以下ネタバレ含みますので、未読の方はお気を付けください!
『物知り博士』
冒頭から、マックス・ケラーダという名前で嫌な男だと決めてかかるという、「私」の島国根性が炸裂。
ケラーダというのは当時どの辺に多い名前だったんでしょうか?
おそらくイギリス本土ではなく、植民地出身ということだと思いますが、
「旅券を丁寧に調べれば、ケラーダ氏がイギリスで通常見られるよりも青い空の下で生まれたという事実が露見したと思う。」
という、このもってまわった嫌味ったらしい書き方がいいですね〜。
「私」に対してなんじゃこいつは?と反感を覚えるのと同時になんか笑える。
この作品自体も全体にユーモラスでちょっと皮肉で、かつ温かみがあって完成度高いですね。
偏見バリバリの「私」が最後はケラーダ氏に尊敬に近い気持ちを抱いたり、ウザい人物だと馬鹿にされていたケラーダ氏が渋い漢気を見せたり。
人間が内包する矛盾した感情、資質。
モーム先生の作品によく出てくるテーマですが、たしかに現実でも
「えっこの人がこんなことするの?」とか
「こんなこと考えてたん?引くわー」とか
よくありますよね。
それで感動したりがっかりしたり、まあその時々でいろいろありますが、一貫して人間っておもしろいなあと感じられるのは私の場合、モーム先生の影響が大きいです。
モーム先生ありがとう!