少し前になりますが、カーデザイナーとして世界的に権威のあるLifetime Design Achievement賞 を受賞した中村史郎さんの本。 →記事

私は普段エンジニアとして製品開発に携わっていますが、実際にどのようにしてそのカタチがデザインされているかは知り得ません。そんな私にとって、デザインの真髄を感じることができた一冊です。

デザイナーはやはり内面が熱い。その情熱が表にカタチとなって現れたものがデザインなんだ、そう感じることができました。

デザイナーは魂でモノのカタチを作っている、その中に込められる技術も魂を持って作り上げていかなくては、そう感じた一冊でした。


中村 史郎
毎日新聞社
発売日:2011-03-18
デザインは作り手と使い手の共同作業であり、感激は使い手の期待を超えることである。そのためには使うひとのいうことを聞くのではなく、観察することである。

エンジニアとして自分の技術が世の中に出ていくのを見ても、それがいかにデザインされているのかを知る機会は少ない。デザインは機密の塊だから。
そんなデザインの最前線で活躍する中村史郎さんの話は新鮮で面白く、元々軽快な語り口は、本になっても変わらない。
そんな中村さんのクルマ、特に日本車にかける想いに触れることができる一冊。

・クルマのデザイン
クルマは、単なる移動の道具から生活スタイルを提案する商品に。その上で中村さんはデザインからプロモーションまで一貫して管理するいわばオーケストラの指揮者。日産のデザイナーを率いて多数の車種を担当し、多様性と一貫性をうまくバランスさせる
・デザインはアートとは違う
デザインは設計するという語義、美しいカタチに優れた機能を備える。特に車は安全性、空力、室内空間などと綿密。
・ニホンのクルマのデザイン
もともと自動車は地産地消、80年頃から輸出産業となり、個性・アイデンティティが薄れていった。
日本は古くから多くの文化を吸収してきており、特にアイデンティティの自覚が薄い。故に日本はユニークでり、、日本独自の良さを世界に発信、輸出して世界にマーケティングしていくことで、世界を楽しくしたい

デザインを仕事にする中村さんの言葉は内から溢れるものを感じる。その源泉を感じた一言。「カタチはすべてを一瞬にして直感的に伝える、内面から湧き上がったものが、表面に現れる」
デザインは、内面に秘めている想いが外へ溢れたものなんですね。

中村さんの担当されたそれぞれのクルマに対する想いにも触れられました。この様なデザイナーの想いに触れられるのは、同じ作り手として非常に貴重でした。



日本発のデザイナーの本として、AUDIのデザイナーとして活躍した和田智さんの本もあるので、今度是非読んでみたいと思います。

未来のつくりかた アウディで学んだこと/和田 智
¥1,680
Amazon.co.jp



今朝一番に東大の中原教授(@nakaharajun)のツイートで飛び込んできた日経のニュース


「プリウス全車家庭充電 トヨタ 14年から、非常電源にも」


記事抜粋:
トヨタ自動車は2014年から主力のハイブリッド車(HV)「プリウス」を家庭用の一般電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)に全面的に切り替える。価格を現行プリウス並みに抑え、幅広く需要を開拓する。①トヨタグループは次世代送電網(スマートグリッド)の整備をにらみ、エネルギー自給型の住宅事業も計画している。
トヨタは15年前後に、②HVの世界販売を年間約100万台(10年実績は70万台)に引き上げる計画。保有台数も500万台規模に膨らむとみている。HV販売台数の7割超がプリウス利用者とみられる。
③PHVプリウスは蓄電池に高性能なリチウムイオン電池を採用。④現行モデルの燃費性能はガソリン1㍑あたり最高38㌔だが、次期プリウスは電気のみの走行分を含めて60㌔超に引き上げる。


ここで次期プリウスとして話題になっているプラグインハイブリッドですが、実は既に市販されています。充電すると、電池のみで23.4㌔をEV走行できます。


日本の技術を考えよう!-プリウスPHV

しかし、なんと税込価格は525万円、購入補助金を利用して386.4万円 !が購入価格。160㌔を走れる日産リーフが税込376万円、補助金利用で299万円であるのと比較すると、非常に高価です。


それでは、今後3年余りでどのようにこの価格差を埋めて、さらに毎日充電する手間がかかるプラグイン方式を普及させていくのでしょうか?
ここでの問題は、[1]価格のギャップと、[2]実用性のギャップですね。私はこの問題に対する肝を、次のように見ます。


[1]価格のギャップ
プリウスプラグインの、ベース(廉価グレードで205万円)との価格差は約300万円!。この差はどこから生じているのでしょうか。
まずは単純に容量が大きくなっている(EV走行距離はベースの約10倍=電池容量も約10倍)ことが考えられますが、それだけではないでしょう。
一番の原因は少量生産と、安全性確保に莫大なコストがかかっていることでしょう


・安全性確保のコスト
先にこちらの問題を指摘します。トヨタと電池サプライヤーであるパナソニックは、昔からエネルギー密度に優れながらも、安全性に何があるコバルト系のリチウムイオン電池を開発してきており③、この安全性がネックで開発が遅れている、といった指摘があります。(日産-AESCはマンガン系で既に商品化しています。)→詳しくは過去記事 参照
この材質は、パナソニックがサンヨーと組んでも変わらなかったようです。このプラグインハイブリッドの電池材料もコバルト系です。→参考記事
この材料で商品化するために、安全要求を厳しくし、それがコストに跳ね返っているのでしょう。


しかし、PHVでの市販化の経験を積み、次の段階として5月に発売される「プリウスα」というプリウスのミニバンタイプでは、7人乗りに限りこのリチウムイオン電池が搭載されます。


日本の技術を考えよう!

