天クロ15 サロンとしてのソーシャルゲーム(前) | カラダとこころと自由のおはなし

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こんにちは、「♨さる、」です。「おふろさる」と読んでください。
ニッチな話が大半です。心身にまつわる独り言を、なるべく独りよがりにならないよう綴ってます。
ふつうに生きるしあわせのために。僕と似ているだれかのために。きょうを忘れた明日の自分のために。

Σ(猿) 熟考してたらもうひと月も経っちゃったよ!
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ネット空間には実にさまざまな人が集まっている。そしてソーシャルゲームでは同じゲームを遊ぶという共通項をもち、自然にコミュニケーションを取りあう。
ゲームという媒体がある意味プロキシとなり、リアルタイムで時間を共有し、またメールやSkype、LINEのように固有のIDを教え合う必要がないため、構えることなく人間関係が形づくられる。

Amebaのゲームの優位性は、ピグという優れたアバターにある。それまで名前とアイコンだけの単純だったプレイヤー個人の周辺情報が、ピグのビジュアルや背景絵(GREEやモバゲーにもあるが、アイテムのバリエーションや立体的なアクションなど幅の広さは2社を遥かに上回る)、多彩な記入項目など実に豊富になった。ゲーム全体や県などのサークルも作れるし、ここのようにブログともリンクする。個人のイメージを形づくる情報がたくさん提供されるため相手に親しみを持ちやすく、一度仲良くなったら離れがたい。

Amebaのゲームがイヤになる理由は山とある。特に天クロは稚拙なミスによる不具合、お粗末な補填、表記ミスの黙殺、度重なる歴史認識の無分別、チート放置の疑い(ジャンヌ3進5枚の人とか)、行き当たりばったりのバランスによる隊士の攻防値&スキル増減幅のインフレ、ゲーム内数値操作の疑い……。それでも未だに離れないのは仲良くなった人が沢山いるからだ。



この画像はおれのGREEでのアバター。まあ大体ピグとおんなじだ。
おれはGREEの「探検ドリランド」だけプレイしていて、今でも細々とIN、たま~にイベントを無課金の範囲だけ遊んでいる。ゲームとして天クロよりはるかに単純なドリランドはゲーム開始から3年が経ち能力値インフレも著しい。ゲームとしての楽しみはもう感じていない……というより最初からさほど面白くなかった。ソーシャルゲームが勃興し、株式市場でもてはやされ始めていた時期、ゲーマーでもあったおれは「ソシャゲとは何ぞや?」を理解するため始めてみたのだった。

たけさん

このドリランドにたけさんという人がいた。とってもいい人だった。一日に一言二言だけど、それが1年も積み重なればお互い結構な事を知りあうようになる。たけさんはゲーム開始当時28歳、静岡在住の方だった。
そのたけさんが今年の初めごろ、突如おれに強いカードを一方的にトレードに送ってきた。理由の説明は一切ない。「ありがとう」の言葉のみだ。名前の欄にドリランド引退します、とあったが、実際はGREEのゲームすべてから引退したようだった。個人のページには「残念です」「どうしてですか?」の声が多数寄せられていた。

おれには引退の理由になんとなく察しがついていた。その半年ほど前から、ドリランドのシステムが改変されてゲームとしての合理化が進められた。画面をタップしなくてはならない回数が減り、SNS機能がワンタップ余計に必要な場所に移され、画面がスッキリした。そしてそれはIN時間とコミュニケーション両方の減少を招いた。お互いINが毎日ではなくなり、言葉を交わす回数が減っていった。
たけさんは新婚だったし、新居に引っ越した直後でもあった。製造業の仕事も忙しくなり、どうやら子どもが産まれた様子もあった。リアルの充実と多忙、そして30歳になったのを機に、思い切って惰性のGREEを整理したのだろう。
多分たけさんの側も別れがたかったのだと思う。懇切丁寧なたけさんがリアル知り合いも3人以上いたGREEの仲間に訳も話さず辞めることは考えられない。おれはたけさんが後ろ髪を引かれないよう、強いカードのお礼と今までの感謝をカキコし、笑ってさよならをした。でも、たけさんのいないドリランドは今でも少しさみしい。

つづく