小説「ハイスクール・ボブ」 16-2 | なんとなく断髪・襟足好きのためのようなブログ

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ハイスクール・ボブ
~ある全寮制高校のカット事情~
 

16 夏仕様
(2)
6月5日、月曜日
夕方の寮室
 寮室内には、有紀と倫と理奈がいる。
 3人とも机に向かって宿題をしている。
理奈「今日は、京帰って来るの遅いね。」
有紀「そうね、何か予定があったのかしらね。」
倫「そういえば、カットの予約してたって言ってたわね。」
理奈「そうなんだ。」

 6月5日の月曜日から6月11日の日曜日までの7日間は1年生のカット指定日だ。
 京の勉強机の上には卓上カレンダーが置かれている。
 6月5日の所に「5時 カット」と書かれている。
 5時30分を過ぎたころ、京が帰って来た。
京「ただいまー」
 寮室を入ったすぐのところに制服姿の京が立っている。
 理奈たち3人は京のところに近づいた。
京「帰りに学園美容室へカットに行って来たわ。スッキリした。」
 元々、スクールボブより短いスタイルから伸ばし中の状態で入学した京だった。
 なので、4月の一斉カットでは、上の方の髪の長さがまだ足りなかったため、ショートカットに近いスクールボブのスタイルだった。
 前回5月のカットでも、上の方の髪の長さがまだ足りなかったので、サイドやバックの上の髪は毛先を切り揃えただけなのだった。
 その甲斐あって、上の髪のボリュームが増えて、よりスクールボブに近づいていた。
 今回のカットで上の髪はようやくボブにできるまで伸びていた。
 襟足は、3ミリのバリカンでしっかりと綺麗に刈り上げられている。
 襟足が短くなっている分、上の髪のボリュームが増えて、上の髪と襟足のコントラストがはっきりしている。
 今回のカットでスクールボブがほぼ出来上がった感じだ。
理奈「京、かわいい。」
京「サイドの髪が長くなったので、これできちんとしたスクールボブにできるって美容師の人に言われたわ。」
理奈「そうね。もう私たちと同じスクールボブになってるよ。」
京「よかった。ようやくみんなと同じスタイルになって安心したわ。」
京「後ろは前回の時より短くなってるよ。」
 京は、後ろに振り返り、有紀、倫、理奈に襟足を見せた。
理奈「本当だ。前よりも短いね。」
 襟足は、今回からは夏仕様ということで3ミリのバリカンで綺麗に刈り上げられている。
 京「美容師の人が、6月から9月までは夏仕様だから、刈り上げはこの短さになるんだって言ってたわ。」
 京は、刈り上げられた襟足を手で撫でながら理奈たちに言った。
理奈「3ミリだとこんな感じになるんだ。」
倫「地肌が透けているわね。」
有紀「ねえ、触ってもいい?」
京「いいわよ。」
 有紀は、京の襟足の刈り上げたところを手のひらで撫でて感触を確かめている。
有紀「なんだか、ジョリジョリする。でも、この感触気持ちいいわね。」
倫「私も触らせて。」
京「いいよ。」
倫「うわーっ、本当、ジョリジョリする。」
理奈「じゃ、私も触っていいかな。」
京「いいよ。」
 理奈は、恐る恐る京の襟足の刈り上げたところを手のひらで撫でて感触を確かめている。
 刈り上げられた部分に触れると、手のひら側の指先にプツプツとした感触が伝わる。
 そして、下から上に撫でるように手のひらを動かすとジョリジョリとした感触が伝わる。
理奈「ジョリジョリして気持ちいいね。」
京「みんなに襟足を撫でられて、なんだか恥ずかしいわ。」
有紀「でも、ホントこの感触気持ちいいわね。」
 有紀は、何度も京の襟足を手のひらで撫でている。
京「んもう、有紀、くすぐったいわ。」
有紀「あっ、ごめんごめん。」
 有紀は、あわてて手を京の襟足から離した。
京「有紀だって、日曜日までには私と同じようになるんだから。」
有紀「そうよね。でも、自分がそうなるのはなんか、あまりしたくないのよね。」
京「しょうがないよ。校則なんだから。」
有紀「そうね。それにここの生徒はみんなそうしないといけないんだからガマンしないとね。」
 京の刈り上げられた襟足は地肌が青白く透けて見えている。
 襟足のおくれ毛は綺麗に処理されていて、生え際が青白くなっていて、ポツポツと毛穴だけが残っている。
 前髪は眉の端から端の幅で、眉の少し上でパツンと真っすぐに切り揃えられている。
 よく見ると、夏仕様なのか、これからの時期、髪が伸びるのが早くなるからなのか、サイドや前髪のラインが気持ち前回より短めになっている。
京「これで大丈夫だわ。」
有紀「そうね。サッパリして、夏仕様って感じね。」
京「これからの時期、このスタイルだと首筋が涼しくていいわよ。」
理奈「そうなんだ。中学の時はロングだったから、夏の暑い時は後ろで束ねてても首の付け根ところに汗が溜まって気持ち悪かったわ。」
理奈「ショートでそれも刈り上げで夏を過ごすのは初めてだけど、涼しく感じられるのだったらこのスタイルもいいかもね。」
京「私は、中学の時からショートだったから、夏は襟足刈り上げに限るね。」
理奈「そうなんだ。」
 

つづく