
(1985年・松竹)
監督/山田洋次
脚本/山田洋次、朝間義隆
出演/渥美清、倍賞千恵子、樋口可南子、平田満ほか
長崎の五島列島を旅していた寅次郎は、ひとり暮らしの老婆ハマと知り合い、ハマの家でもてなしを受ける。しかしその夜、ハマは急死する。
葬儀の日、寅次郎の元にハマの孫娘、若菜が挨拶にやってきて…
(おじさんに紛れて)映画館で!
樋口可南子の可愛いこと!平田満の滑稽なこと!
そしてなにより渥美さんのかっこいいこと!!!
前半のテンポがとにかく早い。でも、1シーン1シーンの積み重ねが丁寧で無駄な説明がなくても伝わる。
今回は恋破れ…じゃなくて、恋のアドバイザーになるパターン。
(とは言っても寅さんはものすごく辛い。だから失恋、でもある。実際、失恋なんだけど)
とにかく寅さんのアドバイスは全部的確。
じゃあ普段から自分で実践しろよ!って、
まあ、女性の前でできちゃったら寅さんじゃないんだけど(笑)
そんな寅さんにアドバイスを求めるのが平田満演じる民夫。
この民夫と寅さんの掛け合いはすばらしい。テンポもそうだし、2人のセンスがいい。
あと秀逸なのがさくらと若菜の会話。
若菜「男の人ってそういう顔することあるでしょう」
さくら「そうね、気持ちの中はとっても優しいんだけど、顔に出せないのね。わかるわ、その気持ち」
あと、さくらさんの「女ってね、男の人が思うのとは、全然別な受け取り方をするものよ」は名言。
この台詞を書いてる監督に惚れてまう。
この全く説明していないようでいて、実は物語そのものを説明できてしまっている台詞ってどっから湧いてくるんだろう。
あと物語に、“メリハリ”が凄くあって、飽きない。
それは山田監督の計算だろうけど。
あ、「夢」は姥捨て山の話なので、『楢山節孝』を見てから見るのがオススメ(笑)