はじめに
シルクホースクラブの2022年募集馬の全頭診断です。
期待値評価はS以上、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、Eの10段階です。
評価は、事前に基準を決め、機械的に出しています。(詳しくはこちら)
そのため、自分の評価と齟齬が生じる場合もあります。【総評】に書いてあるコメントが機械的に出した評価も踏まえた私の最終評です。
【繁殖成績】は、2022/7/20時点のものです。-が空受、Xが未出走引退、数字が勝利数です。
管囲横の括弧内の数字は過去に記事にした標準管囲からの差です。
過去の評価の振り返りはこちら
あくまで私個人の評価です。 『私を楽しむ。(それが競馬)』という昔のJRAのキャッチコピーのとおり、皆さんそれぞれの一番があるはずなので、皆さんの一番を大切にしていただければと思います。
評価一覧(31~43)
シ31 レツィーナ 牝 期待値E
シ32 ユキチャン 牡 期待値B+
シ33 アズールムーン 牡 期待値C+
シ34 サンドミエシュ 牝 期待値E
シ35 ヴァイスハイト 牡 期待値B+
シ36 バラダガール 牡 期待値A
シ37 ルナリア 牝 期待値E
シ38 イルーシヴグレイス 牝 期待値D+
シ39 マチカネタマカズラ 牡 期待値C
シ40 アガルタ 牡 期待値D+
シ41 ローズウィスパー 牝 期待値C+
シ42 カーミングエフェクト 牡 期待値E
シ43 デルフィニア 牝 期待値E
これまでのまとめはこちら
個別評価(31~43)
シ31 レツィーナ 期待値E
父リアルスティール 牝 2400万円(4.8万円)
【馬格】予想馬体重414kg 管囲18.5cm(-0.04cm)
【母能力】3勝C 賞金3660万円 ダ中距離
【繁殖成績】第11仔 出産時17歳 3415342X1未
【総評】
母はダート中距離で活躍した4勝馬で準OPで頭打ち。能力は上位。
牝系はとても地味で、このパターンは繁殖成績が競争成績ほどは奮わないケースが多いがこの母は繁殖成績も至って優秀で、ここまでなんと不出走だった8番仔以外はすべて中央1勝以上という素晴らしい繁殖成績。
仔はどちらかというとダートに出る傾向があり、ストームキャットを持つリアルスティールとならダートに出る可能性が高い。そのため、牝馬であることはマイナス。
そして馬格が絶望。過去の兄弟は馬格十分であり、兄弟ほどの活躍は見込めない。
シ32 ユキチャン 期待値B+

父ヘニーヒューズ 牡 4000万円(8万円)
【馬格】予想馬体重512kg 管囲21cm(0.18cm)
【母能力】OP 賞金1億2500万円 芝中距離
【繁殖成績】第7仔 出産時16歳 1021X-1-
【総評】
言わずと知れた白毛牝系。
話題性だけではなく、実力も折り紙付きの牝系で、どちらかというとダートよりの牝系だが、マイルまでなら芝でもやれる血統。
しかし、本馬は父ヘニーヒューズで明らかにダート狙い。
母は関東オークスほか3つの南関牝馬重賞を制したダートクイーン。これ以上ないダート配合。
この世代からダート三冠が整備されており、それが大目標になることは間違いない。
ダート馬に4000万円をどう考えるかだが、日本でのダート血統最高峰に近い配合であり、期待値的にも十分買える馬と見ます。
シ33 アズールムーン 期待値C+

父ブラックタイド 牡 3000万円(6万円)
【馬格】予想馬体重518kg 管囲21cm(0.04cm)
【母能力】1勝C 賞金1680万円 芝短距離
【繁殖成績】第2仔 出産時7歳 未
【総評】
母は芝短距離で2勝した後、降級後の1勝クラスで頭打ちと能力的には微妙。
父ブラックタイドはキタサンブラックの出現で一気に価格をあげてしまったが、キタサンブラック以外はさっぱりで値段だけが吊り上がってしまった買えない種牡馬。
3000万円は高いと見ています。
シ34 サンドミエシュ 期待値E

