はじめに
シルクホースクラブの2022年追加募集馬の全頭診断をやっていきます。
期待値評価はS、A+、A、B+、B、C+、C、D+、D、Eの10段階です。
評価は、事前に基準を決め、機械的に出しています。
そのため、自分の評価と齟齬が生じる場合もあり、その場合は【総評】に記載します。
管囲横の括弧内の数字は過去に記事にした標準管囲からの差です。
あくまで私個人の評価で、データ分析がメインです。
馬体も見ていますが、私は馬体を見ても走るかどうかはわからないので評価には反映させていません。
『私を楽しむ。(それが競馬)』という昔のJRAのキャッチコピーのとおり、皆さんそれぞれの一番があるはずなので、皆さんの一番を大切にしていただければと思います。
評価一覧(シルク75~84)
シルク75 オーサムフェザーの20 牡 期待値D+
シルク76 ファイナルディシジョンの20 牝 期待値D+
シルク77 レーヌドブリエの20 牡 期待値B+
シルク78 ルミナスハッピーの20 牡 期待値E
シルク79 カールファターレの20 牡 期待値D+
シルク80 バシマーの20 牡 期待値E
シルク81 サルスエラの20 牡 期待値C
シルク82 ジョウノカーラの20 牡 期待値B
シルク83 ミスセレンディピティの20 牡 期待値D
シルク84 キューティゴールドの20 牝 期待値E
個別評価(シルク75~84)
シルク75 オーサムフェザーの20 期待値D+
牡 父ハーツクライ
予想馬体重470kg 管囲20cm(+0.16)
5000万円(一口10万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】母はBCジュベナイルフィリーズ勝馬で、米国牝馬2歳チャンピオン。能力は最上級。
【父】常に一流馬を輩出し続ける日本トップクラスの種牡馬。当然高額になる傾向はあるが、ディープインパクト産が際限なく価格が上昇していったお陰か、ハーツクライ産はつねに適正価格を保っており、期待値的にも買える種牡馬。
【血統・牝系】母母、三代母までブラックタイプで一族にブラックタイプ多数。活力の高い牝系。
【繁殖成績】スーパーフェザー(4勝、重賞3着2回)を出し、悪くない繁殖成績だが、とびぬけた馬は出ておらず、期待されていたほどの繁殖成績とは言えず。
【育成進行度】早い。近いうちに移動しそう。
【総評】コメントがあまり前向きなコメントではないせいかそれほど人気にはなっていないようですが、これまでの母産駒の価格を考えると、ハーツクライ牡馬で5000万円はかなりお買い得感があります。育成もかなり進行しており、近いうちに移動してくれそうなのもプラス。ボーンシスト手術はかなり心配だが、D+評価になっていますが、もう少し高くてもいいと思っています。
シルク76 ファイナルディシジョンの20 期待値D+
牝 父ロードカナロア
予想馬体重480kg 管囲20.5cm(+0.43)
4800万円(一口9.6万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】母は米国未勝利馬で、競争能力は疑問。
【父】3年目までの産駒が大活躍で価格が一気に上昇したが、その後の産駒は優秀であるもののとびぬけた成績は残せず、価格に成績がついてきていない状況。
【血統・牝系】近親に北米G1を3勝馬がおり、3代母まで遡るとブラックタイプが多数。かなり活力のある牝系。
【繁殖成績】第3仔。初仔のイントゥミスチーフ産がダート短距離で2勝。第2仔は未勝利。初仔2勝は悪くない。
【育成進行度】育成進行度は早いように見えないが、早期移動を目指すとのこと。
【総評】まだ実力がよくわからない米国未勝利の母の牝馬で4800万円は高すぎる感。ロードカナロア産駒の悪いところが出ている。
シルク77 レーヌドブリエの20 期待値B+
予想馬体重508kg 管囲21.5cm(+0.77)
6000万円(一口12万円)
【馬格】馬格ベストで管囲も十分。
【母能力】母は芝中距離で2勝クラスを勝ちあがり、準オープンでも2着に入るなど実力は十分。
