万城目 | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

ネタないので、また、書評で、ごまかし。
今回は、コレ(ISBN : 978-4-04-393901-5)。
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ひとは、本を買う時に、どう云う基準で選んでいるのだろう。手に取って、ページをパラパラめくった時にたまたま何かの言葉に眼が奪われたり、解説を眺めていて書かれている内容に興味を惹かれたり、或いは単純にタイトルに惹かれたり、更には、この作者の本は全て読む、と云うような自分に課したルールに従った結果だったり、一冊、一冊、色んな理由があって選ばれているのだろう。

私が『鴨川ホルモー』に惹かれたのは、ひとつは、どうやら私がかつて暮らしたことがある京都が舞台なようなので、作中で描写された世界を具体的に想像し易いだろうな、と思ったのと、作者の『万城目』と云う、一見、変わった名字に見覚えがあった—と云っても私の知っていたひとは『まんじょうめ』で、本作者は『まきめ』と読むので、何等関わりはなかったのだが(笑)—から。更に云えば、ホルモーって何?とタイトルにヤラレた、と云う様に全くの偶然が重なって購入しただけで、正直、内容に関しては、さほど期待して居らず、まぁ、暇つぶしになれば良い、と云う程度の買い物だった。

私は寝付が悪いので睡眠導入の為に寝る前に本を読むのが常なのだが、本作はその目的には最悪。面白過ぎて、眠るどころか、読むが止められなくなり、眼が冴えてしまった。

本作は、万城目学のデビュー作である。軽妙な文章で、テンポ良くストーリーが展開して行く。そもそも『ホルモー』とは何か?どうやら一種の競技のようである。京都の東西南北に位置する京都大学、立命館大学、龍谷大学、京都産業大学の学生のメンバーに依る対抗戦である。と云っても、実際に戦うのは学生ではなく、学生に操られた『鬼』なのだが。ストーリーは、主人公の安倍が、この競技のメンバーに勧誘され、知らない間に鬼との契約を結ばされ、次第にホルモー競技にのめり込んで行く過程を縦糸に、それに絡まる様々な人間関係を横糸に、話が織込まれて行く。

仮にジャンル分けするならば、本作は広義のSFとも云えるし、青春小説と云う様な青臭い呼び方も出来るだろうし、無理を云えばミステリィでも良いかもしれない、と云うような分類が全く当てはまらない、一言で云えば、ハチャメチャな小説である。平凡な云い方であるが、一体、作者の頭の中はどうなっているのか?この発想の源は何なのか?

今後は『この作者の本は全て読む、と云うような自分に課したルールに従っ』て、 万城目 学の作品に注目して行くことになるだろう。

今日のつぶやき:

Fri, Jan 08


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