グレードとしては一部とはなりますが、着実に商品化の次のステップに進んでいることが伺えます。
このプリウスαの過程を経て、14年のPHV用電池では安全性に対するコストを削減できていることが予想できます。


・少量生産
プリウスPHVの生産規模は数百台レベル。それに対しプリウスの生産台数は数百万台レベル②で約1万倍の規模感の違い。バッテリーのマスプロダクションによるコスト効果がいくらくらいあるのかは不明だが、単純にこれで価格が下がることが容易に想像できる。


つまり、価格ギャップのブレークスルーは

大量生産×安全性コストの低減

にある。


その他の要因としては、
・モーターなどの回生・駆動系部品の旧型流用
PHVは電池のマジックで燃費が恐ろしく良くなる④。なにせ、EV走行時の燃費は0割、つまり無限大∞だから。つまり公表する燃費もこれまでに比べて圧倒的に良くなり、ちまちまとした技術向上で燃費を稼がなくてもよくなってしまう。つまり、HVの部品類は旧型の流用で済み、全体コストが下がる。
(PHVの燃費測定法については賛否があるところで、今後しっかりとした測定法が登場する可能性もあります。なにせ、ハイブリッド走行時は重いバッテリーを背負っている分燃費が悪化してしまいますから。
GMのPHVボルトも、ハイブリッド走行時はリッター20㌔程度で、がクリーンな排気ガス検定に落っこちたりした由縁でもあります。)


[2]実用性のギャップ
PHVの走行距離はせいぜい2,30㌔。ということは、通勤で使用している人は毎日充電する必要があるわけです。
毎日プラグを挿したり抜いたり、結構面倒臭く感じる人もいるのではないでしょうか。この点に少しPHV普及の壁を感じます。


しかし、先日このようなニュースがありました。


「トヨタ、非接触充電技術で米国ベンチャーのWiTricity(ワイトリシティ)と提携」


このWiTricity(ワイトリシティ)という企業、非接触充電の中でも共鳴方式という比較的充電効率が高い技術に強みを持っています。→参考記事
おそらく、PHVの充電の煩雑性の解消に、この非接触技術を投入してくるのではないでしょうか。
さらにその先は、非接触で家庭の電力とのやり取りも行い、スマートグリッドの要素も見え隠れします。
これらの技術が確立できれば、あとは販売台数ではライバルを寄せ付けないプリウスですから、充電技術・スマートグリッドの分野で一気に業界標準、そして世界標準も狙える位置にくる可能性がありますね①。


本日の日経1面に掲載されたこの記事から、以上のようなことを考えてみました。

(抜粋記事の数字と、記事内の数字をリンクさせています。)
もし思うところがありましたら、コメントお待ちしております。

昔炭鉱で栄えた北海道赤平市は、現在では過疎の進む小さな町です。そんな田舎で宇宙開発を行っているのが植松電機であり、その社長の植松努さんの書いた本を紹介します。
とても前向きな考えで、しかもその全てを実践してきているのは驚きで、素直に感激できます。
エンジニアの方には是非とも読んで欲しい一冊で、多分感じるところがあると思います。
植松さんの講演会も非常に話上手で面白いらしく、一度聴いてみたいと思っています。

植松 努
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2009-11-05
どうせ無理、という言葉をこの世からなくす、夢をあきらめない、補助金がなくても全額自腹でやっていく

とても前向きな言葉がそこには並んでいて、事も無げに書いてあるから、ホントに?と思うことがあるけど、植松さんは全て実践してきているんですよね。

本の舞台は北海道の赤平にある植松電機で、昔炭鉱で栄えたけど、今は過疎化が進んでいる町。北海道に住んでいて車で通ったことがあって、どうしてこんなところに?って感じで植松電機の工場があります。
違和感を感じるのは巨大な無重力実験棟。何故なら宇宙開発をしている会社だから。
普通数十~数百万する無重力実験を、植松電機ではタダ同然で提供する。何故なら投資を経験と知恵と人脈で回収することが出来るから。

現在はアークプロジェクトという教育プログラムを同じ赤平の施設内に立ち上げて、「住むためのコストを10分の一にし、食うためのコストを半分にし、学ぶためのコストをタダにする」という欧米で実践しされている理想をいかに日本に持ち込むかという夢に向かって日々取り組んでいるという。