【父】推しも推されぬ日本のトップ種牡馬。価格は上昇し、うまみはなくなったが、買えない種牡馬ではない。
【血統・牝系】母母はメジロドーベル。メジロの名牝血統で、一族にはブラックタイプずらり。活力は文句なし。
【繁殖成績】第2仔。初仔のモーリス産は未勝利大敗続きで勝ち上がりは難しそう。
【育成進行度】早め。早期移動が見込めるとのこと
【総評】文句なしトップ評価。馬格よし、母能力よし、種牡馬よし、シーザリオ牝系×メジロ牝系という血統文句なし、育成進行度よしとほぼ全方向よし。唯一初仔の大敗続きだけが心配だが、初仔なのでやむを得ず。欲しいです。
シルク78 ルミナスハッピーの20 期待値E
牡 父ハービンジャー
予想馬体重438kg 管囲19.2cm(+0.1)
3000万円(一口6万円)
【馬格】馬格はかなり小さい。
【母能力】不出走。
【父】ブラストワンピースが活躍したころに種付けされた馬が出てきて、再評価の流れは来ているものの、昨年、一昨年の不振が大きすぎて、まだ価格に見合った種牡馬とはいえない。
【血統・牝系】母母は米国重賞勝馬でその仔もコンスタントに活躍。そこそこ。
【繁殖成績】第3仔で重賞勝馬を出すも、そのほかは1勝が限界で、近年は中央0勝馬が続く。高い評価はできない。
【育成進行度】標準。夏頃移動予定。
【総評】馬格が小さすぎる。父、母の繁殖成績も強調出来ず、3000万円は割高感あります。育成が順調なのはいいんですが。
シルク79 カールファターレの20 期待値D+
牡 父ダンカーク
予想馬体重508kg 管囲20.5cm(-0.23)
2400万円(一口4.8万円)
【馬格】ベストの馬格、管囲も標準。
【母能力】母は芝中距離で1勝も、1勝クラスで頭打ち。微妙。
【父】ベルモントS2着以外に特に実績はない。父はアンブライドルズソングで母父として多くの活躍馬を出しているところ、日本の馬場適性の高さが期待されて導入されたと推測される。ここまでで目立った活躍馬はおらず、オープン勝が最高。買いたい種牡馬ではない。
【血統・牝系】日本の誇る名牝系、ダイナカール牝系。母母からの派生でも重賞馬が出ており、活力は失われていない。
【繁殖成績】とびぬけた成績を残す馬はいないものの複数勝利の馬を3頭輩出している優秀な母。全兄も4勝しており、それだけ走れば十分回収できる額。
【育成進行度】やや遅め。コメントで言及はないが晩秋デビュー目標か。
【総評】母の繁殖成績は優秀で、牡馬2400万というのは、やはり種牡馬人気のなさが原因か。しかし、母との組み合わせで4勝馬を輩出しているだけに、相性の良さは実証済みで、価格を考えると悪くない。
シルク80 バシマーの20 期待値E
牡 父サトノアラジン
予想馬体重484kg 管囲20cm(-0.17)
2200万円(一口4.4万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】母は輸入馬だが、中央未勝利では惨敗続き、地方でもわずか1勝と能力は低い。
【父】現状、芝よりもダートで成績を残している。決して褒められた成績ではないが、そこまで悲惨な成績でもないという微妙な立ち位置。キズナもそうなのですが、ディープ×ストームキャットは種牡馬になるとダートも走りますね。リアルスティールもそうなるのでしょうか。
【血統・牝系】母母からリステッド勝馬がでているぐらいで特に目立たない。
【繁殖成績】若いころは複数勝ちを連発し、かなり優秀。最近は0勝馬も増えてきて年齢による衰えを感じる。
【育成進行度】遅め。年内デビュー目標か。
【総評】ぱっとしない母にぱっとしない父で2200万円と、安かろう悪かろうの馬。育成進行度も目立たず、ボーンシスト手術ありと食指は動かない。馬体はセール馬だけに見映えするので、馬体派の人がどう評価するのか気になります。
シルク81 サルスエラの20 期待値C
牡 父エピファネイア
予想馬体重462kg 管囲20.5cm(+0.85)
6000万円(一口12万円)
【馬格】やや小さめの馬格。
【母能力】未出走。
【父】推しも推されぬ日本のトップ種牡馬。価格は上昇し、うまみはなくなったが、買えない種牡馬ではない。
