。
甘いキスをくれた後、
「側に居るから、安心してお休み」
そう言って、僕の頭をずっと撫でてくれた。
僕は安心して、いつの間にか深い眠りに落ちていた。
目が覚めてもユチョンが必ず側に居てくれると思ったから。
「ユチョン・・・どこ・・・」
ベッドをぎしりとしならせて、床に足を下ろし立ち上がった。
間接照明の投げかける淡い灯りを頼りに、部屋のドアに向かいドアノブに手を掛ける。
金属が微かに軋む音がしてドアノブが回り、ドアを内に引いた途端、暗い廊下の生温い空気が僕の足元を撫でた。
ドアノブを握ったまま、そうっと廊下に顔を出して、びくっとした。
暗い廊下に足がある。
それは僕が握っているのドアの横の壁から伸びていた。
「びっ、びっくりした・・・」
どきどきと鳴る胸に手を当て、その足を辿ると、壁に体をもたせ掛けて眠るユチョンが居た。
「ユチョン・・・」
生温い空気に支配された固い床の上に座って、壁に体を預け眠っているユチョンの額はじわりと汗が滲んでいる。
部屋に居るのはつらかったに違いない。
でも僕から離れないと約束した。
そのぎりぎりの境界線が、部屋の前で一晩中僕を見守ることだったんだろう。
ユチョンの姿が涙で滲む。
僕はぐすっと鼻をすすると、手の甲でぐいっと涙を拭い、汗に濡れたユチョンの額にそっと手を当てた。
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ユチョン・・・
切ないね(´_`。)
亀が(≧▽≦)←悪魔
さあ、ジュンス、こんなに優しいユチョン、どうする( ̄▽+ ̄*)