- 技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由/妹尾 堅一郎
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会社のある部長さんが推薦していたので、先日のSONYの話とリンクさせて読んでみました。とっても参考になりました。
要は日本が90年代破竹の勢いで世界市場を席捲していた時に、欧米諸国はただ辛酸を嘗めていた訳ではなく、その次のビジネスの仕組みを着実に整えていた。日本はそこに胡坐をかいて座っていたことで、すっかり儲ける仕組みが変わってしまった現在でも、過去の成功体験にすがりついて、「今が踏ん張り時」と消耗戦を演じている・・・。
確かに、データを見ても身の回りを見ても明らか。過去電子機器は日本のシェア8割以上あったはずなのに、今は10%前後をうろうろ。自分の周りを見回しても、日本製品の割合が明らかに減っている。
iPhoneにACERのモバイルPC、特に感じるのがそれらの性能が格段に高まっていること。iPhoneは言うまでも無く、ACERのPCも日本製品以上に軽くて電池の持ちも良いし・・・。
じゃあ何故欧米企業が躍進したのか?どんな仕組みを作ったのか?
その答えは「急所技術を抑え」て作った「インテル・インサイド」と「アップル・アウトサイド」型ビジネスの構築。
ご存知インテルは、パソコンの頭脳とも言うべきCPUを作っている会社で、今やほとんどのPCがIntelのチップを使ってます。CMでおなじみですね。
インテルが行ったのが、”急所技術”として中心となる演算装置と、その外部とをつなぐ通信装置(PCIバス)を徹底的に開発した。そしてPCIバスの内部の演算装置はブラックボックスとして内側に抱え込み、その外側は国際標準で規格化して完全に公開した。
公開された技術は台湾のメーカーによって安価で大量に生産され、世の中のパソコンはその規格と、安い台湾製品を使わざるを得なくなり、その規格に合ったCPUはインテルしか作れないのでIntelが市場を独占できる、という構図。
ここで重要なのが、急所技術以外は標準化、オープン化して他社の参入を促し、投資リスクを抑えつつ市場の拡大を狙えること。新規技術は「死の谷」といって、普及して市場が確立するまで時間もお金もかかる=ディフュージョンの過程。ここを他社と分業しているのだ。
アップルもしかり。MACにしてもiPhoneやiPodにしても、iOSというOSを公開することで、アップルはiTunesからの莫大なソフト収益を得ることができている。
大体こんなとこで、後は後は知財の仕組みが結構なボリュームがありましたが、難しめなので軽く読み進めました。
日本の企業はこの辺の仕組みづくりが苦手なように見えます。先日のSONYの話もしかり。結局音楽配信も全部自前でやろうとして失敗して、今や世界的な標準化の流れに飲み込まれています。
国もオープンイノベーションとか、産学官連携とか言っているけど、かなりの割合で彼らのビジネスを加速させるのに税金を費やしている部分もありそうです。日本はデファクトを取るのが弱いですね。
そういう意味で今強く頑張らないとならないのは電気自動車ですね。従来の自動車は数万点の部品のすり合わせ技術でしたので、細かなチューニングとか繊細な仕事に強い日本メーカーに利があったかもしれませんが、電気自動車はその数十分の一の部品点数でできてしまうので、どんな会社でも簡単にできてしまう。
これこそ、世界的に見て一歩進んでいる日本がいち早くデファクトを抑えなければならない分野だと思います。簡単に作れるからには、心臓部を抑えるしかないですね。スマートグリッドを見据えたバッテリーとの通信規格とか、モーターの制御技術とか。新規参入の技術レベルとかを見ていると、安全規格もしっかり作らないと。引いては安全なEVのイメージを確保して普及につなげないとならないし。
長くなりましたが、これからの技術経営を考える上でかなり良い参考書になりそうです~
この記事、かなり備忘録てきな内容ですね。