父リオンディーズ 牝 1500万円(3万円)
【馬格】予想馬体重436kg 管囲20cm(0.95cm)
【母能力】未勝利 賞金120万円 ダマイル
【繁殖成績】第5仔 出産時10歳 00-X未
【総評】
母は未勝利で能力は低く、ここまで仔も3頭出て中央未勝利といいところなし。
安いが、買い要素乏しく見送り。
シ35 ヴァイスハイト 期待値B+

父ブリックスアンドモルタル 牡 3000万円(6万円)
【馬格】予想馬体重482kg 管囲19.9cm(-0.22cm)
【母能力】2勝C 賞金2916万円 ダ短距離
【繁殖成績】第11仔 出産時17歳 3X1523001未
【総評】
母はダート短距離で2勝し、2勝クラスで頭打ちと能力はぼちぼち。
母母ソニンクは、そこからの派生でロジユニヴァース、ディアドラ、ノーザンリバーなど名馬を輩出。本馬はその傍流にあたる。
母の繁殖成績は滑り出しは素晴らしかったが、最近は右肩下がり。このパターンは期待値がどうしても低くなってしまう。父ブリモルは今年出資したい種牡馬なので注目しており、これまでの繁殖成績を考えると安めの値段設定ではあるものの、出産時高齢で右肩下がりの繁殖成績はリスク高めで悩ましい。
シ36 バラダガール 期待値A

父ニューイヤーズデイ 牡 3000万円(6万円)
【馬格】予想馬体重518kg 管囲22cm(1.04cm)
【母能力】1勝C 賞金2230万円 芝長距離
【繁殖成績】第2仔 出産時8歳 X
【総評】
アルゼンチン牝系。母母はアルゼンチンG1を2勝しており、サトノフラッグ、サトノレイナスを出している。
母は芝長距離で2勝した後、降級した1勝クラスで頭打ちと能力はぼちぼち。
父ニューイヤーズデイは競走馬としての知名度は同期入社のブリモルに劣るものの、種牡馬としてすでにマキシマムセキュリティを出しており、実績十分。種付料も安めで価格はそれほど上がっていないので、初年度は買い時だと思っています。
初仔は死産となっており、実質的に第2仔。この血統なら跳ねてもおかしくはなく、3000万円で夢を見れる配合です。
シ37 ルナリア 期待値E

父ニューイヤーズデイ 牝 1400万円(2.8万円)
【馬格】予想馬体重456kg 管囲18.4cm(-1.11cm)
【母能力】未勝利 賞金50万円 ダ中距離
【繁殖成績】第6仔 出産時11歳 0X-XX未
【総評】
母未勝利、繁殖は4頭出て中央未勝利。買えません。
シ38 イルーシヴグレイス 期待値D+

父レイデオロ 牝 3000万円(6万円)
【馬格】予想馬体重442kg 管囲20.2cm(1.01cm)
【母能力】1勝C 賞金1035万円 芝中距離
【繁殖成績】第1仔 出産時7歳
【総評】
母母はフランス1000ギニー勝馬で、本馬は父ディープの6000万円募集と期待されましたが、1勝に留まり期待を裏切ってしまった形。
母の全兄アドマイヤビルゴがリステッド勝と牝系の強さは示しており、母もこの流れに乗りたいところ。
関東で唯一のレイデオロ産であり、人気は集めそうだが、競争能力的な裏付けのない母の初仔ということもあり、不確定要素が多く、からっきしダメでも文句は言えない。
リスク高めかなと思います。
シ39 マチカネタマカズラ 期待値C