【血統・牝系】母母からの派生で6頭の重賞馬、3頭のG1馬(シュヴァルグラン、ヴィブロス、ヴィルシーナ)が出ており、活力は極めて高い。
【繁殖成績】複数勝ち馬を連発するクズが出にくい母。大物はいないが、こういうコンスタントに活躍する産駒を出す母は信頼度が高く期待値も高い。
【育成進行度】やや早め。コメントで言及ないが移動はそう遠くないと思われる。
【総評】馬格がやや不満も、シーザリオ牝系×ハルーワソング牝系、優秀な繁殖成績を持つ母、育成進行度も早めとほぼ欠点なし。価格が、期待値の低くなりがちな6000万円以上に属するものの、これだけ変える材料が揃えば6000万円は高いとは思わない。
シルク82 ジョウノカーラの20 期待値B
牡 父キズナ
予想馬体重510kg 管囲21.5cm(+0.73)
3000万円(一口6万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】中央未勝利。能力は低い。
【父】高い勝上率を誇る優秀な父。目立った大物が出ていないので価格もそこまで高騰していない買いたい種牡馬の一頭。
【血統・牝系】3代母まで遡るとブラックタイプズラリだが、母母からは全く活躍馬が出ておらず、母母で血の勢いは切断されてしまっている感がある。
【繁殖成績】第5仔。産駒はいまだに中央未勝利。
【育成進行度】早め。6月移動予定。
【総評】母系があまりにも悪く、大きなネックになっている。しかし、父キズナは魅力で、馬格十分、育成も早めの進行と、馬自体はかなりよさそう。価格も牡馬で3000万円と抑え気味。母系の悪さには目をつぶれるか。
シルク83 ミスセレンディピティの20 期待値D
牡 父ドゥラメンテ
予想馬体重468kg 管囲19.5cm(-0.29)
5000万円(一口10万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲も安心。
【母能力】アルゼンチンG1勝馬。アルゼンチンの競馬レベルは高いとはいえず額面通りには受け取れないが、アルゼンチン牝系の活躍馬は増えており、ばかにはできない。
【父】頭数が多いので勝ち数は増えているが、勝上率は高いとはいえず、大物の数も不満。3歳馬の活躍は目立つが、まだ価格には見合っていない感。
【血統・牝系】母母、三代母から多数のアルゼンチン重賞勝馬。活力は高そう。
【繁殖成績】第5仔。ここまで0,2,0,1とぼちぼちの繁殖成績。
【育成進行度】やや早め。早期移動目標。
【総評】条件は悪くはないが、ぼちぼちの繁殖成績の母にそこそこの繁殖成績の父で5000万円は高すぎます。ボーンシスト手術もマイナス。
シルク84 キューティゴールドの20 期待値E
牝 父ブラックタイド
予想馬体重493kg 管囲20cm(-0.38)
3500万円(一口7万円)
【馬格】ベストに近い馬格、管囲もそこそこ。
【母能力】未勝利。競争能力は低い。
【父】キタサンブラックの活躍により価格が上昇するも、全く成績に見合った価格とはいえず、期待値の低い種牡馬。
【血統・牝系】母母が日本を代表する繁殖牝馬ゴールドサッシュ。大量のブラックタイプ。最高レベルの活力。
【繁殖成績】名牝ショウナンパンドラを出し、他の馬もコンスタントに活躍と非常に優秀な繁殖成績。
【育成進行度】遅い。年内デビューは厳しいか?
【総評】3500万円は一目安いが、父ブラックタイドの低調ぶり、本馬の育成の遅さから現状人気になっておらず。牝系活力を信じるなら買えるが。。。
総評
レーヌドブリエが圧倒的によく見えますが、実績がどう考えても足りません。
他の馬で実績を稼ぐならジョウノカーラ、サルスエラですが、サルスエラはおそらく実績が足りず、ジョウノカーラだけに大口つっこむのも微妙なので、D+評価から何頭か見繕って出資予定。
正直、レーヌドブリエ以外はあまりぱっとしないなというのが正直な印象ですね。それでも買わねばならないのが本募集で敗れた者のつらいところ…
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