刺さる言葉が幾つかあったのでピックアップ
・大量生産、消費の時代から節約した方が豊かになる社会へ
・楽をすると無能にしかなれない
・給料分だけ働いていると、給料分の人間で終わる
・諦められるのはいつでもできるから、最後に回せばいい
・感動すると夢が見つかる

植松電機で開発しているポリエチレン燃料ロケットは、確かに推進力では制限があるかもしれないけど、安全性、環境親和性と今の小型化の流れを見ると、芽があるように感じました。

とにかく前向きになれる本で、エンジニアの人に読んで欲しい一冊。是非直接お話を聞いてみたい!





iPhoneからの投稿
会社で報告書を書くことがありますが、中々一発でOKが出ない、伝えたいことが伝わらないという悩みを抱えていました。
そんな悩みの原因がどこにあるのか?どう向上していけば良いのか?
一つの方向性を示してくれる本を紹介します。
著者はあの池上彰さん。本を書いてもわかりやすい!

もう一つ、文章力向上にブログを勧めています。日記や備忘録ではなく、他人の目に触れるブログを書く事で他人からの刺激を得られ、文章の洗練に役立つと。
やはり、読書をシェアする活動は、ひいては文章力の向上にも役立ちそうです。

池上 彰
PHP研究所
発売日:2007-04-19
池上彰さん、さすが本もわかりやすい!納得できるエピソード満載。

読んでいて自信になったこと→
「全く知らない人に説明するにはどうするがまで意識すると、理解が格段に深まる。」自分が以前勉強会で講義をした時に、前知識の無い人に物事を伝える難しさを痛感しました。池上さんも同じ経験を経てこの様な意見にたどり着いていました。

読んでいて勉強になったこと→
ビジネスパーソンとしての報告書の極意。
自分が完璧だと思って上司に見せた時に否定されるあの無力感。池上さんの解説もここを起点にしてすんなり入ってきました。
・一晩寝かせる→誤字脱字、意味不明な点に気付く
・もう一人の自分を育てる→客観的な視点を得る。そのために、先輩の文章を書き写して勉強会する
・緩やかな演繹法→報告書にまとめるような仕事では、ある程度仮説を立てて、それね対する結論を得るように進める。=ストーリー作りが大切
・ブログを書く→誰かが読む前提なので、文章力が向上する。他者の刺激を受ける

中身は若手ビジネスマンにちょうど良い、わかりやすく刺激を得られる本でした。




iPhoneからの投稿

トヨタの高級車に低価格で乗れる場所があります。

それはどこか・・・?


ここ、amlux(アムラックス)池袋のタイムレンタルです。

平日:60分1000円、90分1500円

休日:60分1500円、90分2000円

特に新型車が発表された際には45分無料レンタルの企画などもあり、

結構前から利用しています。


日本の技術を考えよう!

震災の影響でしばらく休止していましたが、先週から復活していました。

そこで、こちらの車に試乗してきました。


日本の技術を考えよう!
日本の技術を考えよう!-majesta_front日本の技術を考えよう!-majesta_interior

販売価格は600万円~。

レンタカーの設定もほとんど見たこと無いですね。

それを2000円程で好きに走らせられるのは良いです。

それでは、簡単なインプレッション。


パワートレイン~

お金がかかっているだけあって、吹き上げが良く、また踏み込んでもがさつな音が伝わってきません。

官能的かと言われると、そこはスポーティカーではないので仕方ないですね。

またアクセルを踏み込んだ際のタイムラグは気になるところです。


足回り~

MAJESTAは確かに後席にお偉いさんが乗る車ではありますが、なかなか良い足回りをしていると思います。エアサスなのでゴツビリ~割と大きなピッチ振動までうまく抑えられていますし、特にSPORTSモードで乗るとなかなかキビキビ走ります。

エアサスで車高を上げるHEIGHTモードなるものがあるのですが、こちらはふわふわしてだめでした。これとSPORTSを一緒に組み合わせられるのですが、、、なぜ?

また隠し玉的にナビ連携でカーブでサスを硬くする、といった機能もあるのですが、都内のチョイ乗りでは全然わかりませんでした~


操縦性~

マジェスタで特に気に入っているのが、ハンドルの扱いやすさ。VGRS(ギヤ比可変ステアリング)によって、低速でもハンドルはとても軽く、とてもあんなに重くてデカイ車を操っているように感じません。速度を上げてもそれは一緒で、チューニングをうまくやっているのだろうと感じました。

ただ、それに伴って路面フィールの感触は希薄。でもあのステアの世界観に慣れれば、とても操りやすい!


快適性~

エアコン、サンシェードなどの機能は十分。特にエアコンは自動で左右にサーキュレーションしていて、驚きの装備でした。初めて見た。


登場してからだいぶ経ち、装備の古さは否めないですが、当時としては最高技術の詰め合わせ。それは今でも感じられます。

トヨタブランドのフラッグシップとしての存在感は健在ですね。

この車も、中国ではMAJESTAのバッヂはとれて、クラウンとして販売されています。確かに、後席に3人乗車が当然の中国で、あの横幅は重宝がられるのでしょう。


以上、久々の試乗レビューでした。