蚊殺し | Flog

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Frogの研究者の息抜きblog

--- since 01-06-07 ---

用があって、一瞬、labへ行きましたが、基本的に今日ものんびり。


大晦日のnaturenews に出ていました。

デング熱(dengue fever) と云う、 年12,500人も死ぬ恐ろしい病気があります。

ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(や稀にヒトスジシマカ[Aedes albopictus])で媒介されるデングウイルス(dengue virus)による感染症ですが、近い将来、 biopesticide(バイオ農薬)に依って、この媒介する蚊を絶滅させることが出来るかもしれません。

今日(おっと、もう日付が変わって昨日になりました・笑)発売のScienceに原著論文 が出ています。


ボルバキア の一種、Wolbachia pipientisは、本来ショウジョウバエの類に感染するのだが、これをAedes aegyptiに感染出来るように、蚊の細胞と共に培養を続けること3年余り、遂に蚊に感染するバクテリア(ボルバキア)が誕生。謂わば、バクテリアの品種改良ですね。と云っても感染出来た蚊は、たったの2匹の雌ですが(笑)。

このバクテリアに感染した蚊の寿命は凡そ30日で、(研究室内で飼育した場合の)通常の蚊の60日の半分。この蚊由来の子孫は、全てバクテリアに感染しており、寿命はやはり30日。つまり、このバクテリアに感染させることにより蚊の寿命を半分に縮めることが可能になった。

現在、 野外で室内実験室と同様な結果が得られるか、(ケージで囲われた野外実験室で)野外実験を開始したところ。

デングウイルスは、成熟に要する時間を様々に変えられるので、宿主である蚊を、寿命のどの段階で殺せば良いのか、予想するのは難しいが、もし、野外でも、室内実験室同様、寿命が半分になれば、ウィルスが次世代に伝染する可能性は、限りなくゼロに近づくことが期待される。

野外実験が巧く行った暁には、野棲の蚊を同様にバクテリアに感染させることが、多分、3年以内に可能になるだろう、とのこと。

しかし、ボルバキア感染した蚊の寿命が、野外実験では、それ程差がなかったら、そもそも、この計画はオジャンである。また、仮に寿命が巧く半減したとして も、相手はウィルス。テングウィルスがボルバキア感染した蚊の中でも成熟出来るように成熟速度が速まるように進化する可能性もあり、道程は長そう。

デング熱の感染を防ぐ方策として、これ迄も、遺伝子改変した蚊を用いる方法が考案されている。例えば、(抗生物質の)テトラサイクリン要求性の蚊が造られているが、これを野外に放すことで、野棲の蚊との子孫は、テトラサイクリン無しの環境下では死滅し、結果的に蚊の総数を減らすことが可能になる。こちらは、既に野外実験も終え、1年ないし1年半以内に実際に野外へ放す試験が為されるそうで。

まぁ、病気を媒介する蚊が死滅するのは、ヒトにとっては有り難いことではある。かと云って、人間の都合で、自然界から或る種を人工的に絶滅させて良いのかと云う疑問も。でも、きっと、そう簡単には、ことは運ばない可能性も高いんじゃないかなぁ。

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