以下ネタバレ含みますので、未読の方はお気を付けください!




『詩人』


若い頃憧れていたスペインの詩人を訪ねる機会を得た「私」。

モーム先生もスペインファンでスペインの旅行記を出しているくらいですから、ある程度自身の体験も入っているのでしょうか?

それにしても思い出として語られる詩人の武勇伝が華麗過ぎ。

スペイン王女が彼との情事が終わったあと修道院に入ったとか、若い頃の美貌だけを覚えておいてほしいから35歳から写真は撮らせてないとか、浪漫という響きが似合うザ・スペインな伊達男。

最初は、思い出は美しいままそっとしておいた方がいい、それに「初対面の外国人と会うのは不愉快に決まっていると思って」気が進まない様子ですが、詩人の家に着き、そのイメージ通りの華麗な退廃ぶりに打たれて盛り上がり、ドキドキする「私」。

読んでいる方も若い頃憧れた人を思い出し、一緒にワクワクする場面だと思います。

私もダウンタウンの浜ちゃんに会えるなんてことになったら、緊張と嬉しさでとんでもないことになるだろうなあ。

そして現れる詩人。

これがまさに年老いた詩人はこうなっているであろうという想像通りの渋かっこいい風貌、態度。

もう「私」の興奮度100パーセントMAX。

はりきってスペイン語で挨拶すると、相手が笑って、私はただの商人です。詩人の家は隣ですよ。

え?

で、最後の一文。

「家を間違えたのだった。」



うそーーーん!

コント?コントなの?と言いたくなるようなきれいなオチ。

モーム先生おもしろい!私はやっぱりあなたについて行きます!