小説「ハイスクール・ボブ」 16-13 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

散髪や襟足に関する小説などなんとなく書いています。

ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~

 

16 夏仕様
(13)

 
 理奈のカットのすべての過程が終了した。
 正面の鏡には、前髪のラインが眉毛より上の高さで、右眉毛の端から左眉毛の端までの幅でパツンとした一直線に厚めで切り揃えられている姿が映っている。
 天草は、ワゴンに置いているA3サイズの鏡を持って、理奈の後ろに立った。
天草「後ろはこんな感じね。」
 天草は、正面の鏡に理奈のバックが映るようにA3の鏡を横向きに持ち、鏡の角度を調整した。
 理奈が正面の鏡を見ると、A3の鏡越しに正面の鏡に理奈の後ろ姿が映っている。
 襟足は3ミリの長さで綺麗に刈り上げられ、逆台形のラインに仕上がっている。襟足の首に近い生え際は3ミリよりさらに短くなり、フェードな感じになっている。
 生え際の外側は産毛が綺麗に処理され、肌が少し青白くなっている。
 サイドの髪は、耳穴が見える高さで、耳後ろまでまっすぐ水平に切り揃えられている。夏仕様ということで、前回よりも気持ち短めに仕上がっている。
天草「大丈夫でしょうか?」
理奈「は、はい、大丈夫です。」
 理奈は、カット椅子から立ち上がった。
 カットを終えた理奈は、カウンターに向かった。

 理奈がカウンターに向かう途中、理奈が座っていたカット席のすぐ左隣の席の鏡の前には、黒いコードレスのバリカンが充電器の上に立てられて充電中の状態で置かれているのが見えた。
 そのバリカンの横と充電器には、尼曽根学園・・・と書かれたテプラが貼りつけられているのがチラッと見えた。
 理奈は、少し気になったが、そのままカウンターに向かった。
 カウンターでは、天草が対応している。
 天草は、カウンターの内側にあるノートパソコンを操作している。
 理奈は、生徒証を取出して、カードリーダーに通した。
「ピッ」
 理奈は生徒証をカードリーダーに通すと、カードリーダーが反応する。
天草「はい、お疲れ様でした。」
 天草は、レシートを理奈に渡した。
 理奈は、天草からカウンター越しにレシートを受け取った。
理奈「ありがとうございました。」
 理奈は、レシートを財布の中に入れた。
 そして、理奈は、カウンターを離れて出口に向かった。
天草「ありがとうございました。」
 理奈は、美容室を出て、食堂棟2階の廊下を少し歩き、階段を下りて食堂棟を出た。そして寮棟へ帰るため、寮棟の方へ向かっている。
 外に出ると、カットを終えたばかりの頭に外の風があたる。
 カットしたばかりのサイドや襟足がスースーとする感触がある。
 特に今回は、襟足を前回よりも短い3ミリの長さで刈り上げられているため、襟足が特にスースーとする感触が気持ちよかった。
 理奈は、3ミリで刈り上げられた襟足を手で撫でて感触を確かめている。
 前回、前々回の6ミリでの刈り上げと違って、よりザリザリ、チクチクとした感触が指に伝わる。
 理奈は、刈り上げの感触が気になり、何度も襟足の刈り上げを撫でながら寮棟へ戻って行った。

 

つづく