はじめに
リオンディーズ産駒の初クラシック制覇で幕を閉じた2025年皐月賞ですが、リオンディーズは産駒ごとに全く特徴が異なり、良く言えば牝系の良さを活かす種牡馬、悪く言えば特徴のない種牡馬のイメージがあります。
リオンディーズ産駒の得意な距離のゾーンって結局どこなのか未だによくわからない笑
— バッタ (@drosshopper01) April 21, 2025
そのイメージが正しいのか、調べる過程で面白い表ができたのでシェアします。
各種牡馬の得意条件が一目でわかる優れもの(?)です。
対象は15年産~22年産で、総データ数は芝は15万0984走、ダートは15万8990走とかなりの数を集めたので、産駒が少なかったり、まだ1年しか走っていない種牡馬はともかく、3世代以上の馬がいる種牡馬はかなり信頼できるデータだと思います。
主要種牡馬の得意条件(乖離度順)
※短=1300m以下、マ=1400~1600m、中=1700~2000m、長=2100m以上
各項目の意味について簡単に説明します。
乖離度…芝ダの距離別比率について全体比率と種牡馬ごとの比率の差を平均したもの。これが小さいほど牝系を活かす種牡馬(?)といえる
芝ダ比率…そのままの意味。
距離別比率…全体比率を偏差値50として各種牡馬の出走比率を標準化した。偏差値50よりも高ければその距離をよく走っていることになるし、低ければその距離をあまり走っていないことになる。つまりはその種牡馬の得意・不得意を表している。
雑感
予想どおり、リオンディーズは全体比率にかなり近いです。
高い乖離度の馬は基本的に芝かダートか極端な馬が多く、サウスヴィグラス、ゴールドシップ、シニミニ、ウインブライト、ホッコータルマエなどが並びます。しかし、芝かダートのどちらかしか走れない馬が並ぶ中で、距離適性だけで10%越えをたたき出すビッグアーサー君すごい。。。
乖離度が低い馬は種牡馬だけでは適性が分からないので、出資馬選定の際は牝系をよく見たいですね。逆に乖離度が高い馬はどんな牝馬をつけようと種牡馬の色が出やすいので得意条件が分かりやすいと言えます。もちろん、例外はありますけどね。
牝系の良さを活かす種牡馬の代表例として語られるキズナですが、リーディング上位の種牡馬の中では乖離度が一番低く、イメージ通りといったところ。
キンカメも牝系の良さを活かす代表例としてよく持ち出されましたが、この表を見ると、芝ダの比率は全体比率に近いですが、距離はかなり長距離に偏っていることが分かります。少なくとも私は、キンカメはロードカナロアを出していることや長距離GⅠを勝てなかったことで、中距離までは得意だけど長距離は得意ではないというイメージがありますが、データ的にはむしろ逆のようです。こういうイメージとの差分があるところは面白いですね。
個人的には、ここ最近作成した表の中では一番気に入っています。
芝替わり、ダート替わり、距離短縮、距離延長の馬券の取捨に使うもよし、出資馬の選定のときに欲しいタイプの馬の見極めに使うもよし、自由にご使用ください。
名前順
探しやすいように種牡馬の名前順の表も置いておきます。