父アルアイン 牡 2000万円(4万円)
【馬格】予想馬体重506kg 管囲21cm(0.32cm)
【母能力】1勝C 賞金3854万円 芝マイル
【繁殖成績】第10仔 出産時18歳 200031-321-
【総評】
シルク馴染みの血統。これまで5頭の仔がシルクで募集されています。
母としてはこれまで3勝馬を2頭とそこそこの繁殖成績。基本的には芝中距離以上の適性を持つ産駒が多い。
母はすでに高齢の域で、ここはかなりのマイナスポイント。
アルアインも未知数で不安が大きい。
ただ、値段も2000万円と牡馬の最低価格で、それも含めて考えれば選択肢には入るか。
シ40 アガルタ 期待値D+

父スワーヴリチャード 牡 2800万円(5.6万円)
【馬格】予想馬体重480kg 管囲20.4cm(0.33cm)
【母能力】不出走
【繁殖成績】第9仔 出産時14歳 481-21-20未
【総評】
母母はブロードアピール。伝説の根岸Sなど重賞6勝を挙げた名牝です。産駒もコンスタントに中央で勝利を挙げ、その中からワグネリアンが出ています。金子さん、ウイニングポストでもやってるんですかねぇ・・・
母は未出走で終わりましたが、母としては優秀で、障害2勝を含め8勝をあげたマイネルオフィールを出しました。他にも複数勝利をあげた馬を複数出し、ブロードアピールの活力は本馬にも伝わっています。
本馬は第9仔ですが、母はまだ出産時14歳と許容範囲です。
母未勝利で評価は低くなっていますが、買えないわけじゃないと思います。
2500なら、ちょうどいいんですけど、余計な300万円がくっついてますね。今年はこういう値付け多い気がします。
シ41 ローズウィスパー 期待値C+

父スワーヴリチャード 牝 1800万円(3.6万円)
【馬格】予想馬体重450kg 管囲20cm(0.62cm)
【母能力】2勝C 賞金4105万円 芝中距離
【繁殖成績】第2仔 出産時8歳 1
【総評】
バラ一族のロゼカラーから派生した傍流で、母母が未勝利で終わっており、一族の活力に期待できるかは微妙なところ。
母は芝中距離で3勝し、降級した2勝クラスで頭打ち。
先日、初仔(父キンシャサ)が小倉芝1200で新馬勝ち。小倉2歳Sに向かうそうです。スワーヴリチャードがまだどのような傾向の種牡馬かはわかりませんが、やはり競争成績的にも血統的にも芝の中長距離にでそうで、本馬もこの母との組み合わせなら流石に芝中長距離が主戦場でしょう。
スピード不足が懸念される配合ですが、1800万ならお買い得だと思います。
シ42 カーミングエフェクト 期待値E

父Frankel 牡 5000万円(10万円)
【馬格】予想馬体重542kg 管囲21.9cm(0.38cm)
【母能力】不出走。
【繁殖成績】第1仔 出産時6歳
【総評】
母母Emollientは米国の芝ダG1を4勝した名牝。母はその初仔で不出走でした。
Frankel×WarFrontという欧州と米国のトップサイアー同士の掛け合わせはロマンがあります。
ただ、未出走の母の初仔に5000万円は出せないです。
シ43 デルフィニア 期待値E

父NoNayNever 牝 4000万円(8万円)
【馬格】予想馬体重460kg 管囲20.3cm(0.69cm)
【母能力】欧州2勝。重賞3着内5回。英フィリーズメアズS2着。
【繁殖成績】第1仔 出産時5歳
【総評】
NNN産駒といえばユニコーンライオン。
しかし、基本的に産駒は芝短距離に向いた産駒が出ているようで、ユニコーンライオンは例外のようです。種付け料は約1500万円と高額です。代表産駒は欧州芝短距離~マイルでG1を4勝したAlcohol Free。
母は英フィリーズメアズSで2着と能力的な裏付けはあります。
カーミングエフェクトの21よりは買えるかなという印象ですが、、、
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