富裕層の資産取り崩し
早期退職者(FIRE民)の末路
仕事を辞めて専業主婦になった
このことに誰も違和感はないと思う
そしてその後夫が亡くなる
夫が亡くなっただけで
私自身は何も変わっていない
なのに稀に
「あなたは専業主婦ではない」と言われる
どうしてかな?
好きで居なくなった訳ではないのに
私自身は何も変わっていないのに
私の周りが変わってしまった

まあ、威張って言える程
主婦業をこなしている訳もない
夫に守られ、甘やかされる生活は
私にとっては、存外に心地が良かった
しかし、そんな生活は
たったの2か月しか続かない
私を取り巻く環境は
たった数か月の間に目まぐるしく変化する
変らなかったのは
私の大切な人、そして息子だけ
今日はそんな私を見る視点を
少し変えてみた話

早期退職者の資産生活
経済的な自立を実現させて
仕事を早期にリタイアすることをFIRE
(Financial Independence, Retire Early)
と呼びます
FIREした人は、早期リタイア後
資産所得で生活します
FIREには、以下の種類があるそうです
今後も増え続けそう…
ファットFIRE:
5億円程の資産を持ち豊かな生活を送る
Lean FIRE:
節約しながら支出を抑えてリタイア
Side FIRE:
資産運用で足りない部分は働いて稼ぐ
コーストFIRE:
趣味で仕事をしながら資産運用
バリスタFIRE:
運用益を得つつも、パート・アルバイトとして働きながら収入を得る

今回、私が述べるFIRE生活というのは
「資産所得で生活費を賄っている状態」を指しますので、上記の様々な種類のFIREとは性質が異なる部分もあります
私とFIRE民の共通点は、
会社を早期退職し、資産所得で生活しているという点
異なるのはその動機です
私は、自分で自分を
結果的にFIRE状態にあると認識をしていますが
望んでそうなったわけではありません
夫から金銭を受け取って生活していた頃
NISA枠を埋める程度はやっていましたが
私の金融資産の99%は預金です
まあ、私の場合
市場に投資するより夫に投資した方が効率がよい
というだけだったのかもしれません
ですが、夫が亡くなってすぐ
私は自分の預金を不動産に変えます
自分で収入を得る術を
作らなければならなくなったからです

という訳で、
私の今の状況をFIRE後とした時に
ネットで言われるいくつかのことを
考えてみたいと思う
1、資産取り崩しの4%ルール
4%ルールとは、生活費を投資元本の4%以内に抑えることができれば、資産が目減りすることなく暮らすことが可能だという仮定の話のことです
米国株式市場の成長率7%とインフレ率3%の差(ピケティさんのお話)に基づいており、米国株式を中心に資産運用を行なえば、年間4%程度の利益を見込むことができると言われています
仮に、資産運用により資産が年間4%増えて
生活費をこの4%以内に抑えることができれば
資産は目減りしないということになります
ただしこれは、米国発の考えで
米国と日本ではインフレ率に差があるなど
状況が異なる部分もあります
年間4%の運用益を毎年確保できるとした場合
リタイア時の資産が1億円であれば
運用益は年間400万円です
つまり、資産が1億円ある場合
年間支出を400万円以内に収めることができれば
理論上資産を減らさずに暮らしていけると
いうことになります
ですが、最近のような株価の乱高下は
精神衛生上良くはなく
この状況下では、たとえ定率であっても
資産の取り崩しを行うには
鋼のメンタルが必要だと私は思います
ちなみに私は毎年の取り崩しをしないです
私の日常生活は
不動産所得と私のその他の収入で賄っており
夫分の証券口座もネタで笑う程度に
しか見ないようにしています

2、退屈とつきあう
FIRE後、暇に耐えられずに
また仕事(会社勤め)を始める
という話を耳にします
これは、私にとって
びっくり仰天!!な話です
私は、「暇」と「退屈」を
意識的に使い分けています
退屈は、人間にとって最も恐ろしいもので
暇は、極上の贅沢だと思っているからです
暇だということは
やらなければならないこと から
解放されている状態だと思うのですが
そんなゆとりがある状況だからこそ
好きな事に挑戦できる余力があります
これは、時間的にも、体力的にも
好きなことに割ける余裕があるということで
とてもとても贅沢なことです
一方退屈というのは
なんにも興味関心を持てず
時間を持て余しているさまのように思います
人にとって、退屈と孤独が
最も恐れることだと私は思っているので
この場合、なんらか対処が必要です
多くの場合
バイタリティ溢れる人は
どんな場所に置かれたとしても
新しい発想がどんどん溢れます
人に恵まれ、その才を発揮していくので
どこに身を置くかはあんまり関係ないんですよね
そういう人は、
たとえFIRE後でも、膨大な時間があるからこそ
やりたいことを見つけてやりだすし、
どこにいても楽しそうにしていると思う
どうせじっとしてられない
そうではなく
自分で考えることが苦手なら
きっと会社員が肌に合っているんでしょうね

ちょっと視点が変わりますが
会社員として定年まで働く事を決めている場合も
人生の中で、長めの休息をとるのは
自分を見つめ直すという点で
よきことかなと思います
ちょっと前までだったら
仕事もせずに、数年家に居たら
こいつやばいんじゃないか?と思われていますよね…
いまは、フリーランスや在宅等
パソコン一台でどこでも働ける時代になったので
周囲の目も、優しくなってきているように思います
3、アイデンティティ
早期退職に限らず
会社を退職するということは
あなたが持っている
「職場の肩書」と「職場の人間関係」を失うということ
私は、ある時期迄
それにとんでもない恐怖を持っていました
それは、私だけではないようで
組織に身を置き、肩書きを持つことは
自分がどこのだれだという
分かりやすい存在証明になる
だから、
人は組織に身を置くことに安心感を覚えます
そして、その肩書が無くなってしまうと
心にぽっかり穴が開いたようになります
そう、定年後のお父さん状態です
この感覚、私もしばらく味わうことになるのですが
まー辛かったですね
最初の1年だけですが
周りは頑張っているのに、自分は頑張ってないとか
ものすごい孤独感におそわれるとか
まあ、全部息子が
ふっとばしてくれました
息子スゲー

自己実現できる人は
そもそも組織の肩書にこだわりません
こだわるのは
私がきっと弱いから
市場の中で自分の価値を上げようと
必死だったから
だけど、ある時気づく
市場での戦いの先に幸せはない
市場というどこまでも天井がない世界で
どこまでいっても満足することができず
もっともっとと走り続けるうちに
走り続けることができなくなってしまった

しがみついけば着くほど
失った時の苦しみは大きい
私は、FIREのFI(経済的自立)は
だれもが目指したほうが良いと思う
本収入以外に月10万でも別の収入源があれば
気持ち的にかなり楽に生活できる
そのうえで、会社に依存しない形で仕事を続けるか
他の形での自己実現を目指すか
そんな選択肢があるだけで
心にゆとりが生まれるだろう
FIREの本質は
経済的自立を果たすことで
選択肢を増やし、自分の人生を自分でコントロールできる割合が増えることで
幸福の総量を増やすことだと私は思う
私の場合は
全てを自分で決めなければならない
その責任を負わなければいけない
このことに快楽を覚える変態で
おそらくそれが私の本質
冒頭の話とは全く異なる私だけれど
状況が変わってしまったのだから仕方がない
限りなく続く、限りある時間だから
何ができるか
色々と挑戦するのが
少し楽しみになってくるのです
